(完結)伯爵令嬢に婚約破棄した男性は、お目当ての彼女が着ている服の価値も分からないようです

泉花ゆき

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オーロラの言う言葉は確かに正論を含んでいましたが。
先ほど家族や姉のことを悪く言われてしまったがため、いつもだったら出来ていたソフトな言い換えも難しくなってきてしまっています。

ストレートに非難するばかりの言葉を浴びて、ビートは返す言葉を探しながら、口をぱくぱくとさせました。
怒りに震えていることと、それから……
オーロラの言っていることは事実であるため、返す言葉が見つからないためです。

その様子を見て、オーロラは、ふう、とため息をつきます。
抱えた花束の束ねた部分を、思わず握りこんでしまっていたことに気付きました。

ビートに至っては、早くこの場を立ち去ってしまいたいと言うのに。
プライドが邪魔をして、どうにか。
どうにかこの生意気な小娘を言い負かしてやらないと気が済みません。

傷つけて、格下だと認めさせて、謝らせて。
そして、援助を向こうから頼み込むぐらいの、魔法の言葉を探さなければならないのです。

しかし、怒りに任せた思考はろくに回らず。
そもそも、魔法の言葉など存在しないと……ビートは、気付けないでいるのでした。

そんな彼が頼ったのは……やはり、貴族としての格でした。
最後の砦、と言っていいものだったのでしょう。

「僕が……
侯爵家の令息たる僕が、一声言えば……伯爵家なんて……」

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