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極小世界へようこそ
micro002 気がついたらミジンコでした
しおりを挟む……あー、良く寝た。
なんだっけ。何すごい夢を見ていたような。
まあいっか。忘れてるって事はたいした事じゃないってことだな。
あれ? 忘れているって言うか、忘れすぎじゃないか。なんか色々と忘れすぎている。
……俺の名前ってなんだっけ? 自分の名前もそうだが……ここはどこだ? うっすら明るいけど、曇りガラスみたいにぼんやりしている風景だな。
ん? なんだこれ身動きが取れない。まさか、拘束されてる?
俺は今半透明の何かに動きを阻まれていた。身をよじるとその何かがぷよんぷよんと揺れる。
くそ、出せ! ここから出せ――あ、出れた。
少し暴れただけで、俺は半透明の何かから出ることが出来た。恥ずかしっ。あせって損したぜ。
なんだこれ、体が浮いてる。これは水の中なのか? でも何で息が出来てるんだろう。
ん? なんだこの手についてる棘みたいなの?
わさわさ
う、動く……ってことはこれ俺の手? どどどど、どゆこと?
うわ、よく見たら足が無いじゃん! なんなんだ? いったい俺の体どうなってるんだ?
《ステータスウィンドウをオープンしますか?》
どわ!? あ、ステータスウィンドウか。
記憶は無いが、なんとなく使い方は分かるぞ。
きっと記憶を失う前の俺も良く知っている機能なんだろう。
よし、ステータスオープン!
『種族:ミジンコ(幼体) LV1/10(記憶障害(大))
名前:クラウス・ウェルズリー
HP:0.01/0.10
MP:0/0
・攻撃:0.05
・守備:0.01
・速度:0.05
・スキル:「とがるLv 1」「経験値取得量アップ(大)」
・称号:復讐者』
ほうほう、俺の名前はクラウスか。男の名前みたいで安心した。
なんだか分からないが、俺は男のような気がしてたからな。
1人称『俺』だし。
で――だ。問題はそこじゃない。
種族名『ミジンコ』
ミ ジ ン コ て! ちょっとまって、俺なんとなく『人間』だったイメージがあるんだけど!
なんで極小生物にクラスチェンジしてるのよ!
そして『HP:0.01』て!
HP息してないよ! ってか1以下のHPってあんの!?
……ふう。落ち着け俺。まだだ。まだあわてる時間じゃない。
俺にはすばらしい強スキルがあるじゃないか。
スキル『とがる』
…とがる。とがるねえ。よし、いっちょつかってみるか。おりゃ! お、なんか口ばし? みたいなのが少し伸びたよ。ははは。ゆかいだねえこれは。
……はい詰んだ! 俺のミジンコ人生(?)今詰んだよ!!
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