17 / 45
季節外れの留学生
貴族の子女が通う学園の中、一際目立っているのは、季節外れの留学生として、隣国から来たばかりの三人だ。
第二王子殿下が手配してくれた案内役は、よく出来た人物で、慣れない生活や環境を整えるのに、協力をしてくれて、大変助かった。
王女の侍女として、潜伏していた公爵令嬢は、使用人として来たため、学園に通うこともなく、ただ王女に用意された部屋の中から出ることはなかった。
自国の学校は、既に卒業した身だし、学ぶことは一通り済んではいる。今は人の目を避けるのが賢明だ。
お茶会は予定していたより早く終わり、それから滅多なことでは、第二王子にも、彼の婚約者にも会えなくなった。身バレしたことから、仲良くなれると思っていたので、肩透かしを食らった気分だ。
仲良くなるどころか避けられているように感じる。不安と言うよりは寂しい気持ちが強い。第二王子は仕方なくとも、彼の婚約者に至っては妙な親近感があり、仲良くなれると思っていたのに。
彼女は、調べたところによると、最近婚約者に裏切られているし、こちらの身とかぶることもあるし、信頼を勝ち取ることができると信じていた。
それにしても、自分の顔を見るなり、心配そうに青い顔をして、後ずさった二人には、疑問しかない。
知らない間に何かをしてしまったのだろうか。
あの後、王女も大丈夫だとフォローしてくれたものの、亡命するまでに何もない、と安心できるかどうか、すっかり分からなくなってしまった。
第二王子のように、婚約者を大切に思って全力で守る男は貴重だ。私の周りにはいない。だから、正直に言って、とても羨ましい。
私の婚約者はそう言うタイプではなかった。そうであれ、と願った思いは実らなかった。
学園は朝から夕方まであって、毎日とても時間がある。王女も、ダミアンもクロエも、学園生活を満喫している。
隣国ではいなくなった私のことを心配してくれる人がどれだけいるだろう。私がいないと言うことさえ、気づかれないなんてこともあるかもしれない。
私を送り出してくれた父の泣きそうな顔を思い出して、自分も同じような顔をしていることだろうと思う。
父は、私が幸せに少しでも恵まれますように、ととっておきの魔法をかけてくれた。これは父の妹が、こちらの王家に輿入れした時にも、かけた幸せのおまじない、だそうだ。
まあ、ただの気休めにしかならないものだと思うが、もしこのおかげで、逃げ延びることができたら、一番に父に感謝をしたい。
第二王子殿下が手配してくれた案内役は、よく出来た人物で、慣れない生活や環境を整えるのに、協力をしてくれて、大変助かった。
王女の侍女として、潜伏していた公爵令嬢は、使用人として来たため、学園に通うこともなく、ただ王女に用意された部屋の中から出ることはなかった。
自国の学校は、既に卒業した身だし、学ぶことは一通り済んではいる。今は人の目を避けるのが賢明だ。
お茶会は予定していたより早く終わり、それから滅多なことでは、第二王子にも、彼の婚約者にも会えなくなった。身バレしたことから、仲良くなれると思っていたので、肩透かしを食らった気分だ。
仲良くなるどころか避けられているように感じる。不安と言うよりは寂しい気持ちが強い。第二王子は仕方なくとも、彼の婚約者に至っては妙な親近感があり、仲良くなれると思っていたのに。
彼女は、調べたところによると、最近婚約者に裏切られているし、こちらの身とかぶることもあるし、信頼を勝ち取ることができると信じていた。
それにしても、自分の顔を見るなり、心配そうに青い顔をして、後ずさった二人には、疑問しかない。
知らない間に何かをしてしまったのだろうか。
あの後、王女も大丈夫だとフォローしてくれたものの、亡命するまでに何もない、と安心できるかどうか、すっかり分からなくなってしまった。
第二王子のように、婚約者を大切に思って全力で守る男は貴重だ。私の周りにはいない。だから、正直に言って、とても羨ましい。
私の婚約者はそう言うタイプではなかった。そうであれ、と願った思いは実らなかった。
学園は朝から夕方まであって、毎日とても時間がある。王女も、ダミアンもクロエも、学園生活を満喫している。
隣国ではいなくなった私のことを心配してくれる人がどれだけいるだろう。私がいないと言うことさえ、気づかれないなんてこともあるかもしれない。
私を送り出してくれた父の泣きそうな顔を思い出して、自分も同じような顔をしていることだろうと思う。
父は、私が幸せに少しでも恵まれますように、ととっておきの魔法をかけてくれた。これは父の妹が、こちらの王家に輿入れした時にも、かけた幸せのおまじない、だそうだ。
まあ、ただの気休めにしかならないものだと思うが、もしこのおかげで、逃げ延びることができたら、一番に父に感謝をしたい。
あなたにおすすめの小説
【完結】白い結婚をした悪役令嬢は田舎暮らしと陰謀を満喫する
ツカノ
恋愛
「こんな形での君との婚姻は望んでなかった」と、私は初夜の夜に旦那様になる方に告げられた。
卒業パーティーで婚約者の最愛を虐げた悪役令嬢として予定通り断罪された挙げ句に、その罰としてなぜか元婚約者と目と髪の色以外はそっくりな男と『白い結婚』をさせられてしまった私は思う。
それにしても、旦那様。あなたはいったいどこの誰ですか?
陰謀と事件混みのご都合主義なふんわり設定です。
【完結】婚約破棄を3時間で撤回された足枷令嬢は、恋とお菓子を味わいます。
青波鳩子
恋愛
ヴェルーデ王国の第一王子アルフレッドと婚約していている公爵令嬢のアリシアは、お妃教育の最中にアルフレッドから婚約破棄を告げられた。
その僅か三時間後に失意のアリシアの元を訪れたアルフレッドから、婚約破棄は冗談だったと謝罪を受ける。
あの時のアルフレッドの目は冗談などではなかったと思いながら、アリシアは婚約破棄を撤回したいアルフレッドにとりあえず流されておくことにした。
一方のアルフレッドは、誰にも何にも特に興味がなく王に決められた婚約者という存在を自分の足枷と思っていた。
婚約破棄をして自由を得たと思った直後に父である王からの命を受け、婚約破棄を撤回する必要に迫られる。
婚約破棄の撤回からの公爵令嬢アリシアと第一王子アルフレッドの不器用な恋。
アリシアとアルフレッドのハッピーエンドです。
「小説家になろう」でも連載中です。
修正が入っている箇所もあります。
タグはこの先ふえる場合があります。
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
婚約破棄されて追放された私、今は隣国で充実な生活送っていますわよ? それがなにか?
鶯埜 餡
恋愛
バドス王国の侯爵令嬢アメリアは無実の罪で王太子との婚約破棄、そして国外追放された。
今ですか?
めちゃくちゃ充実してますけど、なにか?
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
なんて、か弱く嘆いてなんていられない、私は幸せになるために嫁いだのだから。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。