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サミュエル 7歳 ローラ 12歳
邪魔者
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王宮内を歩いていたら、会いたくない人物に会った。兄上の婚約者に選ばれたエミリー嬢だ。元々、僕の婚約者として用意してもらっていたみたいなんだけど、僕正直苦手。
何かねー、絡んでくるの。僕にじゃなくて、ローラに。兄上に選ばれたからって、今はまだ立場が上ってことじゃないのに、ローラに偉そうなんだ。
彼女なんて、ローラの足元にも及ばないし、自分の価値って、自分と、愛する誰かにわかって貰えたら良いことでしょ?
誰かと比べてしか、価値を見出せないなんて、かわいそうな人だよね。
ローラは、その点いつも上手に彼女を躱していて凄いなぁ、って思う。
「私達がラブラブで羨ましいのでしょう。」
そう言って笑うローラは世界一、可愛い。
あと、エミリー嬢って、僕達の二人で過ごす時間を、邪魔するんだよね。兄上のところに行けば良いのに。
何故か必ず、ローラに会いにきてから、なんだ。あれ?もしかして、エミリー嬢の目当ては、ローラなのかも?
この前だって、僕が剣術の訓練中に、二人で何か話していたみたいだし。
「最近エミリー嬢と仲が良いね?」
「あら、そうですか?王太子殿下のことをあまりご存知ないからと仰っていたので、少し話しただけですわ。とは言え、私も彼女より知っていることなんて多くはないのですが。」
「ねぇ、ローラ。僕は婚約者だよ?」
「ええ、勿論。知っておりますわ。」
「じゃあ、エミリー嬢じゃなくて、僕も……僕もお話したい!」
「……(吐血)」
「……ローラ?大丈夫?」
「え、ええ、ええ、大丈夫ですわ。あまりにも可愛くて……ああ、すみません。大丈夫ですわ、ふふ。うふふ。」
ローラはひとしきり笑ったあと、手を繋いでくれて、一緒にお庭を見て回ったんだよ。
幸せな時間はあっという間にすぎてしまって、またエミリー嬢の声が聞こえてくる。
「ローラ、こっち来て。」
戸惑うローラを連れて、庭の奥へ入っていく。普段なら僕が絶対に入らないところへ。この辺りは僕の身長より、背丈の大きな草花があるんだ。勿論、ローラは全然大きいんだけど、僕の思惑を汲んでくれて、しゃがんでくれた。少しかわいそうかもしれないけれど、そう何度も邪魔されてたまるものか。
僕らは笑ってしまわないようにそこに、ひっそりと隠れていた。
ローラも、クスクス笑ってしまわないように、手を口に当てている。普段から割と密着しているけれど、普段とは少し景色が違ってドキドキした。
近くによると良い匂いがするのは、お花の香りなのか、ローラの香りかわからない。
「いつも隠れるのは、かわいそうだけれど、たまにはいいですね。」
エミリー嬢は結構粘って探していたけれど、諦めたみたいだ。遠くから見えた後姿に、心の中で、謝っておいた。
ごめんね、ローラは僕のだからね。
まあ、でも、少し罪悪感を感じた僕は、次は仲良くしてあげようかな、と思った。
何かねー、絡んでくるの。僕にじゃなくて、ローラに。兄上に選ばれたからって、今はまだ立場が上ってことじゃないのに、ローラに偉そうなんだ。
彼女なんて、ローラの足元にも及ばないし、自分の価値って、自分と、愛する誰かにわかって貰えたら良いことでしょ?
誰かと比べてしか、価値を見出せないなんて、かわいそうな人だよね。
ローラは、その点いつも上手に彼女を躱していて凄いなぁ、って思う。
「私達がラブラブで羨ましいのでしょう。」
そう言って笑うローラは世界一、可愛い。
あと、エミリー嬢って、僕達の二人で過ごす時間を、邪魔するんだよね。兄上のところに行けば良いのに。
何故か必ず、ローラに会いにきてから、なんだ。あれ?もしかして、エミリー嬢の目当ては、ローラなのかも?
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「最近エミリー嬢と仲が良いね?」
「あら、そうですか?王太子殿下のことをあまりご存知ないからと仰っていたので、少し話しただけですわ。とは言え、私も彼女より知っていることなんて多くはないのですが。」
「ねぇ、ローラ。僕は婚約者だよ?」
「ええ、勿論。知っておりますわ。」
「じゃあ、エミリー嬢じゃなくて、僕も……僕もお話したい!」
「……(吐血)」
「……ローラ?大丈夫?」
「え、ええ、ええ、大丈夫ですわ。あまりにも可愛くて……ああ、すみません。大丈夫ですわ、ふふ。うふふ。」
ローラはひとしきり笑ったあと、手を繋いでくれて、一緒にお庭を見て回ったんだよ。
幸せな時間はあっという間にすぎてしまって、またエミリー嬢の声が聞こえてくる。
「ローラ、こっち来て。」
戸惑うローラを連れて、庭の奥へ入っていく。普段なら僕が絶対に入らないところへ。この辺りは僕の身長より、背丈の大きな草花があるんだ。勿論、ローラは全然大きいんだけど、僕の思惑を汲んでくれて、しゃがんでくれた。少しかわいそうかもしれないけれど、そう何度も邪魔されてたまるものか。
僕らは笑ってしまわないようにそこに、ひっそりと隠れていた。
ローラも、クスクス笑ってしまわないように、手を口に当てている。普段から割と密着しているけれど、普段とは少し景色が違ってドキドキした。
近くによると良い匂いがするのは、お花の香りなのか、ローラの香りかわからない。
「いつも隠れるのは、かわいそうだけれど、たまにはいいですね。」
エミリー嬢は結構粘って探していたけれど、諦めたみたいだ。遠くから見えた後姿に、心の中で、謝っておいた。
ごめんね、ローラは僕のだからね。
まあ、でも、少し罪悪感を感じた僕は、次は仲良くしてあげようかな、と思った。
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