9 / 17
9 お嫁候補ナンバーワン
流石に母さんやレアに聞けないもんな……。
困ってしまってガリガリと頭を掻いたが、多分何とかなる。……多分。
腕を組みながら考え込んだが、とりあえず何かをすると次の日の朝、赤ちゃんが産まれてくる卵が家の前に置かれていると……。
この<卵下ろし>こそ、女神の奇跡の一つ。
ちなみにこの卵は、愛が深いほど数が多いらしく、今までで最多は五つだそうだ。
「卵の数によっては食い扶持が増えちゃうから、それも考えないと駄目なんだよな~……。 」
そのせいで子供を養えなくなった男がヘルフィールドに送られたこともあったので、お嫁の数は慎重に選ぼう!と学校でも嫌というほど聞いた。
大きなため息をついたその時────大神官様は、突然端に寄りゴホンッと咳払いをする。
「それでは、今年参加するお嫁候補より開会の花撒きをしてもらいましょう!
────では、お嫁候補者の入場です!」
ワッ!!!と歓声が上がる中、ズラズラと前にやって来たのは、沢山のお嫁候補者達。
色とりどりのカラードレスを着ていて、とにかくキレイで目を引く。
俺も他の参加者達も目が釘付けで、お嫁候補者達を凝視していたが、アレンだけは相変わらずの無表情だ。
それなのに、お嫁候補者達の目はアレンに釘付けだったが……。
お嫁候補者達にとって、これは一生に一度の大事なイベントで、お家柄が良い女性にとっては、家の存続だって掛かっているため必死だ。
よりよい男を自分の家に取り込む。
そして家をより大きくしてもらうわけだ。
その際、沢山のお嫁候補者がいるハーレムなら、家同士の繋がりも作れる為、家柄が良い女性ほどお嫁は多い方が良いと考えている。
ただし、そのハーレム内の順位は非常に重要で、熾烈な戦いがこれから始まるらしい。
家柄が良くない俺には未知の世界だ……。
「う~ん……。」
一応は一般家庭な俺としては未知の世界で……困惑しながらお嫁候補者達を見る。
その中で、多分一番前に進み出ているのが、今のところお嫁候補者として順位が高いもの達のはずだ。
「やっぱ、お嫁ランキング人気ナンバーワンはアンジェ様か……。
後はナンバーツーのレイラ様に、ナンバースリーのナタリー様だな。」
「このトップスリーはこのまま変わらないだろう。
何てったってこの国の中でトップに君臨するお家柄だもんな。」
周りで騒がれる話を聞きながら、改めて他の女性達より前に出ている華やかな女性達を見つめた。
真ん中の一番綺麗な美少女がアンジェ様。
国を支える格式あるお家の長女で、顔よし!スタイルよし!頭良し!と非の打ち所がない人なのだとか。
更に魔力の扱いに長け様々な魔法を使えるそうで、お嫁さんになっても後ろではなく隣で歩いてくれる存在になるはずだ。
金色のサラサラヘアーに、パッチリした目鼻立ち。
控えめな赤のカラードレスが本当に似合う堂々とした立ち姿を見て、こういう人の隣に立てる男の人が羨ましいなと思った。
しかし、アンジェ様の目は……真っ直ぐ誰かさんを見ているのは分かっていたので、視線を下に向ける。
だから気づかなかったのだ。
その注目されている誰かさんが、ずっと誰を見ていたのかを。
「────それでは<嫁取り>、これより開催しまーす!!」
大神官の開会の言葉を合図に、お嫁候補達が一斉に手に持つ花を空に投げる。
色とりどりの花達は空を飾り、これから嫁取りの儀式に参加する者たちの背中を押してくれた。
参加者たちは、そのまま我先にと街の外にある未開拓へ走る。
そこに家を建て、三ヶ月掛けてそこを守りながら生活していかなければならないのだ。
俺はグッと拳を握って、もう見えなくなっている他の参加者達を必死に追いかけていった。
「ここからここは俺の土地だ!」
「なんだと!ここは俺の土地だ!」
ギャーギャーとそこら中で喧嘩をしながらも、皆が日向のいい場所を取っていく中、俺もその戦いに参戦────できるわけもなく、木々に囲まれた日陰のじめっとした端の土地に落ち着く。
「ここでいいんだ、キノコが育ちやすいから。」
毎年日向のいい土地は争奪戦。
それに勝ち抜ける事はできない事を幼き頃から悟った俺が目論んだのは、日陰で行えるきのこの栽培だ。
「まずはキノコを採集しよう!話はそれからだ。」
モンスターに出会ったら『死』な俺は、そのままウロウロと街側に近い場所を探し周り、やっとこさスタンダードキノコを採集した。
「よーし!これを土壌に植えれば、あとは勝手に増えていくから美味しいキノコが……。」
ホクホクと自分の土地に帰ろうとした、その時────。
────ドッ!!!!
正面から凄じい風に襲われ、踏ん張ることもできずにコロコロと転がされてしまう。
「わぁぁぁぁぁー!!な、なんだ??!」
転がった先で、長い雑草にしがみつき目を凝らすと、俺の土地と決めた場所の隣の土地、そこにアレンが剣を握って立っていた。
そして────……周りを囲っていたはずの木々が……全てなくなっていたのだ。
困ってしまってガリガリと頭を掻いたが、多分何とかなる。……多分。
腕を組みながら考え込んだが、とりあえず何かをすると次の日の朝、赤ちゃんが産まれてくる卵が家の前に置かれていると……。
この<卵下ろし>こそ、女神の奇跡の一つ。
ちなみにこの卵は、愛が深いほど数が多いらしく、今までで最多は五つだそうだ。
「卵の数によっては食い扶持が増えちゃうから、それも考えないと駄目なんだよな~……。 」
そのせいで子供を養えなくなった男がヘルフィールドに送られたこともあったので、お嫁の数は慎重に選ぼう!と学校でも嫌というほど聞いた。
大きなため息をついたその時────大神官様は、突然端に寄りゴホンッと咳払いをする。
「それでは、今年参加するお嫁候補より開会の花撒きをしてもらいましょう!
────では、お嫁候補者の入場です!」
ワッ!!!と歓声が上がる中、ズラズラと前にやって来たのは、沢山のお嫁候補者達。
色とりどりのカラードレスを着ていて、とにかくキレイで目を引く。
俺も他の参加者達も目が釘付けで、お嫁候補者達を凝視していたが、アレンだけは相変わらずの無表情だ。
それなのに、お嫁候補者達の目はアレンに釘付けだったが……。
お嫁候補者達にとって、これは一生に一度の大事なイベントで、お家柄が良い女性にとっては、家の存続だって掛かっているため必死だ。
よりよい男を自分の家に取り込む。
そして家をより大きくしてもらうわけだ。
その際、沢山のお嫁候補者がいるハーレムなら、家同士の繋がりも作れる為、家柄が良い女性ほどお嫁は多い方が良いと考えている。
ただし、そのハーレム内の順位は非常に重要で、熾烈な戦いがこれから始まるらしい。
家柄が良くない俺には未知の世界だ……。
「う~ん……。」
一応は一般家庭な俺としては未知の世界で……困惑しながらお嫁候補者達を見る。
その中で、多分一番前に進み出ているのが、今のところお嫁候補者として順位が高いもの達のはずだ。
「やっぱ、お嫁ランキング人気ナンバーワンはアンジェ様か……。
後はナンバーツーのレイラ様に、ナンバースリーのナタリー様だな。」
「このトップスリーはこのまま変わらないだろう。
何てったってこの国の中でトップに君臨するお家柄だもんな。」
周りで騒がれる話を聞きながら、改めて他の女性達より前に出ている華やかな女性達を見つめた。
真ん中の一番綺麗な美少女がアンジェ様。
国を支える格式あるお家の長女で、顔よし!スタイルよし!頭良し!と非の打ち所がない人なのだとか。
更に魔力の扱いに長け様々な魔法を使えるそうで、お嫁さんになっても後ろではなく隣で歩いてくれる存在になるはずだ。
金色のサラサラヘアーに、パッチリした目鼻立ち。
控えめな赤のカラードレスが本当に似合う堂々とした立ち姿を見て、こういう人の隣に立てる男の人が羨ましいなと思った。
しかし、アンジェ様の目は……真っ直ぐ誰かさんを見ているのは分かっていたので、視線を下に向ける。
だから気づかなかったのだ。
その注目されている誰かさんが、ずっと誰を見ていたのかを。
「────それでは<嫁取り>、これより開催しまーす!!」
大神官の開会の言葉を合図に、お嫁候補達が一斉に手に持つ花を空に投げる。
色とりどりの花達は空を飾り、これから嫁取りの儀式に参加する者たちの背中を押してくれた。
参加者たちは、そのまま我先にと街の外にある未開拓へ走る。
そこに家を建て、三ヶ月掛けてそこを守りながら生活していかなければならないのだ。
俺はグッと拳を握って、もう見えなくなっている他の参加者達を必死に追いかけていった。
「ここからここは俺の土地だ!」
「なんだと!ここは俺の土地だ!」
ギャーギャーとそこら中で喧嘩をしながらも、皆が日向のいい場所を取っていく中、俺もその戦いに参戦────できるわけもなく、木々に囲まれた日陰のじめっとした端の土地に落ち着く。
「ここでいいんだ、キノコが育ちやすいから。」
毎年日向のいい土地は争奪戦。
それに勝ち抜ける事はできない事を幼き頃から悟った俺が目論んだのは、日陰で行えるきのこの栽培だ。
「まずはキノコを採集しよう!話はそれからだ。」
モンスターに出会ったら『死』な俺は、そのままウロウロと街側に近い場所を探し周り、やっとこさスタンダードキノコを採集した。
「よーし!これを土壌に植えれば、あとは勝手に増えていくから美味しいキノコが……。」
ホクホクと自分の土地に帰ろうとした、その時────。
────ドッ!!!!
正面から凄じい風に襲われ、踏ん張ることもできずにコロコロと転がされてしまう。
「わぁぁぁぁぁー!!な、なんだ??!」
転がった先で、長い雑草にしがみつき目を凝らすと、俺の土地と決めた場所の隣の土地、そこにアレンが剣を握って立っていた。
そして────……周りを囲っていたはずの木々が……全てなくなっていたのだ。
あなたにおすすめの小説
呪われた辺境伯は、異世界転生者を手放さない
波崎 亨璃
BL
ーーー呪われた辺境伯に捕まったのは、俺の方だった。
異世界に迷い込んだ駆真は「呪われた辺境伯」と呼ばれるレオニスの領地に落ちてしまう。
強すぎる魔力のせいで、人を近づけることができないレオニス。
彼に触れれば衰弱し、最悪の場合、命を落とす。
しかしカルマだけはなぜかその影響を一切受けなかった。その事実に気づいたレオニスは次第にカルマを手放さなくなっていく。
「俺に触れられるのは、お前だけだ」
呪いよりも重い執着と孤独から始まる、救済BL。
となります。
【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる
ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。
そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。
「一緒にコラボ配信、しない?」
顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。
これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。
※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。
推しの運命を変えるため、モブの俺は嫌われ役を演じた
月冬
BL
乙女ゲームの世界に転生した俺は、ただのモブキャラ。
推しキャラのレオンは、本来なら主人公と結ばれる攻略対象だった。
だから距離を置くつもりだったのに――
気づけば、孤独だった彼の隣にいた。
「モブは選ばれない」
そう思っていたのに、
なぜかシナリオがどんどん壊れていく。
これは、
推しの未来を知るモブが、運命を変えてしまう物語。
【完結】もしかして俺の人生って詰んでるかもしれない
バナナ男さん
BL
唯一の仇名が《根暗の根本君》である地味男である<根本 源(ねもと げん)>には、まるで王子様の様なキラキラ幼馴染<空野 翔(そらの かける)>がいる。
ある日、そんな幼馴染と仲良くなりたいカースト上位女子に呼び出され、金魚のフンと言われてしまい、改めて自分の立ち位置というモノを冷静に考えたが……あれ?なんか俺達っておかしくない??
イケメンヤンデレ男子✕地味な平凡男子のちょっとした日常の一コマ話です。
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL要素までとても遠いです。前半日常会多め。
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
春野くんち―僕の日常は、過保護な兄弟たちに囲まれている―
猫に恋するワサビ菜
BL
春野家の朝は、いつも賑やかで少しだけ過保護。
穏やかで包容力のある長男・千隼。
明るくチャラめだが独占欲を隠さない次男・蓮。
家事万能でツンデレ気味な三男・凪。
素直になれないクールな末っ子・琉生。
そして、四人の兄弟から猫のように可愛がられている四男の乃空。
自由奔放な乃空の振る舞いに、兄たちは呆れながらも、とろけるような笑顔で彼を甘やかす。