38 / 45
番外編 ダミアン
ダミアン
平民のダミアンと言う男は、王太子殿下と繋がりがあり、見目麗しく教養がある。仕事もでき、虫もついていない。女性の影もない。妹想いだが、妹には恋人もいて、兄の負担にならない。
変に爵位に固執し、お金があるだけの馬鹿な貴族の子息達にうんざりしている下位貴族のご令嬢が目をつけるには充分すぎる理由を持っている。
とは言え、どこから来たのか、王太子殿下とどのような繋がりを持つのかはっきりしたことは秘匿にされていてわからない。
夢みがちのお花畑のご令嬢は、どこかの国の王子なのでは?などと、噂しているようだが、現実的なご令嬢達の中では真実に近い憶測を立てる者もいて、何かと騒がれていた。
叶わなかったものの、次期王配となるはずだった男は、能力もあるし、性格だって良い。本人は恋愛に興味をなくしているが、そんな事情などお構いなしに縁談は来る。
正直、ルーカスは最初こそ、得体の知れなさから遠巻きにしていたが、彼を知るにつれ、このままただの平民にしておくには勿体ないと感じていた。
だからといって、厄介な結婚を押し付ける気はない。今度こそ幸せな人生を送ってほしい。
ルーカスは兄と違い、甘い汁を吸うために近づいてくる奴らに良い顔をしない。第二王子と言う立場上、そう言う奴らは兄にばかりまとわりついて、こちらは無視していたから当然だが。
ダミアンの素性を知らせることは禁止されている。知られると、それこそ何らかの勢力に取り込まれてしまうかもしれないからだ。
「少し怯えすぎたかな。」
「彼のこと?」
「ダミアンのことを平民だと言い張ったこと。適当な爵位を与えておいた方が落ち着いたかもしれない。」
「今お年頃のご令嬢の中では、彼の噂話で持ちきりですよ。どこぞの王子様説と、陰謀に巻き込まれた貴族の落胤説が、入り混っていて。」
「ご令嬢の想像力には舌を巻くよ。」
ジャンヌはルーカスの悩みを言い当てる。ルーカスの婚約が落ち着いたら、高位貴族の嫡男でまだ相手のいない者はいなくなり、いよいよご令嬢達が現実と向き合わなくてはならなくなる。
いくら美しいご令嬢であっても、貴族の中に結婚できる相手がいないと、平民になるしかない。例え、平民になったとしても、苦労することなく、裕福ならば、まだ我慢できる。
何より、ダミアンが現れた時の所作は、同じ平民出身のそれと比べて、明らかに洗練されている。
ルーカスに対していつも厳しい態度を取り続ける側近達も舌を巻くぐらいなのだから、筋金入りだ。
変に爵位に固執し、お金があるだけの馬鹿な貴族の子息達にうんざりしている下位貴族のご令嬢が目をつけるには充分すぎる理由を持っている。
とは言え、どこから来たのか、王太子殿下とどのような繋がりを持つのかはっきりしたことは秘匿にされていてわからない。
夢みがちのお花畑のご令嬢は、どこかの国の王子なのでは?などと、噂しているようだが、現実的なご令嬢達の中では真実に近い憶測を立てる者もいて、何かと騒がれていた。
叶わなかったものの、次期王配となるはずだった男は、能力もあるし、性格だって良い。本人は恋愛に興味をなくしているが、そんな事情などお構いなしに縁談は来る。
正直、ルーカスは最初こそ、得体の知れなさから遠巻きにしていたが、彼を知るにつれ、このままただの平民にしておくには勿体ないと感じていた。
だからといって、厄介な結婚を押し付ける気はない。今度こそ幸せな人生を送ってほしい。
ルーカスは兄と違い、甘い汁を吸うために近づいてくる奴らに良い顔をしない。第二王子と言う立場上、そう言う奴らは兄にばかりまとわりついて、こちらは無視していたから当然だが。
ダミアンの素性を知らせることは禁止されている。知られると、それこそ何らかの勢力に取り込まれてしまうかもしれないからだ。
「少し怯えすぎたかな。」
「彼のこと?」
「ダミアンのことを平民だと言い張ったこと。適当な爵位を与えておいた方が落ち着いたかもしれない。」
「今お年頃のご令嬢の中では、彼の噂話で持ちきりですよ。どこぞの王子様説と、陰謀に巻き込まれた貴族の落胤説が、入り混っていて。」
「ご令嬢の想像力には舌を巻くよ。」
ジャンヌはルーカスの悩みを言い当てる。ルーカスの婚約が落ち着いたら、高位貴族の嫡男でまだ相手のいない者はいなくなり、いよいよご令嬢達が現実と向き合わなくてはならなくなる。
いくら美しいご令嬢であっても、貴族の中に結婚できる相手がいないと、平民になるしかない。例え、平民になったとしても、苦労することなく、裕福ならば、まだ我慢できる。
何より、ダミアンが現れた時の所作は、同じ平民出身のそれと比べて、明らかに洗練されている。
ルーカスに対していつも厳しい態度を取り続ける側近達も舌を巻くぐらいなのだから、筋金入りだ。
あなたにおすすめの小説
【完結】白い結婚をした悪役令嬢は田舎暮らしと陰謀を満喫する
ツカノ
恋愛
「こんな形での君との婚姻は望んでなかった」と、私は初夜の夜に旦那様になる方に告げられた。
卒業パーティーで婚約者の最愛を虐げた悪役令嬢として予定通り断罪された挙げ句に、その罰としてなぜか元婚約者と目と髪の色以外はそっくりな男と『白い結婚』をさせられてしまった私は思う。
それにしても、旦那様。あなたはいったいどこの誰ですか?
陰謀と事件混みのご都合主義なふんわり設定です。
【完結】婚約破棄を3時間で撤回された足枷令嬢は、恋とお菓子を味わいます。
青波鳩子
恋愛
ヴェルーデ王国の第一王子アルフレッドと婚約していている公爵令嬢のアリシアは、お妃教育の最中にアルフレッドから婚約破棄を告げられた。
その僅か三時間後に失意のアリシアの元を訪れたアルフレッドから、婚約破棄は冗談だったと謝罪を受ける。
あの時のアルフレッドの目は冗談などではなかったと思いながら、アリシアは婚約破棄を撤回したいアルフレッドにとりあえず流されておくことにした。
一方のアルフレッドは、誰にも何にも特に興味がなく王に決められた婚約者という存在を自分の足枷と思っていた。
婚約破棄をして自由を得たと思った直後に父である王からの命を受け、婚約破棄を撤回する必要に迫られる。
婚約破棄の撤回からの公爵令嬢アリシアと第一王子アルフレッドの不器用な恋。
アリシアとアルフレッドのハッピーエンドです。
「小説家になろう」でも連載中です。
修正が入っている箇所もあります。
タグはこの先ふえる場合があります。
【完結】愛され令嬢は、死に戻りに気付かない
かまり
恋愛
公爵令嬢エレナは、婚約者の王子と聖女に嵌められて処刑され、死に戻るが、
それを夢だと思い込んだエレナは考えなしに2度目を始めてしまう。
しかし、なぜかループ前とは違うことが起きるため、エレナはやはり夢だったと確信していたが、
結局2度目も王子と聖女に嵌められる最後を迎えてしまった。
3度目の死に戻りでエレナは聖女に勝てるのか?
聖女と婚約しようとした王子の目に、涙が見えた気がしたのはなぜなのか?
そもそも、なぜ死に戻ることになったのか?
そして、エレナを助けたいと思っているのは誰なのか…
色んな謎に包まれながらも、王子と幸せになるために諦めない、
そんなエレナの逆転勝利物語。
婚約破棄されて追放された私、今は隣国で充実な生活送っていますわよ? それがなにか?
鶯埜 餡
恋愛
バドス王国の侯爵令嬢アメリアは無実の罪で王太子との婚約破棄、そして国外追放された。
今ですか?
めちゃくちゃ充実してますけど、なにか?
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
あの、初夜の延期はできますか?
木嶋うめ香
恋愛
「申し訳ないが、延期をお願いできないだろうか。その、いつまでとは今はいえないのだが」
私シュテフイーナ・バウワーは今日ギュスターヴ・エリンケスと結婚し、シュテフイーナ・エリンケスになった。
結婚祝の宴を終え、侍女とメイド達に準備された私は、ベッドの端に座り緊張しつつ夫のギュスターヴが来るのを待っていた。
けれど、夜も更け体が冷え切っても夫は寝室には姿を見せず、明け方朝告げ鶏が鳴く頃に漸く現れたと思ったら、私の前に跪き、彼は泣きそうな顔でそう言ったのだ。
「私と夫婦になるつもりが無いから永久に延期するということですか? それとも何か理由があり延期するだけでしょうか?」
なぜこの人私に求婚したのだろう。
困惑と悲しみを隠し尋ねる。
婚約期間は三ヶ月と短かったが、それでも頻繁に会っていたし、会えない時は手紙や花束が送られてきた。
関係は良好だと感じていたのは、私だけだったのだろうか。
なんて、か弱く嘆いてなんていられない、私は幸せになるために嫁いだのだから。
ボツネタ供養の短編です。
十話程度で終わります。