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第二章: 天使殺し
第九話
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俺とアルバッドより先に、スイとカンナが現場にいた。
天使殺しが見つかったと伝達係から聞いたが、どうやら瀕死の状態で発見されたらしい。下半身が塵になって消えていてあまり分からないが、肩幅は広く、ガッシリとした風貌の男だった。
「お前がカモフラージュ使いか?」
「変な名前を付けてくれるな。だが、カモフラージュ能力を使うってのは間違ってない」
早く情報を聞き出さないと、コイツの身体が消えてしまう。何を聞くべきだろう?
「ハジメ」
「何だよアルバッド。早くしないと身体が消えちゃうだろ」
「そうだ。だから、君の能力を使って彼の声を聞いたらいいんじゃないか?」
「いや、それは無理だった。もし出来てたら、ジャギを発見したときにコイツも見つけられてたはずだ」
「そうか」、とアルバッドは言いながら後ろへと下がった。
「で、何で瀕死状態なんだお前は」
「ちょっと待って。アンタを呼んでもらったのは、コイツが要求したからなの」
「要求?」
「うん。質問には大体答えてくれたんだけど、一つだけ答えてくれなかったの」
「それで、俺に会わせてくれたら答えるって?」
「そういうこと」
「その質問って何だったんだ?」
「目的は何かって聞いたんだけど」
「分かった」
俺はカモフラージュ使いに近寄った。
「お前らの目的は何なんだ?」
カモフラージュ使いは質問を聞くと、フフッと笑った。
「目的はすでに果たした」
何だよその悪役が良いそうなセリフトップ10に入ってそうな台詞は。
「ノース軍最強の光使いを一目見たかっただけだ」
はい、しょうもない理由。まあそれだけじゃないだろうけど。
「また会うことがあるだろう。楽しみにしてるぞ」
自分が会う訳じゃないのに、変な言い方をするなコイツは。
そう言い残すと、カモフラージュ使いの身体は塵となって全て消えた。
理由は相手陣営の偵察みたいだが、何かが引っかかる。何か違和感を感じるんだが、俺の勘違いだろうか?
「一件落着と言うところですね」
スイがほっとした様子で言った。今回の件で一番プレッシャーを感じてたんだから、ほっとするのも無理はないな。
「というより、さっき大抵の質問は答えたって言ってたよな?どんな質問したんだ?」
「そうね。瀕死の理由とか?ちなみに答えは、もう逃げられないと思ったから、だそうよ」
それが一番気になってた質問だな。他のは大したことないだろう。
「それより何か変なとこ無かったか?」
「変なとこ?うーん、そうね」
考えろカンナ!お前なら出来る!
俺の考えてることが顔に出てたのか、「何その顔、何か腹たつ!」と言われ、腹を蹴られた。死後の世界でもちゃんと痛いのな。
「そう言えば、時々言ってることと表情が合ってなかった感じがしたわ」
それだ。俺の感じてた違和感はそれだったのか。何か裏事情でもあったのだろうか?まあ、自分が死ぬのは誰でも嫌だろうしな。
「そうか、今のところは一件落着って感じだな。スイ、カンナ、ありがとう」
「私は何もしてないわよ、バカ」
「僕もなにも」
余計な一言だなカンナは。こうして、俺のヨードに来ての初任務は終わった。
天使殺しが見つかったと伝達係から聞いたが、どうやら瀕死の状態で発見されたらしい。下半身が塵になって消えていてあまり分からないが、肩幅は広く、ガッシリとした風貌の男だった。
「お前がカモフラージュ使いか?」
「変な名前を付けてくれるな。だが、カモフラージュ能力を使うってのは間違ってない」
早く情報を聞き出さないと、コイツの身体が消えてしまう。何を聞くべきだろう?
「ハジメ」
「何だよアルバッド。早くしないと身体が消えちゃうだろ」
「そうだ。だから、君の能力を使って彼の声を聞いたらいいんじゃないか?」
「いや、それは無理だった。もし出来てたら、ジャギを発見したときにコイツも見つけられてたはずだ」
「そうか」、とアルバッドは言いながら後ろへと下がった。
「で、何で瀕死状態なんだお前は」
「ちょっと待って。アンタを呼んでもらったのは、コイツが要求したからなの」
「要求?」
「うん。質問には大体答えてくれたんだけど、一つだけ答えてくれなかったの」
「それで、俺に会わせてくれたら答えるって?」
「そういうこと」
「その質問って何だったんだ?」
「目的は何かって聞いたんだけど」
「分かった」
俺はカモフラージュ使いに近寄った。
「お前らの目的は何なんだ?」
カモフラージュ使いは質問を聞くと、フフッと笑った。
「目的はすでに果たした」
何だよその悪役が良いそうなセリフトップ10に入ってそうな台詞は。
「ノース軍最強の光使いを一目見たかっただけだ」
はい、しょうもない理由。まあそれだけじゃないだろうけど。
「また会うことがあるだろう。楽しみにしてるぞ」
自分が会う訳じゃないのに、変な言い方をするなコイツは。
そう言い残すと、カモフラージュ使いの身体は塵となって全て消えた。
理由は相手陣営の偵察みたいだが、何かが引っかかる。何か違和感を感じるんだが、俺の勘違いだろうか?
「一件落着と言うところですね」
スイがほっとした様子で言った。今回の件で一番プレッシャーを感じてたんだから、ほっとするのも無理はないな。
「というより、さっき大抵の質問は答えたって言ってたよな?どんな質問したんだ?」
「そうね。瀕死の理由とか?ちなみに答えは、もう逃げられないと思ったから、だそうよ」
それが一番気になってた質問だな。他のは大したことないだろう。
「それより何か変なとこ無かったか?」
「変なとこ?うーん、そうね」
考えろカンナ!お前なら出来る!
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「そう言えば、時々言ってることと表情が合ってなかった感じがしたわ」
それだ。俺の感じてた違和感はそれだったのか。何か裏事情でもあったのだろうか?まあ、自分が死ぬのは誰でも嫌だろうしな。
「そうか、今のところは一件落着って感じだな。スイ、カンナ、ありがとう」
「私は何もしてないわよ、バカ」
「僕もなにも」
余計な一言だなカンナは。こうして、俺のヨードに来ての初任務は終わった。
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