追放された呪咀士は同じ境遇の仲間を集めて成り上がります〜追放仲間にデバフをかけたらなぜか最強になりました〜

三乃

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3話 結成

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「改めまして……ワタシはエマっていいます。あの、本当になんとお詫びをすればいいか……」

 エマと名乗った少女は恥ずかしさと申し訳なさを混ぜ合わせたような複雑な表情で頭を下げる。
 エマはお酒の飲みすぎで吐いた後倒れたので、医務室に運ばれた。

 ちなみにエマの嘔吐物は僕とロゼさんの二人で処理しました。

 掃除後、お見舞いとパーティー勧誘の返事を聞くのも兼ねて医務室に顔を出したら地面に頭をつける勢いでこうして謝られている。

「頭を上げてよ。僕は全然気にしてないから! それより体調も良さそうで良かったよ」
「はい、おかげさまで……。吐いたのと、酔い覚ましの魔法をかけてもらったので大分良くなりました」

 酒臭さは若干残っているものの、もう泥酔はしていなさそうだ。
 泥酔時は中々インパクトの強い子だったけど、酔ってさえいなければ素直でいい子じゃないか。

「多分年齢も近いし、敬語はやめてよ」

 僕は右手を差し出し握手を求める。

「僕の名前はノロワ。よろしくね、エマ!」
「あっ、そのっ……よろしく、ノロワ!」

 エマも笑顔で僕の握手に応えてくれる。
 よし、ここまでは好感触。

 この調子なら僕とパーティーを組んでくれるかもしれない!

「それで……さっきの返事なんだけど、どうかな?」
「アタシとパーティーを組みたいって話よね?」

 ちゃんと記憶があってよかった。
 パーティー勧誘した直後に吐いたり倒れたりしたから記憶がなかったらどうしようって思ってたんだ。

「……その、言いにくいんだけど、アタシが前のパーティーを追放されたってのは知ってる? それでもアタシとパーティーを組んでくれるの?」
「そんなの全然問題ないよ! 僕も追放された側だしね!!」
「え?」
「え?」

 ……おや?
 なんだか分からないけど、風向きが変わったような気がするよ?

「確認だけど、ノロワってどこかのパーティーに所属してるよね?」
「ううん、今はソロだよ」
「え?」
「え?」

 そういえば、まだエマのことをパーティー勧誘しただけで僕の今の状況を伝えていなかったな。
 ここでエマは、僕がエマ同様パーティーを追放されたソロの冒険者だと理解したようだ。

 エマは何かを考えるように俯くと……、
「はぁーーーー、何よそれ。騙された気分だわ」

 クソでかため息と悪態を吐く。

「あのー、エマ、どうしたの?」
「馴れ馴れしいわね。アタシの事を気安く呼び捨てにしないで」

 ええええええええ!?
 さっきまでの和やかな空気はどこへ行ったんだ!?

「ちょっ……えっ!? さっきまでとは別人みたいだよ!?」
「さっきまでとは別人よ」

 別人なの!?

「せっかく猫被っていい子を演じていたのに無駄だったじゃない。……でも、そうよね。アタシみたいな追放された冒険者にスカウトがくるなんておかしいと思ったのよ。はぁ、もう、最悪」

 終いには最悪とまで言われてしまった。
 てか、猫を被ってたんだね。
 どうやら、泥酔時の口調や態度の方が素に近かったようだ。

「あのー……エマさん?」
「いいから黙ってて! 今、考え事してるから!!」
「はいっ!」

 エマの迫力に押されて思わず従ってしまう。
 エマは目をつぶりながら何かを考え出す。

「あー、どうしよっかなぁ……。追放者同士でパーティー組むとか……ないわー……。しかもソロとか……重ねてないわー……。でも、このままじゃアタシもソロのままだしなぁー。それなら、他のパーティーが見つかるまではコイツと組んだほうが……。いや、でもなぁー……いやー、ないわー」

 考え事が全部漏れてるんだよなー……。
 三回も「ないわー」って言われたし。
 誰だよ、お酒さえ入ってなければ素直でいい子だって言ったの。
 素面しらふは腹黒で悪い子だったよ。

「……はぁ、しょうがないわね。いいわ、ノロワ。アタシがもっといい条件のパーティーが見つかるまでの間はアンタとパーティーを組んであげるわよ! 感謝することね!」

 まさかの上から目線!?
 いや、そりゃあ、僕から頼んだ事だけど……。

 しかも、事前に乗り換え宣言までされちゃったし。

「何よ、その顔。何か不満でもあるの? こんなに可愛いアタシが追放者の貴方とパーティーを組んであげるって言ってるのよ。ほら、感謝の言葉をいいなさいよ」

 ……この子、こんな性格だからパーティーを追放されたんじゃないのか?

 ここまでのやり取りでエマとパーティーを組むのをちょっと躊躇ためらいそうになる。
 だけど、僕と組んでくれるような冒険者は貴重だ。
 何より僕はソロじゃ何もできない。

 ここは素直にエマと組む以外の選択肢が僕には存在しないってわけだ。


「あ、りがと……う、ござい……ま、す」
「なんか思うところありそうな返事ね」

 渋々ながら感謝の言葉を伝えたらエマは不満そうな顔をする。
 そりゃあ色々と思うところはありますよ!!

「まあいいわ。早速明日クエストを受けましょう。あ、それと堅苦しいから敬語はいらないわよ。呼び捨ては認めないけどね」

 いつの間にか主導権を完全に握られてしまった。

 ……はぁー……。
 とんでもない子とパーティーを組んでしまった気がする。
 だけど、何はともあれ、これでパーティーを組む事が出来た。

 ここから僕の新しい冒険者生活が始まるんだ!

「とにかく改めて自己紹介するわ。アタシはエマ。職業ジョブは『魔法い』よ」
「こちらこそよろしく! 僕はノロワ。職業ジョブは『呪詛師じゅそし』だよ」

「ああ、それと食事や回復薬の準備は頼むわね。荷物持ちもよろしく!」

 ……始まっていいのだろうか?
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