7 / 35
7 分かっちゃいるけど……
しおりを挟む
そうして順調に旅は進んでいくわけだが、勇者の態度は相変わらずだしアイリーン達の様子も相変わらず。
ただ戦闘時に関してはモンスターを倒せば倒す程、残っているモンスター達は強敵となっていき、戦いは激化していった。
するとどんどん露見する勇者との実力差により、アイリーン達は気まずさを感じ始めた様で、更にそれにプラスして勇者自身も「邪魔。」とハッキリ告げたらしく、いや~な空気が漂い始める。
その結果、基本は周りの弱いモンスターはアイリーン達、強いモンスターや強敵であるユニークモンスターは勇者────という様に分担する事にした様だ。
そのため強敵と戦う際は、勇者だけで向かう事もあり、その間俺とアイリーン達はお留守番。
その日もブチブチと腐るお嬢さん達の相手をしなければならず、家事が進まない。
「あ~ん……勇者様、今頃ユニークモンスター倒しているのかしら~。近くで応援したいのにぃ~……。」
「きっといつも通りのちょちょいちょいだぜ!ホントにすげぇよな~勇者様は。」
メルクが大きなオッパイに手を添えながら、ふぅ……と悲しげに呟くと、隣でルーンが顔に手を当ててウットリした顔をする。
するとキュアが大きく頷きながら、話に割り込んだ。
「ヒカリ様は、歴代勇者と比べても比較にならない程の力をお持ちですね~。
残念ですが、私達の出る幕はなさそうです。」
「本当に残念だわ……。せっかくのアピールチャンスがなくなっちゃうものね。」
アイリーンがキュアの言葉に残念そうにため息をつくと、メルクがぷるるんと胸を揺らしながらニヤッ~と笑う。
「じゃあ戦闘以外の場所でアピールしていくしかないって事かな~♡例えば────夜とか……?」
不穏な言葉に、全員の目がギラッと光った。
「……ちょっとお乳お化け、それはちょっと卑怯じゃない?夜は抜け駆け禁止よ。」
「そうですよ~。メルクさん、それは下品すぎませんか?」
アイリーンとキュアが同時にメルクを睨んだが、メルクはどこ吹く風。
そんなメルクにルーンが追い討ちをかける。
「へへーんだ!勇者様はそんなおっぱい如きに負ける様な男じゃねぇよーだ!」
「ルーンはまだまだ分かってないわね~。男はみ~んなおっぱい好きなの。ねっ?雑用さ~ん♡」
メルクは突然近くでバサバサとテントの泥を落としている俺に近づいてきて、プルル~ン♬とおっぱいをつけてくる────が、俺は完全なる無反応。
そのまま気にせず、サッサっ!とテントの泥を落としていると、メルク以外のお嬢さんが大爆笑し始めた。
「全然相手にされてねぇーじゃん!!な~っはっはっ!!」
「プププ~!!普段からお乳自慢してるくせに、ダメじゃなーい!www 」
「 あ……あんまり笑っては可哀想ですよ~!……で、でも……ふ……ふぐっ!! 」
散々笑われたメルクは、ゴッ!!とドス黒いオーラを垂れ流し、それを全て俺に向けてきた。
「底辺不細工男の分際でぇぇぇ────!!何様のつもりよ!!
こ~んな!美しくてナイスバディの美女が迫ってるんだから、ここは目をハートにして喜ぶところでしょう!!
モブ男!豆粒男!ブ男代表!!ドブネズミ!!」
「あのなぁ~……。そんな一回り以上も歳が離れたお嬢さんに反応しまくる方が問題だからな?
そもそも俺のストライクゾーンは、40歳以上なんで~!年上超大好きなんで~!」
ぶっちゃけつい最近立ち寄った、飯屋の女将さんがドストライクだった。
キラッ!と眼を光らせて言うと、お嬢さん達は総出で「キモっ!」「ウザっ!」「きっもち悪りぃ~!」と散々な言いようだ。
熟女の魅力語ってやろうか!
ププン!と湯気を出し、小一時間程語ってやろうかと思った、その時────。
「……いい気なもんだね。
たかが荷物番しかできない役立たずのくせに、おしゃべりなんて。」
心底蔑む様な目で俺を見下ろす勇者が静かに背後に立っていた。
「「「「勇者様!」」」」
アイリーン達はパァァ!と表情を明るくして駆け寄ろうとしたのだが、ヒカリ君の機嫌は良くないことを悟り、空気を読んで黙り込む。
俺もチラッとヒカリ君の方を見て、めちゃくちゃご機嫌斜めな事を知った。
「おかえりおかえり~。温かいお茶沸かしたから飲めよ。お疲れ様。」
鍋に入れて沸かしていたお茶をコップに入れて、差し出したが────……。
────パンッッ!!
その手を振り払われてしまい、そのままコップは吹っ飛んでいってしまった。
「ムカつくからやめろって何度も言ってるのに……何でそんなにしつこいの?
あんたのヘラヘラした能天気な顔見ると腹が立つんだ。
まぁ、誰かに媚びへつらうしかないから必死なんだろうけど。」
嫌そうに歪められた顔は、心底俺の事を嫌っている事が分かる。
しかし……。
「まぁまぁそう言うなって。もう一週間も戦いっぱなしじゃないか。
いくら物凄く強いからって人間、寝ないともたないぞ。」
俺が荷物番をしている所にヒカリ君が帰ってくるのは、基本はご飯の時だけ。
それすらもほとんど帰って来ないもんだから、心配でこうして帰ってくると、あれやこれやと面倒をみようとしてしまい────こうして大激怒をくらう。
話しかけるなオーラをビュンビュンと漂わせる勇者様。
それに嫌われたくないお嬢さん達は、こうした時は示し合わせた様に静かだ。
俺もねぇ~分かっちゃいるんだよ。分かっているけどさ──……。
「せめてかぼちゃの煮物作ったから食べてけよ。あと豚の角煮も作ったからさ。」
ただ戦闘時に関してはモンスターを倒せば倒す程、残っているモンスター達は強敵となっていき、戦いは激化していった。
するとどんどん露見する勇者との実力差により、アイリーン達は気まずさを感じ始めた様で、更にそれにプラスして勇者自身も「邪魔。」とハッキリ告げたらしく、いや~な空気が漂い始める。
その結果、基本は周りの弱いモンスターはアイリーン達、強いモンスターや強敵であるユニークモンスターは勇者────という様に分担する事にした様だ。
そのため強敵と戦う際は、勇者だけで向かう事もあり、その間俺とアイリーン達はお留守番。
その日もブチブチと腐るお嬢さん達の相手をしなければならず、家事が進まない。
「あ~ん……勇者様、今頃ユニークモンスター倒しているのかしら~。近くで応援したいのにぃ~……。」
「きっといつも通りのちょちょいちょいだぜ!ホントにすげぇよな~勇者様は。」
メルクが大きなオッパイに手を添えながら、ふぅ……と悲しげに呟くと、隣でルーンが顔に手を当ててウットリした顔をする。
するとキュアが大きく頷きながら、話に割り込んだ。
「ヒカリ様は、歴代勇者と比べても比較にならない程の力をお持ちですね~。
残念ですが、私達の出る幕はなさそうです。」
「本当に残念だわ……。せっかくのアピールチャンスがなくなっちゃうものね。」
アイリーンがキュアの言葉に残念そうにため息をつくと、メルクがぷるるんと胸を揺らしながらニヤッ~と笑う。
「じゃあ戦闘以外の場所でアピールしていくしかないって事かな~♡例えば────夜とか……?」
不穏な言葉に、全員の目がギラッと光った。
「……ちょっとお乳お化け、それはちょっと卑怯じゃない?夜は抜け駆け禁止よ。」
「そうですよ~。メルクさん、それは下品すぎませんか?」
アイリーンとキュアが同時にメルクを睨んだが、メルクはどこ吹く風。
そんなメルクにルーンが追い討ちをかける。
「へへーんだ!勇者様はそんなおっぱい如きに負ける様な男じゃねぇよーだ!」
「ルーンはまだまだ分かってないわね~。男はみ~んなおっぱい好きなの。ねっ?雑用さ~ん♡」
メルクは突然近くでバサバサとテントの泥を落としている俺に近づいてきて、プルル~ン♬とおっぱいをつけてくる────が、俺は完全なる無反応。
そのまま気にせず、サッサっ!とテントの泥を落としていると、メルク以外のお嬢さんが大爆笑し始めた。
「全然相手にされてねぇーじゃん!!な~っはっはっ!!」
「プププ~!!普段からお乳自慢してるくせに、ダメじゃなーい!www 」
「 あ……あんまり笑っては可哀想ですよ~!……で、でも……ふ……ふぐっ!! 」
散々笑われたメルクは、ゴッ!!とドス黒いオーラを垂れ流し、それを全て俺に向けてきた。
「底辺不細工男の分際でぇぇぇ────!!何様のつもりよ!!
こ~んな!美しくてナイスバディの美女が迫ってるんだから、ここは目をハートにして喜ぶところでしょう!!
モブ男!豆粒男!ブ男代表!!ドブネズミ!!」
「あのなぁ~……。そんな一回り以上も歳が離れたお嬢さんに反応しまくる方が問題だからな?
そもそも俺のストライクゾーンは、40歳以上なんで~!年上超大好きなんで~!」
ぶっちゃけつい最近立ち寄った、飯屋の女将さんがドストライクだった。
キラッ!と眼を光らせて言うと、お嬢さん達は総出で「キモっ!」「ウザっ!」「きっもち悪りぃ~!」と散々な言いようだ。
熟女の魅力語ってやろうか!
ププン!と湯気を出し、小一時間程語ってやろうかと思った、その時────。
「……いい気なもんだね。
たかが荷物番しかできない役立たずのくせに、おしゃべりなんて。」
心底蔑む様な目で俺を見下ろす勇者が静かに背後に立っていた。
「「「「勇者様!」」」」
アイリーン達はパァァ!と表情を明るくして駆け寄ろうとしたのだが、ヒカリ君の機嫌は良くないことを悟り、空気を読んで黙り込む。
俺もチラッとヒカリ君の方を見て、めちゃくちゃご機嫌斜めな事を知った。
「おかえりおかえり~。温かいお茶沸かしたから飲めよ。お疲れ様。」
鍋に入れて沸かしていたお茶をコップに入れて、差し出したが────……。
────パンッッ!!
その手を振り払われてしまい、そのままコップは吹っ飛んでいってしまった。
「ムカつくからやめろって何度も言ってるのに……何でそんなにしつこいの?
あんたのヘラヘラした能天気な顔見ると腹が立つんだ。
まぁ、誰かに媚びへつらうしかないから必死なんだろうけど。」
嫌そうに歪められた顔は、心底俺の事を嫌っている事が分かる。
しかし……。
「まぁまぁそう言うなって。もう一週間も戦いっぱなしじゃないか。
いくら物凄く強いからって人間、寝ないともたないぞ。」
俺が荷物番をしている所にヒカリ君が帰ってくるのは、基本はご飯の時だけ。
それすらもほとんど帰って来ないもんだから、心配でこうして帰ってくると、あれやこれやと面倒をみようとしてしまい────こうして大激怒をくらう。
話しかけるなオーラをビュンビュンと漂わせる勇者様。
それに嫌われたくないお嬢さん達は、こうした時は示し合わせた様に静かだ。
俺もねぇ~分かっちゃいるんだよ。分かっているけどさ──……。
「せめてかぼちゃの煮物作ったから食べてけよ。あと豚の角煮も作ったからさ。」
158
あなたにおすすめの小説
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
災厄の魔導士と呼ばれた男は、転生後静かに暮らしたいので失業勇者を紐にしている場合ではない!
椿谷あずる
BL
かつて“災厄の魔導士”と呼ばれ恐れられたゼルファス・クロードは、転生後、平穏に暮らすことだけを望んでいた。
ある日、夜の森で倒れている銀髪の勇者、リアン・アルディナを見つける。かつて自分にとどめを刺した相手だが、今は仲間から見限られ孤独だった。
平穏を乱されたくないゼルファスだったが、森に現れた魔物の襲撃により、仕方なく勇者を連れ帰ることに。
天然でのんびりした勇者と、達観し皮肉屋の魔導士。
「……いや、回復したら帰れよ」「えーっ」
平穏には程遠い、なんかゆるっとした日常のおはなし。
推し様たちを法廷で守ったら気に入られちゃいました!?〜前世で一流弁護士の僕が華麗に悪役を弁護します〜
ホノム
BL
下級兵の僕はある日一流弁護士として生きた前世を思い出した。
――この世界、前世で好きだったBLゲームの中じゃん!
ここは「英雄族」と「ヴィラン族」に分かれて二千年もの間争っている世界で、ヴィランは迫害され冤罪に苦しむ存在――いやっ僕ヴィランたち全員箱推しなんですけど。
これは見過ごせない……! 腐敗した司法、社交界の陰謀、国家規模の裁判戦争――全てを覆して〝弁護人〟として推したちを守ろうとしたら、推し皆が何やら僕の周りで喧嘩を始めて…?
ちょっと困るって!これは法的事案だよ……!
俺が王太子殿下の専属護衛騎士になるまでの話。
黒茶
BL
超鈍感すぎる真面目男子×謎多き親友の異世界ファンタジーBL。
※このお話だけでも読める内容ですが、
同じくアルファポリスさんで公開しております
「乙女ゲームの難関攻略対象をたぶらかしてみた結果。」
と合わせて読んでいただけると、
10倍くらい楽しんでいただけると思います。
同じ世界のお話で、登場人物も一部再登場したりします。
魔法と剣で戦う世界のお話。
幼い頃から王太子殿下の専属護衛騎士になるのが夢のラルフだが、
魔法の名門の家系でありながら魔法の才能がイマイチで、
家族にはバカにされるのがイヤで夢のことを言いだせずにいた。
魔法騎士になるために魔法騎士学院に入学して出会ったエルに、
「魔法より剣のほうが才能あるんじゃない?」と言われ、
二人で剣の特訓を始めたが、
その頃から自分の身体(主に心臓あたり)に異変が現れ始め・・・
これは病気か!?
持病があっても騎士団に入団できるのか!?
と不安になるラルフ。
ラルフは無事に専属護衛騎士になれるのか!?
ツッコミどころの多い攻めと、
謎が多いながらもそんなラルフと一緒にいてくれる頼りになる受けの
異世界ラブコメBLです。
健全な全年齢です。笑
マンガに換算したら全一巻くらいの短めのお話なのでさくっと読めると思います。
よろしくお願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる