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第十二章 幻影(1)
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翌十四日は、恵比寿家にとって重要な行事があった。
南の半島の最東端に祭ってある恵比寿神社まで、豊漁と海の安全を祈願するため、船団を走らすのである。
恵比寿神社は美保浦神社より、とくに漁業、海運の神徳を得るために分社されたもので、決まった神職が務めているわけではなかった。
毎年の暮れ近くに「当屋(とうや)」という、翌年の神職がくじにより選ばれていた。
当屋に選ばれた家の当主は、十二月二十日から二十八日まで、毎早朝三時頃、決して他人に姿を見られることなく、北の陸の先端である小戸へ出向き、海水を浴びて身体を清め、いよいよ二十八日の早朝、新年を迎える準備のため、神社に参詣するのだった。
当屋の務めを無事に果たせば、その家には名誉だけでなく、繁栄も齎されるとの言い伝えがあり、どの家もくじに当たることを切望していた。
午後になり、村人たちが三々五々海岸に集まりだした。
恵比寿家の行事の前に、夏祭りの催しの一つである、櫓こぎ競争が始まるのだ。中学生、高校生、青年、壮年の部に分かれ、南北約百メートルの距離を二尋余りほどの小舟の櫓をこいで競争するのである。漁師にとっては、日頃の腕自慢を披露する絶好の機会になったが、中学生の中には真っ直ぐ舟が進まず、観衆の笑いを誘ったりする者もいた。
競技が終わると、恵比寿水産が所有する二十数艘の中から選ばれた八艘の船が隊列を作り、美保浦湾に繰り出す。もっとも、八艘もの船団を繰り出すようになったのは、洋太郎が会社を旗揚げした以降で、それ以前は、恵比寿家が所有していた船のみで行っていた。
八艘の船は、それぞれに五色の大漁旗を立て、等間隔の間を空けて円を作り、湾内を三周した後、一列になって沖へ出るのだった。先頭の船の舳先には、臨時にしっかりと固定されたマストが立てられ、洋平は命綱を付け、そのマストを掴みながら立っていた。
言わば、神童あるいはお稚児さんの役割であった。
この役目は、代々恵比寿家の総領が担わなければならないため、洋平は小学校へ入学した年から務めていた。
半島の先まではおよそ六キロあり、その辺りまで沖に出ると、波も相当な高さになったが、生命の危険を伴わない限り、避けてはならない行事だった。
船団が恵比寿神社の真下に到着すると、エンジンを切って洋上に停泊し、会社の代表である洋一郎が祈祷文を読み上げる。その後、皆で柏手を打ち、一斉にお神酒を海に流すのである。
美鈴は、当然のようにこの行事に参加したいと願い出たが、こればかりは許されなかった。これもまた、恵比寿様は女神であり、女人が乗船していると、嫉妬をされて、海難事故を起こされるという古い言い伝えがあったからである。
この日の夜、洋平は大工屋から夕食に招かれていた。これまでのお礼という意味合いであった。
夕方になり、彼は浴衣に着替えて出掛けた。その道すがら、出会った人々は一様に、
「恵比寿の総領さん、こんな時間に何処に行かれるのですか」
と訊ねた。
こうした場合、洋平は逐一真面に答えるのが億劫なので、
「ちょっと、そこまでです」
と曖昧に答えることにしていた。
たいていの場合はそれで済むのだが、中には「そこって、近江屋さんですかい」と道筋にある、叔母の嫁ぎ先の名を口にする者や、立ち止まって姿が見えなくなるまで見届ける、お節介者までいたりすることもあった。
しかしこれは、決して彼らに他意があってのことではなく、夕方になって子供が一
人でうろついていれば、誰であろうと声を掛けるのがこの村の日常なのだった。まして、恵比寿家の総領である洋平ならば、なおさらのことなのである。
洋平は、大工屋に着いて初めて気づいたことがあった。大工屋も恵比寿と同様、男衆は親戚である大敷屋の初盆に出掛けているということである。
「こんばんは」
洋平が玄関先で声を掛けると、奥から老婆が出てきた。美鈴の祖母である。
「まあ、恵比寿の総領さん、よくおいで下さった。どうぞお上がり下さい。美鈴はお風呂に入っておりますけん、ちいと待っていてやって下さい」
洋平は、初めて大工屋の家に上がった。
美鈴を待つ間、手持無汰沙の洋平は、自然とある思案に入り込んでいった。
「なにを考えているの?」
背中越しの声で、洋平は傍らの美鈴に気づいた。
「うん。ちょっと、明日の夜のことを考えていた」
「なにか問題でもあるの」
洋平が、蛍狩りを躊躇していると誤解したのだろう。美鈴は、洋平の浮かぬ表情を見て心配そうに訊ねた。
「いや、大したことではないけんど、自転車がね……。どうやって調達するか、その手立てが思いつかないんだ」
「なあんだ、自転車かあ」
美鈴は安堵したように言う。
「そう言えば、洋君は自転車持っていなかったよね、どうして?」
「うん。それはちょっと事情があってね……」
洋平には苦い思い出があった。
「事情って、どんな?」
「まあ、そいがね、その……」
洋平が口籠っていると、
「まさか、乗れないの?」
と、美鈴は小馬鹿にするように言った。
「違うよ、そんなんじゃないがな。そげだったら、自分から自転車を用意するなんて言わんがな」
洋平は、むきになって答えた。
「だったら、教えてよ」
美鈴の得意げな表情に、洋平はやられたと臍を噛んだ。彼女は見事な計略で、洋平
に返答を迫ったのだ。
洋平は、渋々真相を話始めた。
「実は、一昨年お祖父ちゃんに新車を買ってもらったんだけんど、おらは嬉しさのあまり、言いつけを破って友だちと二人乗りをしてしまい、その挙句、操縦を誤って自転車もろとも、二人が池に落ちてしまうという事故を起こしてしまっただ」
「ええー、どこに? どうして?」
美鈴は大声を出した。顔を洋平に近づけると、目を大きく見開いて、話の続きを催促した。洋平の失敗話は、大いに彼女の興味を惹いたようだった。
「ほら、鈴ちゃんも一緒に笹竹を切りに行ったとき、小学校に着く少し手前に、右手に大きな池があっただらが。あそこに落ちてしまっただ」
「どうして、あんなところに落ちたの」
「そいがね、おらたちは隣村の磯に釣りに行っただ。友だちが、メバルっていう魚がよう釣れる磯があるっていうもんでね。友だちは自転車を持っちょらんかったんで、二人乗りはいけん、というお祖父ちゃんの言い付けを破って、おらたちは二人乗りをしてしまっただ。ほら、あの池は、隣村に行く峠の坂道の傍らにあっただらが。帰り道は下り坂になるだが。
おらたちは、メバルを四十匹も釣って、意気揚々で帰るところだった。けんど、その坂道で、ついスピードを出し過ぎてしまい、メバルを入れた籠をハンドルに掛けていたこともあって、その重みでハンドルを取られ、操作を誤ったただ。そんで、あの池に自転車もろとも、ダイビングをするように飛び込んでしまっただが」
「あははは、おかしい、おかしい」
洋平の話を聞いて、美鈴は滑稽な場面を想像したのか、大声で笑った。
だが洋平は、自分の失敗話を笑われても少しも腹が立たなかった。むしろ彼女の笑い顔に幸せを感じていた。
思い返せば、洋平はこのように大笑いをする美鈴を初めて見たような気がする。
――もっと彼女の笑い顔を見ていたい。
そう思った洋平はここぞとばかりに、池に落ちたときの二人の慌てふためいた様を、身振り手振りを交えて面白おかしく話した。その表情は、単なる間抜けな失敗話に過ぎないのに、まるで自慢話のように得意げだった。
「ああー、苦しい、苦しい」
一旦笑いを堪えて、洋平の大げさな話を聞いていた美鈴は、再び腹を抱えて笑った。 そのような彼女に洋平の心は和んだが、それも束の間のことだった。彼女の風呂上りで光沢の良い艶やかな顔を見ていると、明日が最後の日である現実が辛く圧し掛かってきたのである。
洋平は笑い転げる美鈴を尻目に話を続ける。
「鈴ちゃんはそがいに笑うけんど、一つ不思議なことがあったんだ」
「不思議なことって?」
真顔になった洋平に美鈴も笑みを消して訊いた。
「池に落ちそうになったとき、なんでかわからんけんど、おらはブレーキを掛けちゃいけんと思っただ。だからスピードがついたまま池に飛び込んだだ。だいてが、そげだったけん、自転車が池底の泥沼に沈んだだけで済んで、おらたちは助かったんだが。
後でわかったことだけんど、もしブレーキを掛けて中途半端に池の淵にでも落ちちょったら、そこには竹や木の切り株が乱立しちょったけん、大怪我だけじゃすまんかったかも知れんのだけん」
話を聞き終えた美鈴は神妙な顔つきになっていた。そして事故の後、池の淵の切り株を見たとき、洋平の心に浮かんだ思いと同じことを言った。
「洋君の守護霊様が護って下さったのね」
「おらもそげだと思っちょう」
洋平は、美鈴が自分と同じ思いを抱いたことが嬉しかった。魂の繋がりというものを実感したからだ。
「そいで、お祖父ちゃんの言い付けを破った罰として、中学校に上がるまでは自転車を買ってもらえんのだが」
「そっかあ、それで洋君は自転車を持ってないのかあ」
と、彼女は得心した様子でそう言った後、
「あっ、そうか。だからあの日、洋君は集合場所に向かって、ずっと走っていたんだ」
と思い出したように言った。
南の半島の最東端に祭ってある恵比寿神社まで、豊漁と海の安全を祈願するため、船団を走らすのである。
恵比寿神社は美保浦神社より、とくに漁業、海運の神徳を得るために分社されたもので、決まった神職が務めているわけではなかった。
毎年の暮れ近くに「当屋(とうや)」という、翌年の神職がくじにより選ばれていた。
当屋に選ばれた家の当主は、十二月二十日から二十八日まで、毎早朝三時頃、決して他人に姿を見られることなく、北の陸の先端である小戸へ出向き、海水を浴びて身体を清め、いよいよ二十八日の早朝、新年を迎える準備のため、神社に参詣するのだった。
当屋の務めを無事に果たせば、その家には名誉だけでなく、繁栄も齎されるとの言い伝えがあり、どの家もくじに当たることを切望していた。
午後になり、村人たちが三々五々海岸に集まりだした。
恵比寿家の行事の前に、夏祭りの催しの一つである、櫓こぎ競争が始まるのだ。中学生、高校生、青年、壮年の部に分かれ、南北約百メートルの距離を二尋余りほどの小舟の櫓をこいで競争するのである。漁師にとっては、日頃の腕自慢を披露する絶好の機会になったが、中学生の中には真っ直ぐ舟が進まず、観衆の笑いを誘ったりする者もいた。
競技が終わると、恵比寿水産が所有する二十数艘の中から選ばれた八艘の船が隊列を作り、美保浦湾に繰り出す。もっとも、八艘もの船団を繰り出すようになったのは、洋太郎が会社を旗揚げした以降で、それ以前は、恵比寿家が所有していた船のみで行っていた。
八艘の船は、それぞれに五色の大漁旗を立て、等間隔の間を空けて円を作り、湾内を三周した後、一列になって沖へ出るのだった。先頭の船の舳先には、臨時にしっかりと固定されたマストが立てられ、洋平は命綱を付け、そのマストを掴みながら立っていた。
言わば、神童あるいはお稚児さんの役割であった。
この役目は、代々恵比寿家の総領が担わなければならないため、洋平は小学校へ入学した年から務めていた。
半島の先まではおよそ六キロあり、その辺りまで沖に出ると、波も相当な高さになったが、生命の危険を伴わない限り、避けてはならない行事だった。
船団が恵比寿神社の真下に到着すると、エンジンを切って洋上に停泊し、会社の代表である洋一郎が祈祷文を読み上げる。その後、皆で柏手を打ち、一斉にお神酒を海に流すのである。
美鈴は、当然のようにこの行事に参加したいと願い出たが、こればかりは許されなかった。これもまた、恵比寿様は女神であり、女人が乗船していると、嫉妬をされて、海難事故を起こされるという古い言い伝えがあったからである。
この日の夜、洋平は大工屋から夕食に招かれていた。これまでのお礼という意味合いであった。
夕方になり、彼は浴衣に着替えて出掛けた。その道すがら、出会った人々は一様に、
「恵比寿の総領さん、こんな時間に何処に行かれるのですか」
と訊ねた。
こうした場合、洋平は逐一真面に答えるのが億劫なので、
「ちょっと、そこまでです」
と曖昧に答えることにしていた。
たいていの場合はそれで済むのだが、中には「そこって、近江屋さんですかい」と道筋にある、叔母の嫁ぎ先の名を口にする者や、立ち止まって姿が見えなくなるまで見届ける、お節介者までいたりすることもあった。
しかしこれは、決して彼らに他意があってのことではなく、夕方になって子供が一
人でうろついていれば、誰であろうと声を掛けるのがこの村の日常なのだった。まして、恵比寿家の総領である洋平ならば、なおさらのことなのである。
洋平は、大工屋に着いて初めて気づいたことがあった。大工屋も恵比寿と同様、男衆は親戚である大敷屋の初盆に出掛けているということである。
「こんばんは」
洋平が玄関先で声を掛けると、奥から老婆が出てきた。美鈴の祖母である。
「まあ、恵比寿の総領さん、よくおいで下さった。どうぞお上がり下さい。美鈴はお風呂に入っておりますけん、ちいと待っていてやって下さい」
洋平は、初めて大工屋の家に上がった。
美鈴を待つ間、手持無汰沙の洋平は、自然とある思案に入り込んでいった。
「なにを考えているの?」
背中越しの声で、洋平は傍らの美鈴に気づいた。
「うん。ちょっと、明日の夜のことを考えていた」
「なにか問題でもあるの」
洋平が、蛍狩りを躊躇していると誤解したのだろう。美鈴は、洋平の浮かぬ表情を見て心配そうに訊ねた。
「いや、大したことではないけんど、自転車がね……。どうやって調達するか、その手立てが思いつかないんだ」
「なあんだ、自転車かあ」
美鈴は安堵したように言う。
「そう言えば、洋君は自転車持っていなかったよね、どうして?」
「うん。それはちょっと事情があってね……」
洋平には苦い思い出があった。
「事情って、どんな?」
「まあ、そいがね、その……」
洋平が口籠っていると、
「まさか、乗れないの?」
と、美鈴は小馬鹿にするように言った。
「違うよ、そんなんじゃないがな。そげだったら、自分から自転車を用意するなんて言わんがな」
洋平は、むきになって答えた。
「だったら、教えてよ」
美鈴の得意げな表情に、洋平はやられたと臍を噛んだ。彼女は見事な計略で、洋平
に返答を迫ったのだ。
洋平は、渋々真相を話始めた。
「実は、一昨年お祖父ちゃんに新車を買ってもらったんだけんど、おらは嬉しさのあまり、言いつけを破って友だちと二人乗りをしてしまい、その挙句、操縦を誤って自転車もろとも、二人が池に落ちてしまうという事故を起こしてしまっただ」
「ええー、どこに? どうして?」
美鈴は大声を出した。顔を洋平に近づけると、目を大きく見開いて、話の続きを催促した。洋平の失敗話は、大いに彼女の興味を惹いたようだった。
「ほら、鈴ちゃんも一緒に笹竹を切りに行ったとき、小学校に着く少し手前に、右手に大きな池があっただらが。あそこに落ちてしまっただ」
「どうして、あんなところに落ちたの」
「そいがね、おらたちは隣村の磯に釣りに行っただ。友だちが、メバルっていう魚がよう釣れる磯があるっていうもんでね。友だちは自転車を持っちょらんかったんで、二人乗りはいけん、というお祖父ちゃんの言い付けを破って、おらたちは二人乗りをしてしまっただ。ほら、あの池は、隣村に行く峠の坂道の傍らにあっただらが。帰り道は下り坂になるだが。
おらたちは、メバルを四十匹も釣って、意気揚々で帰るところだった。けんど、その坂道で、ついスピードを出し過ぎてしまい、メバルを入れた籠をハンドルに掛けていたこともあって、その重みでハンドルを取られ、操作を誤ったただ。そんで、あの池に自転車もろとも、ダイビングをするように飛び込んでしまっただが」
「あははは、おかしい、おかしい」
洋平の話を聞いて、美鈴は滑稽な場面を想像したのか、大声で笑った。
だが洋平は、自分の失敗話を笑われても少しも腹が立たなかった。むしろ彼女の笑い顔に幸せを感じていた。
思い返せば、洋平はこのように大笑いをする美鈴を初めて見たような気がする。
――もっと彼女の笑い顔を見ていたい。
そう思った洋平はここぞとばかりに、池に落ちたときの二人の慌てふためいた様を、身振り手振りを交えて面白おかしく話した。その表情は、単なる間抜けな失敗話に過ぎないのに、まるで自慢話のように得意げだった。
「ああー、苦しい、苦しい」
一旦笑いを堪えて、洋平の大げさな話を聞いていた美鈴は、再び腹を抱えて笑った。 そのような彼女に洋平の心は和んだが、それも束の間のことだった。彼女の風呂上りで光沢の良い艶やかな顔を見ていると、明日が最後の日である現実が辛く圧し掛かってきたのである。
洋平は笑い転げる美鈴を尻目に話を続ける。
「鈴ちゃんはそがいに笑うけんど、一つ不思議なことがあったんだ」
「不思議なことって?」
真顔になった洋平に美鈴も笑みを消して訊いた。
「池に落ちそうになったとき、なんでかわからんけんど、おらはブレーキを掛けちゃいけんと思っただ。だからスピードがついたまま池に飛び込んだだ。だいてが、そげだったけん、自転車が池底の泥沼に沈んだだけで済んで、おらたちは助かったんだが。
後でわかったことだけんど、もしブレーキを掛けて中途半端に池の淵にでも落ちちょったら、そこには竹や木の切り株が乱立しちょったけん、大怪我だけじゃすまんかったかも知れんのだけん」
話を聞き終えた美鈴は神妙な顔つきになっていた。そして事故の後、池の淵の切り株を見たとき、洋平の心に浮かんだ思いと同じことを言った。
「洋君の守護霊様が護って下さったのね」
「おらもそげだと思っちょう」
洋平は、美鈴が自分と同じ思いを抱いたことが嬉しかった。魂の繋がりというものを実感したからだ。
「そいで、お祖父ちゃんの言い付けを破った罰として、中学校に上がるまでは自転車を買ってもらえんのだが」
「そっかあ、それで洋君は自転車を持ってないのかあ」
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