テクノブレイクで死んだおっさん、死後の世界で勇者になる

伊藤すくす

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第一章: セカンドライフ始め!

第七話

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「ビースト?何だそりゃ」
俺は思ってたことをそのまんま言った。動物か何かか?

「ビーストはこの世界で一番強い能力だ。だがその分リスクが伴う」
「勿体ぶらないで教えてくれ」

「そうだな」
アルバッドは咳払いをした。すごい真面目な話をするって感じだな。どうせまた下ネタでも言うんだろうな。

「ビーストは寿命を使う能力なんだ」
うん?確か寿命って半天使にしか無かったはずじゃ。

「俺には関係ないだろ?」
「そうじゃないんだ。イリス、説明を」

イリスが一歩手前に出て来た。

「この世界では天使と人間には寿命がありませんが、半天使も含め全員が魂を持っています。ビーストを生むにはその魂を使うのです」

おいおい、聞いてないぞそんなの。

「じゃあこの世界でも俺は死ぬってことか?」
「はい、年老いて死ぬことはありませんが」
「ビーストってのを創ったら死ぬのか」

「それは少し違う。この際だ、ヨードで死ぬ方法を教える。それとビーストについてもだ」

頼むよ。簡単に軍に入るとか言っちゃったけど、俺も死ぬかもしれないとか、恐ろしすぎるだろ。

「先ず、この世界で『死ねる』のは半天使だけだ。それは理解してくれ。私のような天使、そして君みたいな人間は『死ぬ』のではなく、『消滅』するんだ。消滅するのは自分の魂を使い切ったとき、そしてエレメントで作られた武器で殺されるときだ」

武器で殺されるって、戦場に出たら高確率で『消滅』するじゃねえか。

「怖いのか?」
ああ、そりゃ怖いだろうよ。一回死んで不死身になったと思えば、次は死ぬんじゃなくて消滅と来たんだからな。

「心配は無用だ。私は何回も戦線に出たが、こうして生きている。君は私より強くなれる素質があるんだぞ?というより、エレメントの強さで言えばすでに君の方が上だ。怯えることなど何もない」

何故だか分からないが、このアルバッドの台詞には説得力あった。コイツの経験と人柄(天使柄か?)がそうさせるんだろうか。

「俺がやばい時はアルバッドが守ってくれるのか?」
「当たり前だ。軍の者はお互いに背中を任せるような存在だ。私もハジメを守るためだったら何でもする」

コイツは変な所もあるけど、根はいいヤツなんだな。それだけは伝わって来た。

「よし!ビーストについて詳しく教えてくれ」
もう後戻りは出来ないな。でも俺が強ければ問題ない話だ。それに、俺のバックにはアルバッドもいる。心配はないはずだ。

「では、話を戻そう。次はビーストの創り方に関して話そう。まずはこれを見てくれ」

アルバッドは右手を前に出し、手のひらを地面に向けた。その手からはスライム状のエレメントが出ていて、それが地面にベチャっと落ちた。まあ、スライムに見えてるのは俺だけか。

すると、落ちたスライムがうねうねと動き始め、何かの形へと変形した。それは、フィギュアみたいに小さな動物に見えた。

「何だこれ?ネコか?」
さっき見たいなスライム状では無くなってるな。

「失敬な!どこからどう見てもイヌだろう」
それはあり得ない。耳と尻尾からして完全にネコだ。まあいいか、放っておこう。

「これは今私が想像して創ったイヌだ。君にもそう見えてるだろ?」
「ああ、エレメントは見え方が人それぞれでも、エレメントで作った物は全員同じように見えるってことか」

「そうだ」
そう言った瞬間、アルバッドの創ったイヌは塵のようにサーっと消えた。

「消えたところで説明に入ろう。さっきのイヌを創るのに、私は光エレメント1%、そして魂を1分ぶん使った」

1分ぶん?何だそのタイムリミットありますよ的なのは。

「さっきのビーストに私の魂を1分ぶん入れたんだ。つまり、1分しか生きれないってことだ」
「だから消えたのか」
「その通り。ビーストの強さはエレメントの強さによるが、その寿命は魂の量で変わるんだ」

「エレメントを100%入れて、最強のビーストを創っても、魂を全然入れなかったらすぐに消えるってことか」
「そうだ。だが創り手の魂にも限界があるからな」
「残りの魂の量って、どうやって分かるんだ?」

また目分量とか言うんじゃないだろうな。

「魂の量は本人にしか分からない。それに、他者に自分の魂の量を言うことはあまり勧めない。心配されることもあるし、敵に利用されることがあるからな」
「敵に利用?」
「ああ、例えば君の残り魂の量が1時間分しかないとしよう。そしてその情報を開示したとしよう。すると敵は、ハジメがビーストを連発出来ないことを知ることになる。つまりは倒されやすくなるってことだ」

そういうことか。でも俺は今自分の魂の量なんか感じてないぞ。

「でも変だよな。時間が経って死ぬってことはないのに、魂は時間の単位で換算されてるって」
「まあ、そうだな。それは魂を体外に出した場合に始まるカウントだと思ってくれたら良いさ」

「それと自分の魂の量を感じれないんだが、どういうことなんだ?」
「ビーストを創ったら分かると思うぞ」
「そういう物なのか」
「そう言うもんだ。説明はこれで終わりだ。では実際に創ってみるか」

あまり魂を使いたいとは思わないが、使わないと訓練も出来ないからな。

「アルバッド様!」

訓練の準備をしていると、如何にも伝達係です!見たいな格好をした天使(恐らくそうだろう)が来た。しかも、かなり急いで来た様子だ。何か急用なんだろうか。

「何事だ」

伝達係の天使は、ハアハアと息を切らせながら、こう言った。

「て、天使殺しです......!」
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