転生プログラマのゴーレム王朝建国日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~

堀籠 遼ノ助

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第3章 幼少期(修行時代)

43 主の幼馴染(鈴音視点)

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「あるじー、何時まで寝てるんじゃー」
 主の寝室に入って声をかけるが、全く起きる気配が無い。
 ベットを覗き込むと、口をぽっかりと開けて熟睡していた。

 主は朝の仕入れ作業が終わると、そのままベットに直行、二度寝を開始してしまった。

 (昨日は逢魔時じゃったからな。魔力も相当消費したようじゃし、疲れたのかもしれん)

 逢魔の剣は、錬成の覇者……大和やまとの奴が国の犯罪者への罰として実験的に作り出した7色剣の内の1本だ。

 逢魔の剣は捕まった盗賊への罰として開発されたが、逢魔の剣の効果を受けた盗賊が皆、陰にやられて死んでしまい、これでは死刑と変わらん、ということでお蔵入りになった経緯がある。

(城の倉庫にしまっておいたはずなんじゃがな。一体どこから流出したんだか。龍都に行く機会があったら、正義せいぎの奴にひとこと文句を言ってやろう)

 ワシが主の顔を眺めながら考え事をしていると、階段をドタバタと登ってくる音が聞こえてきた。

 この品の無い足音はまさか……

「たーくーまーくーん! #乙葉__おとは___#ちゃんが来たよ! あーそーぼ!」

 ……やはり乙葉か。

「あれ? 鈴音ちゃんだ。今日、猫ちゃんちがうね」
「声がデカいわ馬鹿もの。もっと静かに出来んのかお前は」

 東 #__乙葉__おとは#。主と同じ年にここ森谷村に生まれた、言わば主の幼馴染だ。
 くりくりとした目と、二つに縛った髪は、どちらも珍しい青色をしている。

 普通、生まれてきた時の魔力量は皆差異が無く、魔導士を志す者は血の滲むような研鑽けんさんを重ねていく事によってその魔力量を増やしていく。
 だが、数十年に一度、桁違いの魔力量を持って生まれてくる者が現れる事がある。そのような者は生まれつき髪や目が青い為、通称『青の魔導士』と呼ばれ、将来国の筆頭魔道師になることを約束されている。

 乙葉も将来の筆頭魔導士を約束された者の内の一人だ。

「主は今日は遊べん」 
「なんで? たくまくんは乙葉とごーれむで遊ぶんだよ」

 主は乙葉との人形遊びの為にちんまいゴーレムを作ってやっていた。
 異能の無駄使いだと諫めたが、主は『いいテストになってるから無駄じゃないよ』と言って聞かなかった。

「今日主はワシと村に設置してある灯台ゴーレムの見回りをする約束なんじゃ。だから今日は遊べん」
「えー? なんでー?」
「だから、『お仕事』じゃ、『お仕事』! だから今日は遊べないんじゃ」
「なんでー?」
「むーー! 何で分からんのじゃ!」

「おいおい、鈴音。子供相手にムキになるなよ……」

 主が眠い目を擦りながらベットから起き上がっていた。

「おお、起きたか主! 主からも言ってくれ、今日は主はワシとの約束があると言うのに、乙葉が遊ぶと言って聞かんのじゃ」

「たくまくん!」

 乙葉は巧魔に抱き着く。……子供は無邪気に抱き着けて良いのう。まあ、決して羨ましいとかそういう事では断じてないが。

「……ほれ、いつまで抱き着いてるんじゃ。それはワシの主じゃぞ」
「どうした、乙葉ちゃん? 一緒に遊ぶの?」
「うん! 今日はたくまくんのゴーレムとぬいぐるみで遊ぶの!」
「しょうがないなあ。じゃあお昼までだよ」
「な?! 主、それでは約束が……」
「まあ、しょうがないだろ。それに『マイクロ・ゴーレム」シリーズで試したい命令コードがあったから、ちょうどいい機会だ。あ、見回りは午後から頼むよ。かってにどっか行くなよ。――じゃあ、乙葉ちゃん行こうねー」
「うん! 乙葉ちゃん、たくまくん大好き!」

「あ、主……」
 主と乙葉は楽しそうに階段を下りていってしまった。

 決して羨ましいとかそういう事では……あまり無い。



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