15 / 18
悪霊と神様
カリーナは新しく得た体をもらえた事に大満足だった。殺されて向かった先で神様に言われたのはあたらしい世界で今度はヒロインではない普通の女の子としての転生だった。今世の記憶も消して心機一転、と言われカリーナは絶望した。
カリーナは前世の記憶がある。カリーナになる前の香里奈としての記憶が。香里奈は地味な女で男からは全く見向きもされない女だった。ようやくカリーナとして、舞台に立てヒロインとしての人生を歩み出した矢先、モブ女に殺されたのだ。
神様は、カリーナに「君の役目は終わったよ。役回りとは言え、可哀想なことだった。来世は楽しい人生を用意したよ!」と言い、種明かしをした。
この世界は香里奈がしていた乙女ゲームの世界とは別の、ヒロインに人生を奪われた者達への救済をテーマにした世界、と神様は言った。
「前の世界で傷ついた魂が可哀想で仕方なくてね、今回君が途中退場となったのは最初から組み込まれていたことなんだ。救済する人は違ったけれど、彼はそれでも良いみたいだし。」
カリーナを殺すのは、プリシラではなく、別の男で、それが乙女ゲームの中では、バッドエンドに現れる暗殺者の男だと聞いて愕然とした。
彼はバッドエンドならカリーナと心中し、ノーマルエンドなら、カリーナを逃がしてくれる。顔自体はイケメンだが、暗殺者として生きている為、一見普通の男に擬態した、隠れ攻略者だ。彼は攻略対象ではないから、攻略することはできないが、場合によっては、逃がしてくれることから、カリーナにとっては最後の攻略対象として、考えていた。
でもまあ、暗殺者として暗殺対象を逃してその先彼がどうなるかなんて、分かり切ったことだ。彼を救済しなくてはならないほどに辛い目に遭ったのは間違い無いのだろう。カリーナはゲームの中のことだと何も考えず、ラッキーとしか思っていなかったけれど。
神様の救済では主人公は勿論カリーナではない。
「なら、あの女ね。私を殺したあの、モブ女。」
「プリシラのことかな。彼女はいや、違うね。どちらかと言えば彼女も救済対象にはなるけれど。」
「なら、誰よ。私に人生を台無しにされた人なんて、もういないでしょ。いやそうでもないさ。プリシラの元婚約者のローガンなんて、まさにその通りだろう。」
「ローガン?どうして彼が?彼は私に愛されて幸せだったわ。」
「そうかな。まあ、それならヒロインは別にいるんじゃないか。よーく、考えれば自ずと見えてくる筈だよ。」
神様はカリーナが、ローガンの元に急いで戻ろうとするのを強くは止めなかった。彼女が悪霊になった後は、新しい身体を求めてきっとこの世界の主人公の元に行くだろうし、それこそが神様の最後の仕事だったからだ。
「後は君に任せるからね。積年の恨みを晴らすと良い。」
カリーナは前世の記憶がある。カリーナになる前の香里奈としての記憶が。香里奈は地味な女で男からは全く見向きもされない女だった。ようやくカリーナとして、舞台に立てヒロインとしての人生を歩み出した矢先、モブ女に殺されたのだ。
神様は、カリーナに「君の役目は終わったよ。役回りとは言え、可哀想なことだった。来世は楽しい人生を用意したよ!」と言い、種明かしをした。
この世界は香里奈がしていた乙女ゲームの世界とは別の、ヒロインに人生を奪われた者達への救済をテーマにした世界、と神様は言った。
「前の世界で傷ついた魂が可哀想で仕方なくてね、今回君が途中退場となったのは最初から組み込まれていたことなんだ。救済する人は違ったけれど、彼はそれでも良いみたいだし。」
カリーナを殺すのは、プリシラではなく、別の男で、それが乙女ゲームの中では、バッドエンドに現れる暗殺者の男だと聞いて愕然とした。
彼はバッドエンドならカリーナと心中し、ノーマルエンドなら、カリーナを逃がしてくれる。顔自体はイケメンだが、暗殺者として生きている為、一見普通の男に擬態した、隠れ攻略者だ。彼は攻略対象ではないから、攻略することはできないが、場合によっては、逃がしてくれることから、カリーナにとっては最後の攻略対象として、考えていた。
でもまあ、暗殺者として暗殺対象を逃してその先彼がどうなるかなんて、分かり切ったことだ。彼を救済しなくてはならないほどに辛い目に遭ったのは間違い無いのだろう。カリーナはゲームの中のことだと何も考えず、ラッキーとしか思っていなかったけれど。
神様の救済では主人公は勿論カリーナではない。
「なら、あの女ね。私を殺したあの、モブ女。」
「プリシラのことかな。彼女はいや、違うね。どちらかと言えば彼女も救済対象にはなるけれど。」
「なら、誰よ。私に人生を台無しにされた人なんて、もういないでしょ。いやそうでもないさ。プリシラの元婚約者のローガンなんて、まさにその通りだろう。」
「ローガン?どうして彼が?彼は私に愛されて幸せだったわ。」
「そうかな。まあ、それならヒロインは別にいるんじゃないか。よーく、考えれば自ずと見えてくる筈だよ。」
神様はカリーナが、ローガンの元に急いで戻ろうとするのを強くは止めなかった。彼女が悪霊になった後は、新しい身体を求めてきっとこの世界の主人公の元に行くだろうし、それこそが神様の最後の仕事だったからだ。
「後は君に任せるからね。積年の恨みを晴らすと良い。」
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
必要とされなくても、私はここにいます
あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。
口出ししない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
ただ静かに、そこにいるだけ。
そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。
張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。
何かを勝ち取る物語ではない。
誰かを打ち負かす物語でもない。
それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。
これは、
声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、
何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
無愛想な婚約者の心の声を暴いてしまったら
雪嶺さとり
恋愛
「違うんだルーシャ!俺はルーシャのことを世界で一番愛しているんだ……っ!?」
「え?」
伯爵令嬢ルーシャの婚約者、ウィラードはいつも無愛想で無口だ。
しかしそんな彼に最近親しい令嬢がいるという。
その令嬢とウィラードは仲睦まじい様子で、ルーシャはウィラードが自分との婚約を解消したがっているのではないかと気がつく。
機会が無いので言い出せず、彼は困っているのだろう。
そこでルーシャは、友人の錬金術師ノーランに「本音を引き出せる薬」を用意してもらった。
しかし、それを使ったところ、なんだかウィラードの様子がおかしくて───────。
*他サイトでも公開しております。
出会ってはいけなかった恋
しゃーりん
恋愛
男爵令嬢ローリエは、学園の図書館で一人の男と話すようになった。
毎日、ほんの半時間。その時間をいつしか楽しみにしていた。
お互いの素性は話さず、その時だけの友人のような関係。
だが、彼の婚約者から彼の素性を聞かされ、自分と会ってはいけなかった人だと知った。
彼の先祖は罪を受けず、ローリエの男爵家は罪を受け続けているから。
幸せな結婚を選ぶことのできないローリエと決められた道を選ぶしかない男のお話です。
片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた
アリス
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。
高校生くらいから何十回も告白した。
全て「好きなの」
「ごめん、断る」
その繰り返しだった。
だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。
紛らわしいと思う。
彼に好きな人がいるわけではない。
まだそれなら諦めがつく。
彼はカイル=クレシア23歳
イケメンでモテる。
私はアリア=ナターシャ20歳
普通で人には可愛い方だと言われた。
そんなある日
私が20歳になった時だった。
両親が見合い話を持ってきた。
最後の告白をしようと思った。
ダメなら見合いをすると言った。
その見合い相手に溺愛される。
【完結】どうか私を思い出さないで
miniko
恋愛
コーデリアとアルバートは相思相愛の婚約者同士だった。
一年後には学園を卒業し、正式に婚姻を結ぶはずだったのだが……。
ある事件が原因で、二人を取り巻く状況が大きく変化してしまう。
コーデリアはアルバートの足手まといになりたくなくて、身を切る思いで別れを決意した。
「貴方に触れるのは、きっとこれが最後になるのね」
それなのに、運命は二人を再び引き寄せる。
「たとえ記憶を失ったとしても、きっと僕は、何度でも君に恋をする」