追放された呪咀士は同じ境遇の仲間を集めて成り上がります〜追放仲間にデバフをかけたらなぜか最強になりました〜

三乃

文字の大きさ
35 / 44

33話 褒殺

しおりを挟む
 
「カリンって酔ってた時の記憶なかったの?」

 酔剣を使った後、カリンは必ずといっていいほど酔い潰れていた。
 そのせいで、今まで泥酔中の記憶はなかったんじゃないだろうか?

 だけど、今回は僕の呪いの効果で酔剣を使ったから、酔い潰れなかった。
 その結果、戦闘中の記憶もバッチリ覚えていたんじゃないだろうか?

「……いや、全く無いって訳じゃないんだ。ただ記憶は断片的に覚えてるって感じだったから……。だけど、まさかあそこまで酷いとは思わなかった。……我ながら情けない」

 うーん、そんなに気にする事かなぁ?

 確かに、普段のクールなカリンとは真逆だけど、あれはあれで可愛いっていうか、愛嬌があるっていうか……むしろ、ギャップがあって泥酔してる時のカリンは個人的に好きだけどなー。

 だけど、カリンからしたら醜態を晒し続けてきたようなものなんだろう。
 落ち込む気持ちも分からなくもない。

「……ちょっと、ノロワ。慰めてあげなさいよ」
「ええっ!? 僕がやるの?」

 横にいたエマが小さい声で言ってくる。

「こういうフォローは異性から言われる方が効果あるのよ」

 そういうものなのだろうか?
 だけど、女性経験がない僕なんかよりエマの言うことの方が正しい気もするし、変に意見せずに従うことにする。

 さて……フォロー……フォロー……、だめだ、気の利いたセリフが思いつかない。
 とりあえずカリンについて思ったことを正直に伝えてみようかな。

「大丈夫! 酔ってるカリンは可愛いよ!!」

「ふぇっ!?」

 カリンが気の抜けた声を上げる。
 勢いで恥ずかしい事を言っている気もするけど……、うん、深く考えずこの勢いで一気にフォローしまくろう。

「普段のカリンはクールビューティーって感じでそれもそれでいいけど、酔ってるカリンは無邪気な感じがして凄く可愛い!!」

「あっ、ちょっ……ま、待ってくれ……」

「なんだろう、ギャップっていうのかな? カリンがやるからこそ可愛いんだよね! もっとフニャフニャな姿を見たいまである!」

「うっ、うぅぅぅぅ……」

「しかも可愛い上に強いんだから控えめにいって最強だよね! 本当に僕の仲間はすごっぶごはぁっ!?」

 なんという事でしょう。
 カリンをフォローという名の誉め殺しをしていたら、横のエマから鳩尾みぞおみに肘を入れられました。

 い、息ができない……!?

 あまりにも綺麗に肘鉄を喰らったため、僕は呼吸が止まり、腹を抱えて倒れ込んでしまった。


「慰めろとは言ったけど、口説きなさいとは言ってないわよ」

 り、理不尽すぎる!?

「ふっ……ふふふ、ありがとう、ノロワにエマ。うん、なってしまったモノはしょうがないよな。それに酔ってる時の私も私自身である事に変わりがない。これからは酔った私も受け入れて……受け……い、れ……」

 すっごい受け入れられなそうだ。
 眉間に皺を寄せて、苦悶の表情をしているし……。

 ……はっ!
 ここでフォローを入れてみたらどうだろうか!?

「今は酔剣を使っても酔い潰れなかった事を喜ぶべきだよ! これで『灰狼グレウルブ』に最強の前衛が入った訳だし、これからも頼りにさせてもらうからね!!」

「う、ん。そうか……そうだよな。ノロワのおかげで私は戦闘後もお荷物になる事も無くなった訳だもんな」

「そうだって! それに酔い潰れたカリンもそう悪いものじゃなかったよ。いつもは凛々しいカリンの弱々しい姿はそれはそれでいいものを見せてもらったと言うか何というか!!」

「うっ……ぐっ……」

「個人的にカリンの弱い一面を見れないのは寂しいって気持ちはあるしね! だけど、この先も酔剣を使ってる時はフニャフニャのカリンが見られるからそっちの方を楽しみにって、痛ったぁぁぁ!?!?」

 カリンが酔い潰れていたのは迷惑なんかじゃないし、これからも頼りにしているねって意味も込めてフォローしようと色々喋っていたら後ろからエマに後頭部を全力で引っ叩かれた。

 ……確かに余計な事も言ったかもしれないけど、ここまで叩かれる必要はないんじゃないだろうか?

 それに元々はエマが僕にカリンのフォローをするよう頼んだのに……。

 よし、ここは男としてガツンとエマに言い返してみよう。
 同じパーティーとして、立場は対等なはずだもんね!


「ちょっと、エマ!! 何すん……の……さ……」

「何よ。何か文句あるの?」

「イエ、ナニモアリマセン」

 いやー、やっぱりパーティー内でケンカするのはよくないよね、うん。
 決してエマの気迫に怖気付いた訳じゃないんだよなー。
 微笑んでるのに目が一切笑って無い事にビビった訳じゃないんだよなぁー!

「……はぁ、もういいわよ。それじゃあさっさとバジリスクの素材を集めてギルドに戻りましょう? ……ノロワ、ナイフ」

「はい、喜んで!!」

 僕はカバンから素材を回収するためのナイフを取り出して、速やかにエマに差し出す。
 ここから先、エマの機嫌を損ねたら、このナイフが飛んできたりは……しないよね?

「何か失礼な事考えてない?」

「考えてません! すいません! 勘弁してください!!」

 僕の浅はかな考えをエマに読まれていたようだ。
 これ以上怒らせたらナイフどころか魔法が飛んできそうだ。

 エマの魔法を喰らいでもしたら、僕なんか文字通り瞬殺だろう。
 ここは誠心誠意、頭を下げて許しを乞おう。

「うーん……ま、いっか。よし、それじゃあ始めましょうか!」

 こうして僕たちは三人でバジリスクの素材を回収し始める。
 バジリスクの巨体を解体するのは中々骨が折れる作業だけど、以前いたパーティーでは解体作業をほとんど一人でやっていたから、それを考えると手伝ってくれる人がいるだけで大分楽になる。

 こうして僕たちはバジリスクの牙や鱗、目など、武器や防具の素材になる物を剥ぎ取った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。 絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。 一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。 無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います

長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。 しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。 途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。 しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。 「ミストルティン。アブソープション!」 『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』 「やった! これでまた便利になるな」   これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。 ~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

処理中です...