黄金と新星〜一般人系ギルドマスターのなるべく働きたくない日々〜

暮々多小鳥

文字の大きさ
18 / 64
第一章『大規模盗賊団討伐作戦』

十三話「遺物の性能」

しおりを挟む


 ギルドの運営費は主に依頼の仲介料から徴収されている。
 ギルドは冒険者協会のように一般人からの依頼を受けるほか、今回の討伐作戦のように協会側から依頼を受けたり、引き受ける冒険者を指名した個別の依頼も受けたりすることがある。それらの報酬からギルドの仲介料が引かれ、それが運営費としてギルドハウスの管理費やシーファ達事務員さんのお給金に使われる。

 そしてギルドマスターをはじめとした幹部の冒険者達にも、運営費の一部が給料、というよりギルド管理に対する報奨金のようなかたちで支払われる。当然ギルドマスターともなればかなりの報奨金が支払われる……のだが、こんなに何もしていないのにお金をもらうのは心が痛むため金額はシーファと同じくらいまで下げてもらっている。
 ……いや、やっぱりこんなに仕事量に差があるのに同じ金額貰ってるっておかしいよね?もうちょっと金額下げてもらおう……

 またそれに加えて、うちのパーティは依頼達成や素材売却による報酬はパーティの活動費を抜いて均等に七等分だ。これに関してもついて行ってすらいない依頼の報酬を私も受け取るのはおかしい、と良心に基づいて指摘したものの、全員金銭的に寛大なのか私に甘いだけなのか結局等分で支払われている。

 つまり、こんなに何もせず過ごしているのにどこからお金湧いてんの?と言われればギルドマスターの報奨金とパーティ活動の報酬なのだ。
 働いてないのにお金が入ってくるって最高だと思うじゃん?意外と、自分でもないと思っていた良心が痛んでつらいものがあるのよ……

 とはいえ、私のお金の使い道は意外と少ない。

 スイーツにはお金を惜しみなく使うが、それ以外は雑誌などの娯楽に少々、服やアクセサリーなどに少々、家賃などの支払いに定額……それくらいだ。
 私が自衛のために大量に身に着け、所持している遺物は「遺物」というだけでかなり値が張るものばかりだが、「装備」という位置付けでお金はパーティの活動費から支払われるため、私の貯金はノーダメージだ。そこかしこにある魔道具も全てキースの手作りであるため無料。

 つまり金銭的に優遇されまくっているのだ。金銭感覚おかしくなりそう。

「とりあえず使えそうな隠密系の遺物かき集めてみたけど……この中から必要そうなの持ってって」

「ありがとう、クリアちゃん」

 ……こんなに遺物を持っているが、別に盗んだり借金したりはしていないから安心してほしい。

 保管庫から持ってきた遺物は十個前後。あとエプロンワンピのポケットから数個。隠密系といっても「魔力を隠すもの」「姿を隠すもの」「気配を隠すもの」など、その形から性能まで様々である。
 隠密系は私がよく使う遺物だ。狙われれば、攻撃されればもう一瞬で死んでしまうため、いかに隠れるかが重要なのだ。ということでそこそこの数、かなりの種類が揃っている。

「魔力を、隠せるものがいいかな……四、五個は、借りたいんだけど……」

「それなら『隠密ローブ』と……『世界の片隅ごっこ帽』とか……あ、『死んだふリング』とかどう?」

「『死んだふリング』は、動けなくなっちゃうから、使えない、かな……」

 遺物は一目見ただけではどんな能力を持ち、どんな特徴を持つ遺物なのか分からないことが多い。ある程度の系統があるとはいえ、詳細は発動してみないと分からない。それを調べるのは「遺物ハンター」達の仕事だが、キースが開発した魔道具でも簡単な性能調査ができる。
 キースは魔道技師として、遺物にもかなり精通している。私が持っている遺物の性能は全てキースが調査済みで、彼の研究に活かされているのだ。

「じゃあ、この五個、借りるね……ありがとう」

「いやまあ、元はと言えばパーティの活動費で買ったものだからパーティみんなのものだよ」

 むしろ積極的に使っていただきたい。

「そういえばさ、盗賊達がどうやってこっちの動きに気付いたのかは分かったんだけど、奴らはどうやって逃げてるの?」

「それは、たぶん……これみたいな、遺物だと思う」

 キースが机に広げられた遺物を指さす。ああ、確かに。魔道具や探索魔法による追跡を逃れるために、遺物を使って隠れる。向こうも全く同じことをしてるのか。

「それなりの人数、隠れて逃げてるから……範囲型の、かな……」

「範囲型隠密系の遺物かぁ。私もあんまり持ってないし、珍しいけど」

 この中だと『絶対見つからない領域ドーム』とかがそうか。……遺物の名称がひどいと思ったそこの君。私のネーミングセンスがひどいとかじゃないからね。

 遺物の名前は《遺物ハンター組合》というギルドの元で遺物を登録する時に付けられる。遺跡から見つかった遺物は見つけたのが冒険者であれ他の誰かであれ《遺物ハンター組合》への登録が必須である。
 よく見つかる『魔力弾銃』などのように、ほぼ同じ性能の遺物が登録されている場合はそれと同じ名前になるのだが、それ以外の場合は《遺物ハンター組合》で鑑定を担当した遺物ハンターが勝手に名前を付けて登録する。

 つまり、このひどい名前は!遺物ハンターのネーミングセンスが死んでいるということに他ならない!私のせいじゃない!
 かなりの確率で「これ絶対ふざけて付けただろ」みたいな名前の遺物もある。『死んだふリング』とか。

 それはともかく、隠密系でしかも複数人に効果のある範囲型となるとかなり珍しい上に出回る場合は相当の値がつくのだ。

「……ボスを捕らえてみなければ分かりませんが何かしらの入手ルートがあるのかもしれませんね」

「ほんと、めんどくさい盗賊団だなぁ……」

「逃げられたら、次こそ、終わりだから……必ず、成功させるよ」

 キースも曲がりなりにも星六冒険者。冒険者の中ではトップクラスの実力だ。彼が「必ず」と言うのなら、これほど心強いことはない。もちろん心配がないとは言い切れないが……きっと彼なら大丈夫だろう。

「がんばってね。私も応援してるから」

「……マスターも参加してくだされば話はもっと簡単なのですがね」

「……そんなことないよ………」

「クリアは行かないのか?じゃあ俺と決闘しよう!」

「いやしないよ?」



 +++



 シュゼットはこれまで、上手く盗賊団を指揮して生き延びてきた。
 配下にした小規模な盗賊団をトカゲの尻尾に逃げ、小さな商会を隠れ蓑にして物資を手に入れる。拠点を転々とし、魔道具を使って常に周囲を警戒しながら見つかりそうになればすぐに遺物を活用して逃げ、立ちはだかる敵は殺してきた。

 シュゼットは運が良かった。大きな後ろ盾を得ることができ、魔道具や遺物までも手に入れることができたからだ。
 シュゼットは頭が良かった。素早く周囲の状況を見極め、適切なタイミングで拠点を移動し子分の盗賊団達を上手く使いながら生き延びるということをやってのけているからだ。
 シュゼットは強かった。たとえ冒険者や騎士団共の手がシュゼットに届いたとしても、シュゼットを捕らえることはできなかったからだ。彼の実力はゆうに星五冒険者を超える。

 各地を移動するなか、帝都にたどり着いた。

 帝都付近は「盗賊狩りのギルド」が近づく盗賊を狩りまくっているとして盗賊の間では嫌厭されている。近くで活動しようものならたちまち見つかり討伐されると。
 だがシュゼットには自信があった。自分であればそんな悪名高い「盗賊狩りのギルド」にやられることなどないだろうと。

 ひとまず自分達は帝都付近の廃集落に潜伏しつつ、子分の盗賊団に目立たぬよう少しずつ活動させた。
 するとものの数日で奴らに見つかり、一人も逃さず捕まってしまった。シュゼットも流石にここまでとは思っておらず、油断していた。子分から自分達の存在は聞き出されるだろう。彼は拠点の移動を決め、部下一人にその拠点を任せると子分の盗賊団を置いて他の拠点へと移動した。すでに協会の見張りがついていたため、『かくれんぼロープ』という遺物を使って数十人ずつ、三回の往復を経ての移動だった。

 部下がその移動先にのうのうとやってきたのはその翌日だ。
 愚かな部下は囮のために半殺しにして置いていき、すぐさまその場を移動した。部下の足取りを追ってその場所は割れている可能性が高かった。

「流石に子分が減りすぎたな。帝都からは手を引くべきか……」

 正直シュゼットも逃げ回るのは嫌いだ。だが盗賊として長く生き延びるためには引き際を見極めることが重要である。
 ここまで追いかけられて何もしてやれずに手を引くのは癪だったが、ここで油断をする訳にはいかない。こちらの人員は限られているが、冒険者やつらは腐るほどいるのだから。

「出発の準備だ。帝都を離れる。出発は三日後、この拠点はそうバレないだろうが、行動は早いに越したことはない」

 いくら奴らの鼻が利いても、この場所は分かるまい。
 ほとぼりが冷めるまでこの拠点に潜伏していても良いが、それだと物資が持たない可能性もある。何よりどんなに良い拠点だったとしても、「仕事」がやりづらいならばさっさと他の場所へ行ったほうがいい。

「頭領、帝都内にいる連中はどうします?」

「あぁ、戻って来るように……いや、連絡を入れてから遺物持って迎えに行け」

 魔道具に不審な反応はない。だがそろそろこちらの手の内もバレてきているはずだ。シュゼットは万全を期すため遺物を最大限に使用するつもりだった。拠点への出入りの際には必ず遺物を使い、拠点の外に気配を漏らすことは決してしないようにした。

 移動の準備は整いつつある。

 あと三日、それでシュゼット達の勝利が決まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...