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第二章: 天使殺し
第七話
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「で、そのマルクってヤツは何者なんだ?」
俺たちはノース地方から軍の本部に戻って来ていた。テン・ペン含む二人の天使を殺したこの華奢なジイさんは、ジャギと言うらしい。
「ノース軍の者は何も知らないのか」
「何だと!」
軍にある取り調べ室には、犯人を見つけた俺とスイがいた。
「落ち着いてください、ハジメ君。情報を聞き出すのが最優先です」
「すまない」
「ノース軍に教えることは何もあらん。捕まった時点でワシの取引は無いことになる。後はお前らに殺されるだけだ」
「我々はあなたを殺しません。ただ天使を殺したのは事実です。なので、然るべき懲罰は受けてもらいます」
スイがジャギの耳元に近づき、こう囁いた。
「それに、知ってることを話した方があなたの為ですよ。罰が軽くなるかもしれませんよ」
おお、これが飴と鞭か。飴を与えないと情報を吐かないかもしれないからな。さすがスイだ。犯人の扱い方を知ってる。
「いいでしょう。あなたが知ってる情報を全て話してくれるのなら、あなたの取引を実現させてあげましょう」
さっきまで何食わぬ顔をしていたジャギの顔色が変わった。
「本当か?」
「ええ、本当です」
凄いな。急に空気が変わったぞ。
「先ずは、マルクについて教えてください」
「本当に知らんのか?マルク様はサウスエンド最強の闇使いだ。強いエレメントの持ち主、そしてサウス軍のトップだ」
「サウス軍のトップはサドだと思っていましたが」
すると、ジイさんがヒヒッと笑った。
「サウス軍の情勢も変わって来ておるんだ。知らんのも無理はない。マルク様はまだ戦場に出ておらんからな」
「そのマルクから命令を受けたと?」
「いや、正確にはマルク様の使者だがな」
その使者がもう一人の侵入者か?
「その使者は誰なんだ?」
「さあな、顔を隠していたから分からん」
「そうですか。では次の質問を。あなたの能力は何ですか?」
「能力なんてワシにはない」
「じゃあ、どうやってノースエンドに侵入した?」
「譲渡だ。マルク様の使者から能力を分けてもらった」
「その能力とは何です?」
「確か、カモフラージュとか言っておったな。エレメントを一時的に書き換えて、欺く能力だそうだ」
やっぱりそうか。じゃあ、その使者が本当の能力使いか。だったらヤバイな。
「スイ、ちょっと良いか」
「何ですか?」
「カモフラージュ能力を使える使者がノースエンドにまだ居るとしたら、相当ヤバくないか?」
「そうですね。他の者に能力を与えることも出来ますし、撹乱させるためにノースエンドの住民に能力を使うかもしれません」
スイも同じことを考えてた見たいだな。そうだ。他のサウス軍の者にカモフラージュを与えて、ノースエンドに侵入させること何て簡単に出来るだろう。ここにいるジャギもただの駒に過ぎないからな。
それより問題なのが、ノースエンドの住民に能力を使われた場合だ。闇エレメントを隠せるなら、その逆で、光エレメントも隠せると考えるのが普通だろう。ということは、善良な市民を闇エレメント使いに変えることだって可能と言うことだ。
そうなってしまったら、ノースエンドがパニックになってしまうどころか、真犯人を探すことが困難になってしまう。
「ジャギさん、使者の特徴を良く思い出してください」
特徴を聞き出して、誰かに捜索してもらう気なんだろうか。
「声は男だったと思うんだが、あまり覚えてない」
「ハジメ君、また君の助けが必要になると思います」
俺の能力で探せってことだな。男って手がかりだけじゃ見つけられないと思うが、やってみる価値はあるかもしれない。
「ううううう」
何だ?ジャギが急に苦しみ始めた。息が出来ないのか、喉を掻いている。
「おい!しっかりしろ!」
話しかけても無駄だった。喉を搔きむしり過ぎて肌がボロボロになっている。
ジャギの苦しみを止めることも出来ず、落ち着いたときにはもう遅く、ジャギの身体はボロボロになっていた。そう、それは丸で塵のようだった。
俺たちはノース地方から軍の本部に戻って来ていた。テン・ペン含む二人の天使を殺したこの華奢なジイさんは、ジャギと言うらしい。
「ノース軍の者は何も知らないのか」
「何だと!」
軍にある取り調べ室には、犯人を見つけた俺とスイがいた。
「落ち着いてください、ハジメ君。情報を聞き出すのが最優先です」
「すまない」
「ノース軍に教えることは何もあらん。捕まった時点でワシの取引は無いことになる。後はお前らに殺されるだけだ」
「我々はあなたを殺しません。ただ天使を殺したのは事実です。なので、然るべき懲罰は受けてもらいます」
スイがジャギの耳元に近づき、こう囁いた。
「それに、知ってることを話した方があなたの為ですよ。罰が軽くなるかもしれませんよ」
おお、これが飴と鞭か。飴を与えないと情報を吐かないかもしれないからな。さすがスイだ。犯人の扱い方を知ってる。
「いいでしょう。あなたが知ってる情報を全て話してくれるのなら、あなたの取引を実現させてあげましょう」
さっきまで何食わぬ顔をしていたジャギの顔色が変わった。
「本当か?」
「ええ、本当です」
凄いな。急に空気が変わったぞ。
「先ずは、マルクについて教えてください」
「本当に知らんのか?マルク様はサウスエンド最強の闇使いだ。強いエレメントの持ち主、そしてサウス軍のトップだ」
「サウス軍のトップはサドだと思っていましたが」
すると、ジイさんがヒヒッと笑った。
「サウス軍の情勢も変わって来ておるんだ。知らんのも無理はない。マルク様はまだ戦場に出ておらんからな」
「そのマルクから命令を受けたと?」
「いや、正確にはマルク様の使者だがな」
その使者がもう一人の侵入者か?
「その使者は誰なんだ?」
「さあな、顔を隠していたから分からん」
「そうですか。では次の質問を。あなたの能力は何ですか?」
「能力なんてワシにはない」
「じゃあ、どうやってノースエンドに侵入した?」
「譲渡だ。マルク様の使者から能力を分けてもらった」
「その能力とは何です?」
「確か、カモフラージュとか言っておったな。エレメントを一時的に書き換えて、欺く能力だそうだ」
やっぱりそうか。じゃあ、その使者が本当の能力使いか。だったらヤバイな。
「スイ、ちょっと良いか」
「何ですか?」
「カモフラージュ能力を使える使者がノースエンドにまだ居るとしたら、相当ヤバくないか?」
「そうですね。他の者に能力を与えることも出来ますし、撹乱させるためにノースエンドの住民に能力を使うかもしれません」
スイも同じことを考えてた見たいだな。そうだ。他のサウス軍の者にカモフラージュを与えて、ノースエンドに侵入させること何て簡単に出来るだろう。ここにいるジャギもただの駒に過ぎないからな。
それより問題なのが、ノースエンドの住民に能力を使われた場合だ。闇エレメントを隠せるなら、その逆で、光エレメントも隠せると考えるのが普通だろう。ということは、善良な市民を闇エレメント使いに変えることだって可能と言うことだ。
そうなってしまったら、ノースエンドがパニックになってしまうどころか、真犯人を探すことが困難になってしまう。
「ジャギさん、使者の特徴を良く思い出してください」
特徴を聞き出して、誰かに捜索してもらう気なんだろうか。
「声は男だったと思うんだが、あまり覚えてない」
「ハジメ君、また君の助けが必要になると思います」
俺の能力で探せってことだな。男って手がかりだけじゃ見つけられないと思うが、やってみる価値はあるかもしれない。
「ううううう」
何だ?ジャギが急に苦しみ始めた。息が出来ないのか、喉を掻いている。
「おい!しっかりしろ!」
話しかけても無駄だった。喉を搔きむしり過ぎて肌がボロボロになっている。
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本当に、ありがとうございます。
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