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サイドストーリー
第三の男1
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どうも。マルク・ドルモワです。あ、誰?って思いました? 一応この国の伯爵家の次男です。伯爵家って言ってもうちは宮中伯で、領地は持たない、上位貴族の中でも末端な家なんですけどね。そこの次男なんで跡取りでもありません。そのうち伯爵家の次男坊から伯爵家の弟にマイナージョブチェンジする予定の、つまりはただの平民です。貴族の世界ってね、世襲の長男だけがある意味本当の貴族なんですよ。世知辛いですが仕方ないです。歳は19歳。1年程前に王立学院を卒業して、文官になりました。うちは父も兄も文官です。領地を持たない宮中伯は皆こんなもんです。とはいえ一応跡取り息子の兄は、伯爵位がついてくるのでそこそこ華やかです。僕と比べたら多少はイケてる人生です。それに比べて僕ときたら、ただの平民予定の平凡な男ですから、まぁ地味な人生ですよ。
そんな平凡な僕ですが、今、幸せの絶好調です。なんでか聞きたいですか? え、興味ない? そんなこと言わずに聞いてくださいよ。実は僕、来月結婚するんです! お相手は婚約者のリリアナ、子爵家の三女です。彼女と僕、幼馴染で、物心ついたときからずっと一緒です。しかも2つ年上の姉さん女房。彼女も王立学院出身なんですけどね、入学する直前に僕から拝み倒して婚約者になってもらいました。だってあんなに綺麗で優秀な女の子、学院に入ったらたちまちどこの馬の骨ともわからんふざけた貴族に目をつけられてしまいますよ。彼女からしたらかわいい弟分でしかなかったであろう僕を、よくぞ相手に選んでくれたなと、今でも平凡な僕が起こした一番の奇跡だと思っています。あ、ちなみにリリアナは今王宮の女官です。女官って、文官の女性版ですね。しかも試験に合格した女性のうち、特に優秀な人間がピックアップされて、主に王族女性の政治的な面のサポートをする役割もあるんですよ。ほら、うちの国って王妃様も王太子妃様も政治には関わるので、もちろん事務官の男性もつきますけど、女性がサポートしなきゃならない場面もたくさんでてきますからね。つまりは彼女、めちゃ仕事ができるキャリアウーマンなんです。たぶん僕より出世すると思います。結婚しても仕事を続けたいって言っていまして、僕は今から家事育児分担する気満々です。なんなら8割くらい僕が受け持ったっていいくらい。
そんなわけで平凡ながらも幸せの絶頂に僕はいます。平凡でもいい。平凡万歳。そもそも文官って派手である必要ないですよね。あ、でも、リリアナが僕より出世したとしても僕は全然僻んだりしないどころか全力で応援しますけど、彼女にすべてを負わせるのは本意ではないので、一文官として恥ずかしくない程度には頑張ろうと思っていました。だから仕事だって範囲指定で全力投球。範囲指定っていうのはまぁ、リリアナといちゃいちゃする時間はしっかり確保したいからで……、まぁもちろんやるときはやりますよ。だからこそ文官の入職の試験だって頑張りました。その結果、一応トップ当選しました。いや、当選って違うな。一位で試験をパスしたんです。これには僕も驚きました。何せ人生で一位をとったのはこれが初めて。ん? 学院に在籍していたときの成績はどうだったのかって?
……嫌なとこ突いてきますね。まぁいいですよ、お話しても。ちなみに僕の時代は運が悪かったんです。何せ同級生にカーティス殿下がいらしたので。しかもあの方、王族に数世代にひとり現れるという絶大な魔力を持ったスーパー人間です。生まれながらにして魔力の値が振り切れているんです。だからそっち方面の才能は我々凡人とは桁違い。おまけにスーパーな王族は頭もスーパーに生まれつくものらしくて、学科と実技を合わせた成績は在学中ずっとトップでした。うん、あれは勝てない。そもそも同じ土俵で闘う相手ではありません。
なのでどんなに頑張っても一位にはなれない運命。さすれば次席を狙いたいところですが、またしても運が悪い僕。次席はずっとカーティス殿下の側付きのカイエン・バルト様でした。なんでも王妃様の懐刀であるバルト伯爵が見込んでわざわざ養子に迎えた方だそうですよ。海千山千の伯爵が目をつける人物です。ひよっこ平凡地味な僕が勝てるはずないですよね。はい、次席も無理。
というわけで、僕の総合成績の定位置は3番目。たまに5、6番くらいに陥落することがあったのは魔法がそこまで得意じゃなかったせいです。魔法の実技の力だけのゴリ押しで上位に食い込んでくる奴らがいるんですよ。そいつら軒並み魔道士部に入局しましたけどね。あ、魔道士は適正があるので、文官とは別ルートの試験になります。
それならせめて論文で最優秀でも取れないかなとか思いたいところですけど、残念ながらその手の才能もありませんでした。あれって研究職向けなんですよ。僕、どちらかというと事務職派なんで。
でもいいんです。最終的な卒業時の成績はなんとか3番をキープできましたし。上2人は規格外ですからね、平凡な人間部門では僕が1位ってことです。リリアナも褒めてくれました。ちなみに彼女の卒業成績も3番だったんですって! 僕たちやっぱり気が合います。
というわけで、そんな最愛のリリアナと来月結婚式をあげる僕の幸せリポートをお届けしました!それじゃ!
……え? おまえのつまらん話を聞きたいんじゃないって? なかなか手厳しいですね。でも僕、来月の結婚式の準備で忙しいんですよ。最高に綺麗なリリアナの隣に並び立つために、僕自身もそこそこ見れる状態に仕上げないといけないですし。招待客の最終リストの確認とかですね、いろいろいろいろ……待って、怒らないで! わかった、わかりましたから! きちんとお話しますって!
だけどみなさんもお気づきでしょう? 僕、ペーパーテストの出来はそこそこいいけど家柄も立場も生活レベルもなんなら顔もごく普通の男ですよ。学校の成績だって3番ですしね。次席くらいまでだったら自慢できるけど3番ってパッとしないし。あ、言っててちょっと悲しくなってきたな……。
でもそれでいいと思っていたんです。派手な人生も派手な出世もいらない。僕はただお仕事に邁進して、リリアナと将来生まれてくるであろう子どもたちとささやかな幸せを噛み締める家庭を作れたらそれでいいって、そっちの方面ではやる気満々でした。満々だったのに。
「マルク・ドルモワ。君の配属先はカーティス王太子殿下付きの事務官職となった。君が学院でも優秀な成績を修め、かつ在学中に殿下と未来の妃殿下とも昵懇にしていた経歴を評価しての異例の抜擢だ。誠心誠意、カーティス殿下にお仕えするように」
文官登用され3ヶ月の研修を終えた僕に下されたのは、あまりに非平凡な辞令でしたーー。
==============
暗い話が続いたので、ちょっとでも笑える話をと思い、差し込みです。第三者から見たカーティスとユーファミアの姿をお楽しみください。
ふざけた文章ですが、マルクは転生者や転移者という設定ではありません。ただのそういう書き方(作風)だと思ってください。
そんな平凡な僕ですが、今、幸せの絶好調です。なんでか聞きたいですか? え、興味ない? そんなこと言わずに聞いてくださいよ。実は僕、来月結婚するんです! お相手は婚約者のリリアナ、子爵家の三女です。彼女と僕、幼馴染で、物心ついたときからずっと一緒です。しかも2つ年上の姉さん女房。彼女も王立学院出身なんですけどね、入学する直前に僕から拝み倒して婚約者になってもらいました。だってあんなに綺麗で優秀な女の子、学院に入ったらたちまちどこの馬の骨ともわからんふざけた貴族に目をつけられてしまいますよ。彼女からしたらかわいい弟分でしかなかったであろう僕を、よくぞ相手に選んでくれたなと、今でも平凡な僕が起こした一番の奇跡だと思っています。あ、ちなみにリリアナは今王宮の女官です。女官って、文官の女性版ですね。しかも試験に合格した女性のうち、特に優秀な人間がピックアップされて、主に王族女性の政治的な面のサポートをする役割もあるんですよ。ほら、うちの国って王妃様も王太子妃様も政治には関わるので、もちろん事務官の男性もつきますけど、女性がサポートしなきゃならない場面もたくさんでてきますからね。つまりは彼女、めちゃ仕事ができるキャリアウーマンなんです。たぶん僕より出世すると思います。結婚しても仕事を続けたいって言っていまして、僕は今から家事育児分担する気満々です。なんなら8割くらい僕が受け持ったっていいくらい。
そんなわけで平凡ながらも幸せの絶頂に僕はいます。平凡でもいい。平凡万歳。そもそも文官って派手である必要ないですよね。あ、でも、リリアナが僕より出世したとしても僕は全然僻んだりしないどころか全力で応援しますけど、彼女にすべてを負わせるのは本意ではないので、一文官として恥ずかしくない程度には頑張ろうと思っていました。だから仕事だって範囲指定で全力投球。範囲指定っていうのはまぁ、リリアナといちゃいちゃする時間はしっかり確保したいからで……、まぁもちろんやるときはやりますよ。だからこそ文官の入職の試験だって頑張りました。その結果、一応トップ当選しました。いや、当選って違うな。一位で試験をパスしたんです。これには僕も驚きました。何せ人生で一位をとったのはこれが初めて。ん? 学院に在籍していたときの成績はどうだったのかって?
……嫌なとこ突いてきますね。まぁいいですよ、お話しても。ちなみに僕の時代は運が悪かったんです。何せ同級生にカーティス殿下がいらしたので。しかもあの方、王族に数世代にひとり現れるという絶大な魔力を持ったスーパー人間です。生まれながらにして魔力の値が振り切れているんです。だからそっち方面の才能は我々凡人とは桁違い。おまけにスーパーな王族は頭もスーパーに生まれつくものらしくて、学科と実技を合わせた成績は在学中ずっとトップでした。うん、あれは勝てない。そもそも同じ土俵で闘う相手ではありません。
なのでどんなに頑張っても一位にはなれない運命。さすれば次席を狙いたいところですが、またしても運が悪い僕。次席はずっとカーティス殿下の側付きのカイエン・バルト様でした。なんでも王妃様の懐刀であるバルト伯爵が見込んでわざわざ養子に迎えた方だそうですよ。海千山千の伯爵が目をつける人物です。ひよっこ平凡地味な僕が勝てるはずないですよね。はい、次席も無理。
というわけで、僕の総合成績の定位置は3番目。たまに5、6番くらいに陥落することがあったのは魔法がそこまで得意じゃなかったせいです。魔法の実技の力だけのゴリ押しで上位に食い込んでくる奴らがいるんですよ。そいつら軒並み魔道士部に入局しましたけどね。あ、魔道士は適正があるので、文官とは別ルートの試験になります。
それならせめて論文で最優秀でも取れないかなとか思いたいところですけど、残念ながらその手の才能もありませんでした。あれって研究職向けなんですよ。僕、どちらかというと事務職派なんで。
でもいいんです。最終的な卒業時の成績はなんとか3番をキープできましたし。上2人は規格外ですからね、平凡な人間部門では僕が1位ってことです。リリアナも褒めてくれました。ちなみに彼女の卒業成績も3番だったんですって! 僕たちやっぱり気が合います。
というわけで、そんな最愛のリリアナと来月結婚式をあげる僕の幸せリポートをお届けしました!それじゃ!
……え? おまえのつまらん話を聞きたいんじゃないって? なかなか手厳しいですね。でも僕、来月の結婚式の準備で忙しいんですよ。最高に綺麗なリリアナの隣に並び立つために、僕自身もそこそこ見れる状態に仕上げないといけないですし。招待客の最終リストの確認とかですね、いろいろいろいろ……待って、怒らないで! わかった、わかりましたから! きちんとお話しますって!
だけどみなさんもお気づきでしょう? 僕、ペーパーテストの出来はそこそこいいけど家柄も立場も生活レベルもなんなら顔もごく普通の男ですよ。学校の成績だって3番ですしね。次席くらいまでだったら自慢できるけど3番ってパッとしないし。あ、言っててちょっと悲しくなってきたな……。
でもそれでいいと思っていたんです。派手な人生も派手な出世もいらない。僕はただお仕事に邁進して、リリアナと将来生まれてくるであろう子どもたちとささやかな幸せを噛み締める家庭を作れたらそれでいいって、そっちの方面ではやる気満々でした。満々だったのに。
「マルク・ドルモワ。君の配属先はカーティス王太子殿下付きの事務官職となった。君が学院でも優秀な成績を修め、かつ在学中に殿下と未来の妃殿下とも昵懇にしていた経歴を評価しての異例の抜擢だ。誠心誠意、カーティス殿下にお仕えするように」
文官登用され3ヶ月の研修を終えた僕に下されたのは、あまりに非平凡な辞令でしたーー。
==============
暗い話が続いたので、ちょっとでも笑える話をと思い、差し込みです。第三者から見たカーティスとユーファミアの姿をお楽しみください。
ふざけた文章ですが、マルクは転生者や転移者という設定ではありません。ただのそういう書き方(作風)だと思ってください。
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