(完結)伯爵令嬢に婚約破棄した男性は、お目当ての彼女が着ている服の価値も分からないようです

泉花ゆき

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妹のオーロラにそう促されて、マリアンヌも頷きます。
カップを持ち上げて、静かに紅茶を飲みました。

「……そうね。ビート様から伝えられたことも……
といっても、婚約破棄を望まれたこと、別の女性との結婚を示唆されたこと、ですけれど。
これらを合わせて、お父様が侯爵家の方に報告とお話をさせて頂いたみたい」

「あちらでは、何と?」

マリアンヌは少し苦笑しました。
このお話をされた時の父親が、疲れていたようにみえたからです。

「多少抵抗はされたみたいでしたけれど……
もともとは向こう……ビート様が婚約を続けていくのが難しいと、そう申し出をされたことですから。
それに、家格があるとはいえ、この婚約のお話はあちらからの願いだったでしょう」

マリアンヌは、貴族らしくやや迂遠に話をします。
あちらからの申し出というか、ビートが伝えたことは「ビートからの婚約破棄」という形でしたが。
実際は、伯爵家からの破棄……ということになっても、おかしくないためでしょう。

請われているのはこちらの、伯爵家の方ですから。
重ねて、独断で継続の解消を働かれているということも踏まえれば……
多少ゴネられたとしても、話の決定権を持っているのはこちら、という形になるようでした。

マリアンヌとオーロラの父親が少しばかりの疲労を覚えていたのも、侯爵家から食い下がられた……と考えてみれば、そう不自然なことではありません。

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