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1”桃色の吹雪
しおりを挟む桜が枝から離れ、この大空を埋め尽くす。何度も通ったこの坂道でも新鮮さを感じる。幻想的な空間は今俺の置かれている状況すら、忘れてしまう。萎れ茶色になった桜が道に溢れ溢れ落ちて現実に引き戻される。
これだけ綺麗な桜も数日経てば、細い細い木になる。知識のある人間の助言が無ければ桜だったと言う事が分からない程に、他の木と見分けが付かなくなる。
春になれば、急に本気を出して「私は桜だ」と主張してくる。俺はそんな桜があまり好きじゃない。思い出してしまうから。
「桜にも花言葉があるんだよ?。桜には『始まり』そんな意味が込められているんだ。」
花が好きな1人の女の子が教えてくれた。『始まり』がそもそも嫌いだった。この人生、良いスタートダッシュなんて切った事が無かった。そして、始まりがあれば終わりもやってくる事を
何故、桜の花言葉を俺に教えたのか。甚だ疑問だ。俺は花が好きでも無ければ嫌いでもない。その辺に咲くのであれば勝手にしろ。その程度だ。ずっとそんな気持ちのまま大人になっていく筈だった。
でも、アイツが壊した。ひっくり返しやがった。
全く。
悪役のままでいさせてくれよ。
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