1 / 45
おめでとうございます
しおりを挟む
「ジャンヌ・スクレ公爵令嬢!」
学園の卒業式に、私の婚約者の名前が響き渡る。私達二人は顔を見合わせて微笑んでみせる。
来るんじゃないかな、と思ってたけど、本当に来た。兄上は相当にバカになってしまったようだ。
仕方ないから、私の姫をエスコートして、兄上の前に姿を表すと、私が一緒にいるのが意外だったのか、唾を飛ばして喚いている。
汚いなぁ。
「兄上、此度は、おめでとうございます。」
恭しく礼をして、見上げると、驚いた間抜け面が目に入る。みすぼらしい女性を腕にぶら下げ、まあ、悪目立ちしている。
正直、私の姫にこんな汚い恥さらしを見せるのも嫌だ。
「兄上は、真実の愛と言うものを見つけられたとのこと。今回のことは、国王陛下も喜んでおられました。」
兄は、そう言われて、嬉しそうな得意気な顔をしている。
「本当に兄上は素晴らしい。真実の愛を貫くために、王子と言う身分を捨てるなんて、私には到底できません。」
おや、みるみるうちに、顔色が悪くなってきましたね。
「本日のパーティーを持ちまして、兄上は、平民として再出発をなさいます。皆様、盛大な拍手で、門出を祝ってください。」
パチパチと拍手が送られる。
「殿下、廃嫡おめでとうございます。真実の愛を貫かれどうぞ、お幸せになってください。元婚約者として、お祈りしておりますわ。」
そこまで話すと、完璧なカーテシーをして下がろうとするジャンヌを兄上は無粋にも呼び止める。
「待て!元婚約者とはどう言う意味だ。」
「兄上、ジャンヌ公爵令嬢とは三か月前に婚約解消になっています。」
そう、お前が隣のぶら下がり女に、入れ込み始めたその時に。
「心配は御無用です。既に私ルーカスと、ジャンヌ嬢の婚約は成立しております。ジャンヌ嬢の幸せは私が頑張りますので、こちらはお気になさらず、自分の幸せを優先してください。」
そこまで言い切ると、今度こそ、礼をして会場を後にする。
ジャンヌは、私の手を握り、礼を口にした。
気にしなくて良いのに。
私がしたいからしたのだ。
私の愛したジャンヌ嬢を勝手に婚約者に据えておいて、蔑ろにしたのが悪いのだから。
王妃の息子である第一王子は、高貴な身分を振りかざす、それ以外何も持っていない男だ。王になれる器ではない。能力も低い、愚かな王になるのは分かりきっていた。
ジャンヌがいればこそ、立てた地位を、真実の愛とやらで、手放したのは、向こうだ。
「ジャンヌ、私と幸せになってくれる?」
「当然ですわ。」
幼い頃からずっと夢にみた、大好きな彼女を抱きしめながら幸せを噛み締める。
学園の卒業式に、私の婚約者の名前が響き渡る。私達二人は顔を見合わせて微笑んでみせる。
来るんじゃないかな、と思ってたけど、本当に来た。兄上は相当にバカになってしまったようだ。
仕方ないから、私の姫をエスコートして、兄上の前に姿を表すと、私が一緒にいるのが意外だったのか、唾を飛ばして喚いている。
汚いなぁ。
「兄上、此度は、おめでとうございます。」
恭しく礼をして、見上げると、驚いた間抜け面が目に入る。みすぼらしい女性を腕にぶら下げ、まあ、悪目立ちしている。
正直、私の姫にこんな汚い恥さらしを見せるのも嫌だ。
「兄上は、真実の愛と言うものを見つけられたとのこと。今回のことは、国王陛下も喜んでおられました。」
兄は、そう言われて、嬉しそうな得意気な顔をしている。
「本当に兄上は素晴らしい。真実の愛を貫くために、王子と言う身分を捨てるなんて、私には到底できません。」
おや、みるみるうちに、顔色が悪くなってきましたね。
「本日のパーティーを持ちまして、兄上は、平民として再出発をなさいます。皆様、盛大な拍手で、門出を祝ってください。」
パチパチと拍手が送られる。
「殿下、廃嫡おめでとうございます。真実の愛を貫かれどうぞ、お幸せになってください。元婚約者として、お祈りしておりますわ。」
そこまで話すと、完璧なカーテシーをして下がろうとするジャンヌを兄上は無粋にも呼び止める。
「待て!元婚約者とはどう言う意味だ。」
「兄上、ジャンヌ公爵令嬢とは三か月前に婚約解消になっています。」
そう、お前が隣のぶら下がり女に、入れ込み始めたその時に。
「心配は御無用です。既に私ルーカスと、ジャンヌ嬢の婚約は成立しております。ジャンヌ嬢の幸せは私が頑張りますので、こちらはお気になさらず、自分の幸せを優先してください。」
そこまで言い切ると、今度こそ、礼をして会場を後にする。
ジャンヌは、私の手を握り、礼を口にした。
気にしなくて良いのに。
私がしたいからしたのだ。
私の愛したジャンヌ嬢を勝手に婚約者に据えておいて、蔑ろにしたのが悪いのだから。
王妃の息子である第一王子は、高貴な身分を振りかざす、それ以外何も持っていない男だ。王になれる器ではない。能力も低い、愚かな王になるのは分かりきっていた。
ジャンヌがいればこそ、立てた地位を、真実の愛とやらで、手放したのは、向こうだ。
「ジャンヌ、私と幸せになってくれる?」
「当然ですわ。」
幼い頃からずっと夢にみた、大好きな彼女を抱きしめながら幸せを噛み締める。
39
あなたにおすすめの小説
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
何度時間を戻しても婚約破棄を言い渡す婚約者の愛を諦めて最後に時間を戻したら、何故か溺愛されました
海咲雪
恋愛
「ロイド様、今回も愛しては下さらないのですね」
「聖女」と呼ばれている私の妹リアーナ・フィオールの能力は、「モノの時間を戻せる」というもの。
姉の私ティアナ・フィオールには、何の能力もない・・・そう皆に思われている。
しかし、実際は違う。
私の能力は、「自身の記憶を保持したまま、世界の時間を戻せる」。
つまり、過去にのみタイムリープ出来るのだ。
その能力を振り絞って、最後に10年前に戻った。
今度は婚約者の愛を求めずに、自分自身の幸せを掴むために。
「ティアナ、何度も言うが私は君の妹には興味がない。私が興味があるのは、君だけだ」
「ティアナ、いつまでも愛しているよ」
「君は私の秘密など知らなくていい」
何故、急に私を愛するのですか?
【登場人物】
ティアナ・フィオール・・・フィオール公爵家の長女。リアーナの姉。「自身の記憶を保持したまま、世界の時間を戻せる」能力を持つが六回目のタイムリープで全ての力を使い切る。
ロイド・エルホルム・・・ヴィルナード国の第一王子。能力は「---------------」。
リアーナ・フィオール・・・フィオール公爵家の次女。ティアナの妹。「モノの時間を戻せる」能力を持つが力が弱く、数時間程しか戻せない。
ヴィーク・アルレイド・・・アルレイド公爵家の長男。ティアナに自身の能力を明かす。しかし、実の能力は・・・?
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
大嫌いな従兄と結婚するぐらいなら…
みみぢあん
恋愛
子供の頃、両親を亡くしたベレニスは伯父のロンヴィル侯爵に引き取られた。 隣国の宣戦布告で戦争が始まり、伯父の頼みでベレニスは病弱な従妹のかわりに、側妃候補とは名ばかりの人質として、後宮へ入ることになった。 戦争が終わりベレニスが人質生活から解放されたら、伯父は後継者の従兄ジャコブと結婚させると約束する。 だがベレニスはジャコブが大嫌いなうえ、密かに思いを寄せる騎士フェルナンがいた。
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
お母様!その方はわたくしの婚約者です
バオバブの実
恋愛
マーガレット・フリーマン侯爵夫人は齢42歳にして初めて恋をした。それはなんと一人娘ダリアの婚約者ロベルト・グリーンウッド侯爵令息
その事で平和だったフリーマン侯爵家はたいへんな騒ぎとなるが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる