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10 意地悪なヤツは……
「な……な……ななななぁぁぁぁぁ────!!!!」
木が一本も無くなった丸裸の土地は、カラッ!と太陽の光を浴び、ジメジメしていた土はあっという間に乾いてしまう。
「あ……アレンだ……。」
「き、木が……。」
「そ、そんな……バカな……。」
まるで隕石でも落ちて来た様に禿げた森を見て、全員が呆然と立ち尽くしたが、アレンが無表情で「なに?」と口にすると、全員慌てて首を横に振り作業に戻っていった。
「お……俺の土地……。キノコが……。」
ブルブル震えて手からキノコがポトリと落ちると、アレンは俺の方へ視線を移し……。
────フッ。
鼻で笑ったのだ!!
い、嫌がらせだ……。
俺にキノコを作らせないつもりなんだ!
酷い嫌がらせにショックを受けたが、ここでアレンの思い通りにしてなるものかと、俺は枯れ木を必死に集めて日陰を作ってキノコを植えた。
しかし、キノコはシナっとしてしまい、明らかに元気がない。
「地面がカラカラだからな……。
────クソっ!これが俺の切り札的な貢物になる予定だったのに!」
最初から躓いて……いや、アレンに崖から突き落とされる様な事をされて、涙が出そうになるが、グッと堪える。
「とにかく次は飲水の確保をしなきゃ……!そうしないと、一日で死んじまう!」
俺は、直ぐに皆が向かう森の奥へ……はやはり行けないので、街の近くに生えている木を探し始めた。
「ここら辺に<貯水木>の群生地があるはず……。俺は奥地に行けないから、それがないとジ・エンドだ。頼むぞ~!」
<貯水木>
沢山の水を含んでいる木で、水が入った大きな実を実らせる
周囲を警戒しながら貯水木を探す事約1時間。
やっとお目当ての木を見つけ、パァ~!と目を輝かせた。
太くて立派な木の幹に、沢山の葉っぱが生えている樹幹部には、子犬ほどの大きさの硬くて白い木の実が沢山なっている。
「や、やったー!これで飲み水は何とかなりそうだぞ!よ、よ~し!」
俺はすぐにその木に登ろうとしたのだが、すぐにボテっ!と落下して登れない!
何度も何度も木登りに挑戦しては落下し、格好は早々にボロボロの泥団子みたいになってしまった。
「…………。」
木登りは無理だと判断し、そこら辺にある石を投げてはぶつけ、投げてはぶつけ、やっとこさ二つほどが取れた。
しかし、空を見ればもうオレンジ色になってて、随分時間が過ぎてしまった様だ。
「大変だ!ご飯を調達しないと!」
狩りが出来ない自分は、とにかく周りの奴らより百倍は動かないと、生活ができない。
ましてやキノコという主食を断たれた今、新たな主食を探さなければならなくなってしまった。
慌ててキョロキョロと周囲を見渡すと、運良く豆麦虫の巣を見つけることができ、ひょいひょい!と釣りの要領で食料をゲット!
腰に巻いた麻袋にそれを詰め込み、慌てて居住区予定の土地へ帰った。
するとそこには……。
「な、なんだこりゃ……?!」
呆然とそれを凝視していると、手からは貯水木の実がポトリと落ちる。
見上げる程の巨大な建築物。
そこにはまるで豪邸の様な一軒家がそびえ立っていて、その横にちょこんと俺が植えた萎びたキノコが生えている。
そして一軒家の周りには畑が広がり、俺のキノコの場所を包囲している様に出来上がっていた。
「えっ、えっ、えぇ~……。」
呆気に取られながら、一軒家の前を見ると、聖なる神皿の上には、霜降り状の巨大な肉塊が見上げる程積まれている。
す、凄い……。
最高級レベルの霜降り肉にゴクリっと喉を鳴らした。
腰にくくりつけた豆麦虫のコブが入った袋をギュッ!と握りしめ、情けないやら、悲しいやら……。
ごちゃごちゃの気持ちで立ち尽くしていると、アレンが家の中からガチャ!と扉を開けて出てくる。
そして俺の方へと近づいて来て、目の前に立つと────人を見下す様な目でボソッといった。
「貯水木の実に豆麦虫のコブ?
……ハァ。そんなモノを良いっていう女なんているわけないでしょ?
途中辞退して大人しく街で待ってなよ。終わったら終わったら呼んであげるから。……めんどくさい。」
心底忌々しそうに言うアレンに、言い返すこともできずに下を向く。
するとアレンはハァ……ともう一度ため息をついて、突っ立っている俺の二の腕を掴んで街へ追い返そうとしてくる。
そのため、俺はその場で踏ん張り拒否の姿勢をとった。
アレンから非常にダークなオーラが漂ったが、こちらも死活問題!
絶対に引くつもりはないので、二の腕を掴み手を叩き落とす……のは物理的に無理で、自分の手を痛めて断念したが、それでも必死に口で攻撃した。
「俺は絶対結婚したいんだぁぁぁぁぁ!!!
そして、意地悪なやつは大嫌いだ!よってアレンも大嫌いだ、ばーか!ばーか!!
ちょっと顔が良くてスタイルが良くて強いからって、性格が最悪だぞ、お前は!
そんな陰湿な嫌がらせばっかりしないで、ちゃんと実力でアピールしろよ!
じゃないと、誰も結婚なんてしてくれないからな!!」
「………………はっ……??」
ギャーギャー!!と力の限り罵ると、ちょっと怒りが頂点に達したのか、アレンはポカンっと口を開けて呆けてしまう。
その隙に俺は掴まれていた手を何とか外して距離を取ると、ベロベロバ~!と舌を出して、距離を取った。
とりあえず、アレンの陰湿な虐めにかまっている暇はない。
俺は直ぐに居住区を作ろうと、貯水の実と豆麦虫が入った袋を置くと、そのままダッシュで周りに生えている座布団の様な葉っぱ達を集め始めた。
そしてそれを荷物の所に置き、後は必死に穴を掘る!
夜は少々肌寒く、昼は暑いこの森での最適空間は地中。
それを知っている俺は、アレンのご立派な家の隣で、他の人たちが木を切り倒しこじんまりとした小屋を作っている間、とにかく土を掘る、掘る、掘る!
そしてやっと一人がすっぽり入り込める穴を掘ると、巨大な葉っぱで蓋をして、まだ突っ立っているアレンをその隙間から睨みつけた。
「ここは俺の家!もう寝るからな!おやすみ!!」
そしてそのまま葉っぱで完全に蓋をすると、そのまま真っ暗な穴の中で……ぐっすり眠ってしまった。
木が一本も無くなった丸裸の土地は、カラッ!と太陽の光を浴び、ジメジメしていた土はあっという間に乾いてしまう。
「あ……アレンだ……。」
「き、木が……。」
「そ、そんな……バカな……。」
まるで隕石でも落ちて来た様に禿げた森を見て、全員が呆然と立ち尽くしたが、アレンが無表情で「なに?」と口にすると、全員慌てて首を横に振り作業に戻っていった。
「お……俺の土地……。キノコが……。」
ブルブル震えて手からキノコがポトリと落ちると、アレンは俺の方へ視線を移し……。
────フッ。
鼻で笑ったのだ!!
い、嫌がらせだ……。
俺にキノコを作らせないつもりなんだ!
酷い嫌がらせにショックを受けたが、ここでアレンの思い通りにしてなるものかと、俺は枯れ木を必死に集めて日陰を作ってキノコを植えた。
しかし、キノコはシナっとしてしまい、明らかに元気がない。
「地面がカラカラだからな……。
────クソっ!これが俺の切り札的な貢物になる予定だったのに!」
最初から躓いて……いや、アレンに崖から突き落とされる様な事をされて、涙が出そうになるが、グッと堪える。
「とにかく次は飲水の確保をしなきゃ……!そうしないと、一日で死んじまう!」
俺は、直ぐに皆が向かう森の奥へ……はやはり行けないので、街の近くに生えている木を探し始めた。
「ここら辺に<貯水木>の群生地があるはず……。俺は奥地に行けないから、それがないとジ・エンドだ。頼むぞ~!」
<貯水木>
沢山の水を含んでいる木で、水が入った大きな実を実らせる
周囲を警戒しながら貯水木を探す事約1時間。
やっとお目当ての木を見つけ、パァ~!と目を輝かせた。
太くて立派な木の幹に、沢山の葉っぱが生えている樹幹部には、子犬ほどの大きさの硬くて白い木の実が沢山なっている。
「や、やったー!これで飲み水は何とかなりそうだぞ!よ、よ~し!」
俺はすぐにその木に登ろうとしたのだが、すぐにボテっ!と落下して登れない!
何度も何度も木登りに挑戦しては落下し、格好は早々にボロボロの泥団子みたいになってしまった。
「…………。」
木登りは無理だと判断し、そこら辺にある石を投げてはぶつけ、投げてはぶつけ、やっとこさ二つほどが取れた。
しかし、空を見ればもうオレンジ色になってて、随分時間が過ぎてしまった様だ。
「大変だ!ご飯を調達しないと!」
狩りが出来ない自分は、とにかく周りの奴らより百倍は動かないと、生活ができない。
ましてやキノコという主食を断たれた今、新たな主食を探さなければならなくなってしまった。
慌ててキョロキョロと周囲を見渡すと、運良く豆麦虫の巣を見つけることができ、ひょいひょい!と釣りの要領で食料をゲット!
腰に巻いた麻袋にそれを詰め込み、慌てて居住区予定の土地へ帰った。
するとそこには……。
「な、なんだこりゃ……?!」
呆然とそれを凝視していると、手からは貯水木の実がポトリと落ちる。
見上げる程の巨大な建築物。
そこにはまるで豪邸の様な一軒家がそびえ立っていて、その横にちょこんと俺が植えた萎びたキノコが生えている。
そして一軒家の周りには畑が広がり、俺のキノコの場所を包囲している様に出来上がっていた。
「えっ、えっ、えぇ~……。」
呆気に取られながら、一軒家の前を見ると、聖なる神皿の上には、霜降り状の巨大な肉塊が見上げる程積まれている。
す、凄い……。
最高級レベルの霜降り肉にゴクリっと喉を鳴らした。
腰にくくりつけた豆麦虫のコブが入った袋をギュッ!と握りしめ、情けないやら、悲しいやら……。
ごちゃごちゃの気持ちで立ち尽くしていると、アレンが家の中からガチャ!と扉を開けて出てくる。
そして俺の方へと近づいて来て、目の前に立つと────人を見下す様な目でボソッといった。
「貯水木の実に豆麦虫のコブ?
……ハァ。そんなモノを良いっていう女なんているわけないでしょ?
途中辞退して大人しく街で待ってなよ。終わったら終わったら呼んであげるから。……めんどくさい。」
心底忌々しそうに言うアレンに、言い返すこともできずに下を向く。
するとアレンはハァ……ともう一度ため息をついて、突っ立っている俺の二の腕を掴んで街へ追い返そうとしてくる。
そのため、俺はその場で踏ん張り拒否の姿勢をとった。
アレンから非常にダークなオーラが漂ったが、こちらも死活問題!
絶対に引くつもりはないので、二の腕を掴み手を叩き落とす……のは物理的に無理で、自分の手を痛めて断念したが、それでも必死に口で攻撃した。
「俺は絶対結婚したいんだぁぁぁぁぁ!!!
そして、意地悪なやつは大嫌いだ!よってアレンも大嫌いだ、ばーか!ばーか!!
ちょっと顔が良くてスタイルが良くて強いからって、性格が最悪だぞ、お前は!
そんな陰湿な嫌がらせばっかりしないで、ちゃんと実力でアピールしろよ!
じゃないと、誰も結婚なんてしてくれないからな!!」
「………………はっ……??」
ギャーギャー!!と力の限り罵ると、ちょっと怒りが頂点に達したのか、アレンはポカンっと口を開けて呆けてしまう。
その隙に俺は掴まれていた手を何とか外して距離を取ると、ベロベロバ~!と舌を出して、距離を取った。
とりあえず、アレンの陰湿な虐めにかまっている暇はない。
俺は直ぐに居住区を作ろうと、貯水の実と豆麦虫が入った袋を置くと、そのままダッシュで周りに生えている座布団の様な葉っぱ達を集め始めた。
そしてそれを荷物の所に置き、後は必死に穴を掘る!
夜は少々肌寒く、昼は暑いこの森での最適空間は地中。
それを知っている俺は、アレンのご立派な家の隣で、他の人たちが木を切り倒しこじんまりとした小屋を作っている間、とにかく土を掘る、掘る、掘る!
そしてやっと一人がすっぽり入り込める穴を掘ると、巨大な葉っぱで蓋をして、まだ突っ立っているアレンをその隙間から睨みつけた。
「ここは俺の家!もう寝るからな!おやすみ!!」
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