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第6章 呉との闘い
94 新たな仲間
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俺と鈴音は家のリビングにある机に座り、父さんと向かい合った。千春さんは一旦家に帰るため、俺たちと別れて坂を下って行った。
「それで、今はどんな状況なんです?」
「ひと言で言えば、良くない。村の中はもちろんだが、東も森や豚狩平原もくまなく探した。だが、何一つ見つからない。今唯一ある手がかりは、乙葉の両親の証言だ。乙葉は魔力が暴発した後、一日中目を覚まさなかった。そして次の日だ。目を覚ましたかと思うと、すぐに家のドアを開け――北の方角へ飛んでいったそうだ」
「……飛んでいった? それはどういう意味です?」
「文字通りの意味だ。信じがたいことにな。 大きな爆発を起こして飛んでいったそうだ。乙葉ちゃんの家の前には、今もその時に出来たクレーターが残ってるよ」
空を飛ぶことが可能なのか? サポートゴーレムで飛び上がったことはあるが、あれは凄く高くジャンプしただけだ。
(コン先生、そんなことありえますか?)
《解。彼女の魔法量であれば可能です》
(乙葉ちゃんの魔法量であればって……そんなに凄いの乙葉ちゃん?)
《過去の蒼の魔導師と比べても希に見る多さでしょう》
(へえ、歴代最強? もしかして僕より凄いのかな)
《マスターと比較すると23%の魔力量を保持しています》
(え。それしか無いの?)
《十二分に驚異的かと》
そうなんだ。……俺の魔力量っていまどうなってるんだろう。
「どうした巧魔? ぼーっとして」
「ああすみません、ちょっとコン先生に確認を」
「ああ、巧魔の頭の中に住んでる先生ってやつか」
「……そういえばあるじ、そのコンというやつは男か? 女か?」
「コン先生に性別なんてないから……ってか気になるのかそれ」
《……》
「そういうわけで巧魔、今は完全に手詰まりの状態だ。乙葉ちゃんが森谷村の近くに居るとも限らない。……お前の手を借りたい。お願い出来ないか?」
「お願いされるまでもありませんよ父さん。そのために今こうしてお話を伺ったんですから」
「すまない。それで、なにか手はあるか?」
打つ手か。正直厳しい。俺のゴーレムを魔力ありったけつぎ込んで大量生成し捜索隊を組むことは出来る。……だが、捜査範囲が絞れないとなるとそれでは焼け石に水だ。なにか……特別なゴーレムが必要だ。範囲を絞って乙葉ちゃんを見つけられる何か――
その時、不思議な力がわき出るのを感じた。これは一度経験がある。赤武者と蒼武者に人工知能を組み込もうとしたときだ。あの時もゴーレムで人工知能を再現するのに限界を感じていた時、同じ力を感じた。
《マスター、特魔『レプリカント・ボックス』の発動を検知しました。実行しますか?》
英霊の箱は、ある意味賭けだ。
赤武者も蒼武者も、俺の意図とは全く関係の無い進化を遂げた。俺がプログラミングしたのでは無い。彼女らには、明確な意思が存在している。
もし、悪意のある意思が発生したら? さらなる犠牲が発生しかねない。
「あるじ、乙葉を救う方法を思いついたんじゃな?」
「一応な。だけど、ちょっと危険かもしれない」
「危険? あるじらしくも無い。乙葉を救えるんじゃろう? なら何も悩む必要はあるまい」
そうだな。俺は何を悩んでいるんだ。乙葉を救うことが最優先じゃ無いか。失敗した時はその時だ。乙葉を救った後にいくらでも後悔してやればいい。
「失敗したら手伝ってくれよ」
「心配無用じゃ。あるじのケツはワシがいくらでも拭いてやる。まだまだオシメが取れんようじゃからな」
「取れてるっつうの!ったく」
「……決心できたようじゃな」
「ふん、おかげさまでな」
大き過ぎる力にはリスクが伴う。とてつもない後悔をしてしまかもしれない。 だが、乙葉を救う望みが少しでもあるなら、この力にかける。
「……一応礼を言っとく」
「ほう、珍しい。今日は雨でも降るかの」
「うるせえ! 危ないから離れてろ。何が起こるか分からないからな」
俺は皆を下がらせると、全身に魔力を滾らせる。いつもとは違う、とてつもなく大きく、不安定な力が満ちていくのを感じた。
(――いくぜコン先生。英霊の箱!)
「それで、今はどんな状況なんです?」
「ひと言で言えば、良くない。村の中はもちろんだが、東も森や豚狩平原もくまなく探した。だが、何一つ見つからない。今唯一ある手がかりは、乙葉の両親の証言だ。乙葉は魔力が暴発した後、一日中目を覚まさなかった。そして次の日だ。目を覚ましたかと思うと、すぐに家のドアを開け――北の方角へ飛んでいったそうだ」
「……飛んでいった? それはどういう意味です?」
「文字通りの意味だ。信じがたいことにな。 大きな爆発を起こして飛んでいったそうだ。乙葉ちゃんの家の前には、今もその時に出来たクレーターが残ってるよ」
空を飛ぶことが可能なのか? サポートゴーレムで飛び上がったことはあるが、あれは凄く高くジャンプしただけだ。
(コン先生、そんなことありえますか?)
《解。彼女の魔法量であれば可能です》
(乙葉ちゃんの魔法量であればって……そんなに凄いの乙葉ちゃん?)
《過去の蒼の魔導師と比べても希に見る多さでしょう》
(へえ、歴代最強? もしかして僕より凄いのかな)
《マスターと比較すると23%の魔力量を保持しています》
(え。それしか無いの?)
《十二分に驚異的かと》
そうなんだ。……俺の魔力量っていまどうなってるんだろう。
「どうした巧魔? ぼーっとして」
「ああすみません、ちょっとコン先生に確認を」
「ああ、巧魔の頭の中に住んでる先生ってやつか」
「……そういえばあるじ、そのコンというやつは男か? 女か?」
「コン先生に性別なんてないから……ってか気になるのかそれ」
《……》
「そういうわけで巧魔、今は完全に手詰まりの状態だ。乙葉ちゃんが森谷村の近くに居るとも限らない。……お前の手を借りたい。お願い出来ないか?」
「お願いされるまでもありませんよ父さん。そのために今こうしてお話を伺ったんですから」
「すまない。それで、なにか手はあるか?」
打つ手か。正直厳しい。俺のゴーレムを魔力ありったけつぎ込んで大量生成し捜索隊を組むことは出来る。……だが、捜査範囲が絞れないとなるとそれでは焼け石に水だ。なにか……特別なゴーレムが必要だ。範囲を絞って乙葉ちゃんを見つけられる何か――
その時、不思議な力がわき出るのを感じた。これは一度経験がある。赤武者と蒼武者に人工知能を組み込もうとしたときだ。あの時もゴーレムで人工知能を再現するのに限界を感じていた時、同じ力を感じた。
《マスター、特魔『レプリカント・ボックス』の発動を検知しました。実行しますか?》
英霊の箱は、ある意味賭けだ。
赤武者も蒼武者も、俺の意図とは全く関係の無い進化を遂げた。俺がプログラミングしたのでは無い。彼女らには、明確な意思が存在している。
もし、悪意のある意思が発生したら? さらなる犠牲が発生しかねない。
「あるじ、乙葉を救う方法を思いついたんじゃな?」
「一応な。だけど、ちょっと危険かもしれない」
「危険? あるじらしくも無い。乙葉を救えるんじゃろう? なら何も悩む必要はあるまい」
そうだな。俺は何を悩んでいるんだ。乙葉を救うことが最優先じゃ無いか。失敗した時はその時だ。乙葉を救った後にいくらでも後悔してやればいい。
「失敗したら手伝ってくれよ」
「心配無用じゃ。あるじのケツはワシがいくらでも拭いてやる。まだまだオシメが取れんようじゃからな」
「取れてるっつうの!ったく」
「……決心できたようじゃな」
「ふん、おかげさまでな」
大き過ぎる力にはリスクが伴う。とてつもない後悔をしてしまかもしれない。 だが、乙葉を救う望みが少しでもあるなら、この力にかける。
「……一応礼を言っとく」
「ほう、珍しい。今日は雨でも降るかの」
「うるせえ! 危ないから離れてろ。何が起こるか分からないからな」
俺は皆を下がらせると、全身に魔力を滾らせる。いつもとは違う、とてつもなく大きく、不安定な力が満ちていくのを感じた。
(――いくぜコン先生。英霊の箱!)
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