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第一章
2 はじめてなので優しくしてください※
しおりを挟む「あんっ」
首筋を辿る舌が耳を擽ると、思わず声が出た。
狼は一旦身を離し、俺を小脇に抱えて木の根元まで移動した。
されるがままになってしまったが、セカンドバッグじゃあるまいし、この扱いはどうかと思う。
狼は乱暴に俺を降ろし、背中を押すと、俺の胸を木に押し付けた。慌てて木の幹に両手を添えるが、押し付ける力が強すぎて身動きできない。
「やだっ、何するの?……あぁっ」
長い舌で舐め上げられ、背中を反らすとぺニスが木の幹に当たり、痛みが走った。
『俺、何で勃ってるの!?』
狼は「ウゥゥ」と唸り声を出しながら、俺の後孔に触れる。
「あぁ、そこはダメ!あぁっ!!」
虚ろな頭で、何とか拒絶の意を伝えるが、狼も正気を失っているようだ。
無情にも、根元まで一気に長い指を突き入れられるが、恐れていた痛みは感じられない。俺の後孔は滑りのある液体でヌルヌルになっていて、スルンと指を飲み込んだ。
「あうっ、なんで?なんで濡れてるの?」
差し込まれた指をグルグル回されると、更に意識が朦朧としてきた。
「やだ……怖い……俺、したことないのに……」
――唸り声を上げていた狼が、動きを止める。
「……初めての発情か?」
だから発情って何?
「うぅ、怖い……お尻の穴壊れちゃう……狼……怖いぃ……」
後孔をまさぐられる事も、何故かソコが濡れていることも、相手が狼だという事も、全てが恐ろしくて、いい年したおっさんなのに泣いて懇願した。
「あ~、くそっ!こんなに匂いを出してるくせに!」
そう言うと狼は徐々に顔の形を変え、人間の顔になった。正確にはケモ耳付きだ。
「うぅぅ、イケメン……」
ケモ耳男はイケメンだった。
死ぬ前だったら、モデルにスカウトしたいくらい……
長い黒髪に薄いブルーの瞳で、しっかりした鼻筋とワイルドな少し大きめの口が、絶妙なバランスで男臭い色気を醸し出している。
「『いけめん』が何か分からんが、最後までこの姿は持たんぞ……」
どういうことだろう?
俺が「狼怖い」って言ったから、気にしたのかな?
「狼」改め「イケメン」は、後孔の指を二本に増やしバラバラと動かし始めた。俺の尻からクチクチと卑猥な音が聞こえてきて、未開発の後孔が柔軟に拡張を許していることを実感させられた。内側から陰嚢の裏側を抉られると、すさまじい快感が体を突き抜けた。
「あぁん……ひろげちゃやだ!はっ、あぁっ、なんで……きもちぃ……の?」
触れられてもいないペニスから、大量の先走りが溢れ、糸を引く……
木の幹にぺニスが当たらないよう体を遠ざけると、尻をつき出すような体勢になった。これでは「どうぞ」と言っているようなものだと思い、身を起こそうとしたが、その前にイケメンの滾ったペニスが、無防備な後孔に押し当てられる……
「――ひっ……あぁぁぁ!!」
緩められた後孔はヌチヌチ音をさせながら簡単に侵入を許してしまった。
「チッ、なんだこの穴……持っていかれそうだ……」
あ、こいつまた舌打ちしやがった!
俺の初めて奪っておいて!
イケメンはムードもへったくれも無く、ただひたすらに腰を動かした。
「あぁ……あつい……!」
体の中に灼熱の杭を打ち込まれているようだ。信じられないことに、先程から何度も軽くイっている。
「ふっ……うぅん」
腹の熱が気持ちいい……
全身が痺れ、脚がガクガク震え出す。既に、頭の中は真っ白になり「気持ちいい」以外のすべての思考が停止していた。
「はっ……あぁん……」
俺のペニスから、トロトロと白濁が流れ出す。こんなイキ方したことない……気持ちいい……気持ちいい……
「くっ、すまない……この姿を保つのは無理だ……」
振り返るとイケメンが、また狼に姿を変えていく……それどころか上半身や腕まで、黒い被毛に覆われて行くではないか?
「ひいっ!」
――――怖い!初めてなのに相手が獣なんて酷すぎる……三十六年守った男の操なのに……
「グルル……ウゥゥゥ……」
パンパンと腰を打ち付ける音の間隔が狭まり、狼の限界が近いことを感じ取ると、先程までの快感によるものとは違う、恐怖による震えが身体中を襲った。
怖い……怖い……恐ろしい……
恐怖心が最高潮に達した俺は、殺されかけの小動物みたいにショロショロと尿を漏らした。だが、狼はそんな事は意にも介さず更に律動を速めた。
「やあっ、はぁ……うぅ!」
強い突き上げと同時に、腹の中に熱い液体が放出されるのが分かった。長い長い放出に、受け止め切れない精液が大量に太股を伝う……その感触が、今自分に起きた現実を思い起こさせた。
『俺……好きでもない奴に犯されてる……』
――俺は人気モデルとして、常に回りからチヤホヤされていた。プライベートでも、一人息子は優しくて、可愛くて、とてもいい子に育ってくれた。
――いい人生だったと思う……
なのに今の俺ときたら、みっともなく放尿しながら、体の中に獣の精をぶちまけられている……
輝かしい過去と、屈辱的な現在のギャップに、悔しくて、悔しくて、涙がこぼれた……
しかし、狼はそんな俺に追い討ちを掛けるように、ガブリとうなじに噛みつき「ウゥゥ」と唸り声をあげた。
首に掛かる圧力に、命の危険を感じる。
――何これ? やっぱりまた死ぬの?
本日二度目のフェードアウトは、一度目よりも最悪な気分だった……
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