婚約者がすぐにママになろうとしてくる

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サミュエル 13歳 ローラ 18歳

成長痛?

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ローラの友人達が続々と結婚していって、ローラは楽しそうだ。

「人の結婚式を見ると、自分だったらどうするか、とか考えちゃいますね。」

そう言われると、自分もその気になってしまう。ローラのお嫁さんは可愛いだろうなぁ。

同時に、ローラは少し寂しそうにも見える。今まで、気ままに会っていた相手とあまり会えなくなるのだから。

「仕方がないことではありますが、やはり少し寂しいですね。」

「じゃあ、これからは私が一緒にいるよ。なら寂しくはないだろう?」

ローラは嬉しそうに笑うが、私が友人の代わりになるとは、お互いに思っていない。悔しいが、彼女達には話せることも私には話せないこともあるだろうし。逆は……あまりないように思うけれど。

「でも、サミュエル様は、そろそろお勉強の時間では?」

時計の針は無情にも、二人の時間の終わりを告げていた。

「残念。では行ってくるよ。」
ローラの手を離して、名残惜しく去ると、途中で、ローラのいる方へ向かうご令嬢を見つける。まさかな、と思いつつも、暫し眺めていると、ローラがこちらに気づいて、手を振った。手を振りかえし、目の端で捉えた映像は、さっきの令嬢が、ローラに話しかけようとするものだった。

ローラは知り合いだったのか、大層驚いていたが、まあ、特に気にする必要はなさそうだ。私はもうとっくに過ぎてしまった予定時刻に、苦笑しながら足早に教師の元へ向かう。

ローラの側にはあえて置いていった自分の従者も控えているので、何かあれば彼が何とかするだろう。私はどこかの男のように、愛する人に男性が近づいてほしくないからと、周りを女性で固めたりしない。彼女が望むならばいざ知らず。

なぜかと言うと、単純な話。彼女を任せてもいい、と思える女性が周りにいないから。私の周りにいるのは、頼りになる男達と、彼女にあることないこと吹き込もうと画策するいやらしい女達しかいない。優秀な女性達なら既にローラの周りに揃っていて、それは彼女自身の魅力に惹かれて集まってくるので、態々争いの種を撒き散らすこともない。

後から聞いた話では、もうすぐ愛しの人と結婚するらしい女性が、ローラに惚気ると同時にマウントを取ろうとしたらしい。

ローラはそれに対して、私との結婚を思い描き、目を閉じて幸せそうな顔をしていたらしいので、安堵する。どれだけしたくてもあと五年は結婚できないのは、仕方ない。

本人が気にしていないなら良いが、二十三歳というのは、行き遅れと言われる年齢でもある。

婚約者と言う立場に胡座をかかずに、彼女に、待っていてよかったと思ってほしいから、今からが本当に私が頑張らねば。

まずは身長が伸びて欲しいけれど……こればかりはね……
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