悪い人のための収益不動産投資マニュアル

Ｓｔｅｐ2 オーバーローンの組み方

はじめての不動産取引終了と創出されたお金の話

準備は全て整いました。
後は事務作業が残るのみです。

1億1500万円の売買契約書と1500万円の手付金の領収書を金融機関に持っていくと、金融機関が原本を確認してからコピーを取ります。
この時、金融機関から手付金の振込伝票なんかも欲しいと言われるでしょうが、「現金で支払った」で通して下さい。
もちろん、通常は現金でそんな大金を支払ったりはしません。現金を持ち歩くのは危ないですし、また金額が違うだの実は受け取っていないだののトラブルも起こり得ますからね。

でも貴方が創作したストーリーでは、貴方は相続税も贈与税も払わずにこっそり遺贈された現金を持っています。
万が一税務署なんかに目を付けられた場合、追及されにくくするため、現金で支払いを行うのはむしろ自然です。
きっと納得してもらえます。

金融機関へ事前に提出しなくてはならない書類は多分これで終わりのはずです。
後は、取引日が決まり次第、金銭消費貸借契約証書を始めとした融資書類を書かされるはずです。

また、物件の所有権移転や担保設定の登記手続きなんかもしなくてはなりません。
登記手続きを行う司法書士は金融機関が指定します。適当に連絡を取り合って必要な書類を揃えて下さい。

基本にどの書類も言われた通りに書いていれば良いので、難しいことは考えなくても構いません。

後は取引当日です。
物件購入資金として、1億1500万円の融資を受けましょう。
その内、1億円を売主へ振り込みます。1500万円は既に手付金として支払ったことにしてあるので、口座にはその1500万円が残ります。
その中から、登録免許税やら仲介手数料やらが差し引かれます。後は不動産取得税という税金なんかもあるのですが、その税金の支払いは3カ月から半年後に行うので、今はとりあえず気にしないでいいです。
仮に500万円が諸費用ということにしておきましょう。
そうすると、残り1000万円が口座に残りました。

さて、このお金は経理上、何になるのでしょうか？
詳しくは次の項で説明するので結論だけ言うと、これは貴方が会社へ貸し付けたお金ということになります。
（忘れているかもしれませんが、物件を買ったのもお金を借りたのも貴方が作った会社であって、貴方自身ではありませんよ）

つまり、会社から貴方へお金を返済するという体裁を整えれば、まるまる貴方のポケットに入れても構わないお金になります。

何だか頭にハテナマークが浮かんでいるようですね。いいんです。
訳がわからないでしょうが、後でちゃんと説明します。
今はただ、『オーバーローンで創出したお金は自分の物にしていいんだ』という事実だけ噛み締めておいて下さい。

ただし、贅沢をするのはもう少し先です。
1000万円単位の小銭はすぐに消えてしまいます。
今はオーバーローンを組んでじゃんじゃん物件を買っていくことに集中して下さい。
本物の『収益不動産投資』ならば、収入から支出を引いて出る余剰金が多くなるようにしなくてはなりませんが、そんなもん知ったこっちゃありません。
そもそも実態よりも物件収支が良好に見えるよう資料を改ざんしているのですから、収支なんて悪くて当たり前だと考えましょう。

とにかく、私を信じて前に突っ走るのです。