(完結)何か勘違いをしてる婚約者の幼馴染から、婚約解消を言い渡されました

泉花ゆき

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私は、持っていたペンを一度置きました。
話を聞いてやろう、という姿勢です。

「……どういう事ですか?リュート様からは何も聞いておりませんが」

「彼は、優しいからずっとリオンさんに言えなかったのよ、でも……こんな事、もう見過ごせないわ」

……どういう意味だろ。

優しいから?
優しいのは、婚約者から拝み倒されて、幼馴染のあなたをこの屋敷に住まわせてあげてる私の方だと思うのだけど……

見過ごせない?
私はこれまで、あなた達が使用人の目もはばからずいちゃいちゃと遊んでるのを、ずっと見過ごしてあげてきましたよ。

一つ一つに頭の中でツッコミを入れながら、じーっとドルシーさんを見てみます。

華奢な体、可憐な顔立ち。
守ってあげたくなるような女の子、とはこういう事をいうのでしょうね。
私と言えば、顔立ちそのものは整っていますが……目つきが冷たいとか、きついとか、すぐに言われてしまう顔。

……そんなことはいいんです。
とにかく、ドルシーさんの話を聞いてみなくては。
これは、私の一存で決める事でもないですし。

「それは……リュート様がそう言ったのですか?私と、婚約を解消したい、と」

リオンさんに言えなかった……ドルシーさんの、その言葉。
それは、言い換えてみれば、ドルシーさんにはずっとそうやって愚痴っていた……という風にも聞こえます。


「彼は、はっきりとは言わないわ……でも私には分かるの!だってずっと一緒に育ってきたんだから……彼の事は私が一番よく分かってるわ」

つまり、話し合いもせずに独断でここまで来てしまったと?
ふむ……
これは、どうしてあげましょうね。

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