1 / 1
王子は囁き声を耳にする
しおりを挟む
「どうして、あんなに素敵なのかしら。」
聞いたことのある甘い可愛らしい声に、カイルは咄嗟に息を潜める。ちょうど、彼女との間には植木があって、彼の姿までは見えていないはずだ。
彼女の嬉しそうな声は久しぶりに聞いた。カイル達が幼い頃は、いつものように嬉しいことや、楽しいことがある度に、この可愛い声を聞けていたのに、成長するにつれて、だんだん、彼女が可愛い声を聞かせてくれることは少なくなっていった。話をしていても、すぐに会話は終わってしまい、沈黙してしまう。
一緒にいるのは嬉しいのに、息が詰まる。
(誰のことを言っている?)
自分が焦っているのがわかる。ドキドキと動悸が治らない。
幼い頃から、私の婚約者であり、公爵令嬢である、リリアナ。
多分、お茶をしているのだけど、他に誰の声も聞こえないから一人なのだろう。と言うことは、独り言を無断で聞いているのだ、と理解した。
悪趣味だろうが、続きが気になって仕方がない。だから、今回だけにするから、ゆるしてくれ、と心の中で謝って、彼女の独り言を聞くことにした。
「今日は朝からお姿を見ることができたの。ラッキーだったわ。」
誰かに話してる風なのは、誰かに聞かれたところで、会話中だと思われるように、との配慮か?
誰に向けての配慮なのだろう。
「今日のカイル様は、後ろの髪が跳ねていて可愛らしかったわ。寝癖かしら。ふふ。」
咄嗟に頭の後ろを触る。あ、ほんと寝癖がついてる。カイルは自分の顔が赤くなるのがわかった。
たしかに今日は急いでいて、身嗜みをきちんと整えようとしてくれる侍女の手を振り払うように来てしまった。
ちゃんと、やって貰えばよかった。
リリアナが可愛らしい声で話している相手が自分のことで、ほっとした。
最近、嫌われているのかと思っていたからだ。理由は、カイルにある。最近知り合いになった貴族令嬢に時間を取られているからだ。私がリリアナの元へ行こうとすると、一緒に来ようとする。二人の時間を邪魔されたくなくて、断るのだが、話を聞かない。
彼女は元々平民で最近男爵家に引き取られた。リリアナも私も、出会うはずもない令嬢なのだが、何故か懐かれてしまって、よく纏わりついてくる。割としょっちゅう無礼なことをしてくるのだが、何を言ってもきかないので、面倒で放置をしていると、それこそ王子に認められたと勘違いしているようで、始末に悪い。
なんとなくでしかないのだが、リリアナに彼女を会わせたくない。
彼女を振り切れるのは、学園が終わった後になってしまって、来てみたら、これだ。
こんな可愛いリリアナを見られるなんて聞いてなかった。
今日は会わずに帰ることにしようかな。
リリアナを前にすると、正気でいられるか自信がない。
ふと、視線を感じて見上げると、公爵家のリリアナがいる場所の真上から、人がこちらに向かって何か合図を送っていた。
リリアナの兄が窓からカイルに向かって、静かにするように、ジェスチャーをしている。
カイルは元から騒ぐ気などない。今自分は婚約者の話を盗み聞きしているところだ。バレたら、どうなるか。
リリアナの兄は、悪戯好きでカイルとは友人だ。件の貴族令嬢のことを内緒で調べてくれたり、とカイルのために動いてくれる将来的に側近として働いてくれる仲間の一人だ。そんな彼が窓から外を指差している。
気になってみると、そこにも誰かいる。庭師かと思ったら、どうやら護衛のようだ。生温かい目で、カイルに会釈する。
あ、どうも。
何故か道を歩いている人、皆から生温かい空気を感じる。
恐る恐る見上げると、ニンマリと笑った友の顔が。
あ、もしかして、この独り言って皆に聞かれてるの?
リリアナの兄、クラウスは話す。
「妹は、とても口下手で、いつも話す練習を家でしているのです。」と。
やはり先程の独り言には、話し相手がいたのだ。その話し相手に、カイルは会ったことがあるらしい。思い当たる人はいない。侍女ぐらいしか。
クラウスは、悩んでいるカイルを嬉しそうに見て、堪えられないとばかりに、笑う。絶対に、わからない、と念押しされて、少しムッとするが、正解をきいて納得した。
リリアナの話し相手は、精霊達と、子供の頃からお気に入りのテディベアだ。カイルは精霊達を見たことはなかったが、テディベアは見たことがある。触らせて貰ったこともある。毛並みがふわふわして、触り心地のよい小さなぬいぐるみだ。確か、亡くなったお祖母様から貰ったものだったような。
思い返してみても、リリアナが口下手だったり、上手く話せなかったりした記憶はない。いつも完璧に受け答えしていたように思うのだが、こんな日々の練習をしていたのだと思うと、微笑ましいと思うと同時に、どうして私がそれを今まで知らずにいれたのかと反省してしまった。私は婚約者を可愛い、と愛でることばかりで、彼女自身を知ろうとしなかった。リリアナ自身が私に隠そうとしていたにしても、だ。
カイルは、自分は大いに反省しなくてはならないと思った。クラウスは、心の中を読んだように、カイルに笑いかけた。
「これに懲りずにまた来たら良いよ。今度は屋敷の外から聞いたら、面白いものが見られるよ。」
カイルはどう言う意味かはわからなかったが、言われた通りに、した。
翌日、カイルは公爵家の外の道を歩いてみた。道からは、植木の隙間から、楽しそうに話すリリアナがよく見えた。
相手は見えないが、小さなテディベアでは致し方ない。可愛いなあ、と眺めていると、ふと自分以外にも、リリアナを見ている人物がいることに気がついた。
道を歩く婦人や、どこかの屋敷の使用人達が、微笑ましい顔をして、足早に通り過ぎていく。
これだけたくさんの人にリリアナは、独り言を聞かせているのだ。それが、自分の話だと今更気がついて、恥ずかしくて顔から火が出そうになる。同時に、リリアナを守れるのは自分だけだと気づく。
おかしな令嬢からも、リリアナを守らなければ。カイルは気を引き締めた。
翌日から、リリアナ自身に、近づくようにした。例の男爵令嬢は、彼女のクラスの者に任せて、カイルは、リリアナの元に向かう。リリアナは、最初いつも通りにしていたが、一緒にお昼を食べようと誘ったら、困惑していた。リリアナが独り言で言っていたように、密着して、手を握ってお願いしたら、頷いてくれた。ズルイ手を使ったがやむを得ない。
移動の際は、必ず手を繋ぐようにした。これも、独り言を盗み聞きした成果だ。リリアナは未だ公爵令嬢の顔を保っていたが、容量はもうなかったようで、心の声が漏れ出ていた。
あたふたしたリリアナも可愛い。
「どうして、カイル様が…手を…手が大きい…素敵…あったかい…どうしたら?」
「リリアナ?大丈夫?」
リリアナは私の笑顔に弱いはず。リリアナの手を握って、笑顔を見せると、リリアナが真っ赤に変化した。
「あわわわわわ…」
リリアナが壊れた。
男爵令嬢は、王子から引き離されたのが余程頭にきたらしい。
「私はリリアナ様に虐められています。」ときた。具体的に何をされたか聞いてみると、どれも幼稚で、ありえないことだ。それぐらい、自分で何とかできるだろう。逆に言うと、そんなことすら自力で何とか出来ないから、虐められるのだ。貴族ならば耐えることばかりが美徳ではない。自分で何とかできないものは、柔軟な考え方ができない、能力を疑われる、などマイナスの印象を与えてしまう。
リリアナは公爵令嬢なのだから、本気になれば男爵なんて、簡単に取り潰すことができる。今の発言だけでそれが可能なのだが、わかっているのだろうか。
それに、これはリリアナの名誉のために言わないが、あのコミュ障のリリアナが練習なしで見知らぬ令嬢に話しかけられる筈がない。私はこの何日か、リリアナを観察していたのだ。彼女のお喋りは、常に私の話で、令嬢に関するものはなかった。ならば、この令嬢は何が目的なのか。これは、クラウスを待った方が良さそうだ。
「それ以上、私のリリアナに対して侮辱するなら不敬で捕えてもよいが、どうする?」
私の笑顔をリリアナは褒めてくれるのだが、彼女はお気に召さなかったらしい。
人の顔を見るなり、「ひっ」と悲鳴を上げて、逃げた。失礼にも程がある。
男爵令嬢に対する不敬は、リリアナに聞くと、気にしないとのことで、不問になった。
多分、大勢の前で話したりするのには、練習が足りないのだ。練習なしで、私とはたくさん話して、私以外とは練習ありで話してもらえれば、それだけで、私はリリアナにとって特別な存在だと思わない?
リリアナを手懐けるために、また独り言を聞きにいく。彼女の心を手に入れるには、彼女の可愛い独り言を聞けば良いのだ。
聞いたことのある甘い可愛らしい声に、カイルは咄嗟に息を潜める。ちょうど、彼女との間には植木があって、彼の姿までは見えていないはずだ。
彼女の嬉しそうな声は久しぶりに聞いた。カイル達が幼い頃は、いつものように嬉しいことや、楽しいことがある度に、この可愛い声を聞けていたのに、成長するにつれて、だんだん、彼女が可愛い声を聞かせてくれることは少なくなっていった。話をしていても、すぐに会話は終わってしまい、沈黙してしまう。
一緒にいるのは嬉しいのに、息が詰まる。
(誰のことを言っている?)
自分が焦っているのがわかる。ドキドキと動悸が治らない。
幼い頃から、私の婚約者であり、公爵令嬢である、リリアナ。
多分、お茶をしているのだけど、他に誰の声も聞こえないから一人なのだろう。と言うことは、独り言を無断で聞いているのだ、と理解した。
悪趣味だろうが、続きが気になって仕方がない。だから、今回だけにするから、ゆるしてくれ、と心の中で謝って、彼女の独り言を聞くことにした。
「今日は朝からお姿を見ることができたの。ラッキーだったわ。」
誰かに話してる風なのは、誰かに聞かれたところで、会話中だと思われるように、との配慮か?
誰に向けての配慮なのだろう。
「今日のカイル様は、後ろの髪が跳ねていて可愛らしかったわ。寝癖かしら。ふふ。」
咄嗟に頭の後ろを触る。あ、ほんと寝癖がついてる。カイルは自分の顔が赤くなるのがわかった。
たしかに今日は急いでいて、身嗜みをきちんと整えようとしてくれる侍女の手を振り払うように来てしまった。
ちゃんと、やって貰えばよかった。
リリアナが可愛らしい声で話している相手が自分のことで、ほっとした。
最近、嫌われているのかと思っていたからだ。理由は、カイルにある。最近知り合いになった貴族令嬢に時間を取られているからだ。私がリリアナの元へ行こうとすると、一緒に来ようとする。二人の時間を邪魔されたくなくて、断るのだが、話を聞かない。
彼女は元々平民で最近男爵家に引き取られた。リリアナも私も、出会うはずもない令嬢なのだが、何故か懐かれてしまって、よく纏わりついてくる。割としょっちゅう無礼なことをしてくるのだが、何を言ってもきかないので、面倒で放置をしていると、それこそ王子に認められたと勘違いしているようで、始末に悪い。
なんとなくでしかないのだが、リリアナに彼女を会わせたくない。
彼女を振り切れるのは、学園が終わった後になってしまって、来てみたら、これだ。
こんな可愛いリリアナを見られるなんて聞いてなかった。
今日は会わずに帰ることにしようかな。
リリアナを前にすると、正気でいられるか自信がない。
ふと、視線を感じて見上げると、公爵家のリリアナがいる場所の真上から、人がこちらに向かって何か合図を送っていた。
リリアナの兄が窓からカイルに向かって、静かにするように、ジェスチャーをしている。
カイルは元から騒ぐ気などない。今自分は婚約者の話を盗み聞きしているところだ。バレたら、どうなるか。
リリアナの兄は、悪戯好きでカイルとは友人だ。件の貴族令嬢のことを内緒で調べてくれたり、とカイルのために動いてくれる将来的に側近として働いてくれる仲間の一人だ。そんな彼が窓から外を指差している。
気になってみると、そこにも誰かいる。庭師かと思ったら、どうやら護衛のようだ。生温かい目で、カイルに会釈する。
あ、どうも。
何故か道を歩いている人、皆から生温かい空気を感じる。
恐る恐る見上げると、ニンマリと笑った友の顔が。
あ、もしかして、この独り言って皆に聞かれてるの?
リリアナの兄、クラウスは話す。
「妹は、とても口下手で、いつも話す練習を家でしているのです。」と。
やはり先程の独り言には、話し相手がいたのだ。その話し相手に、カイルは会ったことがあるらしい。思い当たる人はいない。侍女ぐらいしか。
クラウスは、悩んでいるカイルを嬉しそうに見て、堪えられないとばかりに、笑う。絶対に、わからない、と念押しされて、少しムッとするが、正解をきいて納得した。
リリアナの話し相手は、精霊達と、子供の頃からお気に入りのテディベアだ。カイルは精霊達を見たことはなかったが、テディベアは見たことがある。触らせて貰ったこともある。毛並みがふわふわして、触り心地のよい小さなぬいぐるみだ。確か、亡くなったお祖母様から貰ったものだったような。
思い返してみても、リリアナが口下手だったり、上手く話せなかったりした記憶はない。いつも完璧に受け答えしていたように思うのだが、こんな日々の練習をしていたのだと思うと、微笑ましいと思うと同時に、どうして私がそれを今まで知らずにいれたのかと反省してしまった。私は婚約者を可愛い、と愛でることばかりで、彼女自身を知ろうとしなかった。リリアナ自身が私に隠そうとしていたにしても、だ。
カイルは、自分は大いに反省しなくてはならないと思った。クラウスは、心の中を読んだように、カイルに笑いかけた。
「これに懲りずにまた来たら良いよ。今度は屋敷の外から聞いたら、面白いものが見られるよ。」
カイルはどう言う意味かはわからなかったが、言われた通りに、した。
翌日、カイルは公爵家の外の道を歩いてみた。道からは、植木の隙間から、楽しそうに話すリリアナがよく見えた。
相手は見えないが、小さなテディベアでは致し方ない。可愛いなあ、と眺めていると、ふと自分以外にも、リリアナを見ている人物がいることに気がついた。
道を歩く婦人や、どこかの屋敷の使用人達が、微笑ましい顔をして、足早に通り過ぎていく。
これだけたくさんの人にリリアナは、独り言を聞かせているのだ。それが、自分の話だと今更気がついて、恥ずかしくて顔から火が出そうになる。同時に、リリアナを守れるのは自分だけだと気づく。
おかしな令嬢からも、リリアナを守らなければ。カイルは気を引き締めた。
翌日から、リリアナ自身に、近づくようにした。例の男爵令嬢は、彼女のクラスの者に任せて、カイルは、リリアナの元に向かう。リリアナは、最初いつも通りにしていたが、一緒にお昼を食べようと誘ったら、困惑していた。リリアナが独り言で言っていたように、密着して、手を握ってお願いしたら、頷いてくれた。ズルイ手を使ったがやむを得ない。
移動の際は、必ず手を繋ぐようにした。これも、独り言を盗み聞きした成果だ。リリアナは未だ公爵令嬢の顔を保っていたが、容量はもうなかったようで、心の声が漏れ出ていた。
あたふたしたリリアナも可愛い。
「どうして、カイル様が…手を…手が大きい…素敵…あったかい…どうしたら?」
「リリアナ?大丈夫?」
リリアナは私の笑顔に弱いはず。リリアナの手を握って、笑顔を見せると、リリアナが真っ赤に変化した。
「あわわわわわ…」
リリアナが壊れた。
男爵令嬢は、王子から引き離されたのが余程頭にきたらしい。
「私はリリアナ様に虐められています。」ときた。具体的に何をされたか聞いてみると、どれも幼稚で、ありえないことだ。それぐらい、自分で何とかできるだろう。逆に言うと、そんなことすら自力で何とか出来ないから、虐められるのだ。貴族ならば耐えることばかりが美徳ではない。自分で何とかできないものは、柔軟な考え方ができない、能力を疑われる、などマイナスの印象を与えてしまう。
リリアナは公爵令嬢なのだから、本気になれば男爵なんて、簡単に取り潰すことができる。今の発言だけでそれが可能なのだが、わかっているのだろうか。
それに、これはリリアナの名誉のために言わないが、あのコミュ障のリリアナが練習なしで見知らぬ令嬢に話しかけられる筈がない。私はこの何日か、リリアナを観察していたのだ。彼女のお喋りは、常に私の話で、令嬢に関するものはなかった。ならば、この令嬢は何が目的なのか。これは、クラウスを待った方が良さそうだ。
「それ以上、私のリリアナに対して侮辱するなら不敬で捕えてもよいが、どうする?」
私の笑顔をリリアナは褒めてくれるのだが、彼女はお気に召さなかったらしい。
人の顔を見るなり、「ひっ」と悲鳴を上げて、逃げた。失礼にも程がある。
男爵令嬢に対する不敬は、リリアナに聞くと、気にしないとのことで、不問になった。
多分、大勢の前で話したりするのには、練習が足りないのだ。練習なしで、私とはたくさん話して、私以外とは練習ありで話してもらえれば、それだけで、私はリリアナにとって特別な存在だと思わない?
リリアナを手懐けるために、また独り言を聞きにいく。彼女の心を手に入れるには、彼女の可愛い独り言を聞けば良いのだ。
113
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
二人が一緒にいる理由
四折 柊
恋愛
キャサリンはヴィクターが好き。だけど私たちは恋人ではない。いわゆる腐れ縁で一緒に過ごしてきた。でもそれも終わる。学園を卒業すればお互いに婚約者を探すことになるから。そうなれば今と同じ気安い関係ではいられなくなるだろう。「それは嫌」キャサリンは勇気を出して想いを告げようと決心した。全4話。
魔女の祝福
あきづきみなと
恋愛
王子は婚約式に臨んで高揚していた。
長く婚約を結んでいた、鼻持ちならない公爵令嬢を婚約破棄で追い出して迎えた、可憐で愛らしい新しい婚約者を披露する、その喜びに満ち、輝ける将来を確信して。
予約投稿で5/12完結します
【完】お望み通り婚約解消してあげたわ
さち姫
恋愛
婚約者から婚約解消を求められた。
愛する女性と出会ったから、だと言う。
そう、それなら喜んで婚約解消してあげるわ。
ゆるゆる設定です。3話完結で書き終わっています。
婚約破棄と言われても、どうせ好き合っていないからどうでもいいですね
うさこ
恋愛
男爵令嬢の私には婚約者がいた。
伯爵子息の彼は帝都一の美麗と言われていた。そんな彼と私は平穏な学園生活を送るために、「契約婚約」を結んだ。
お互い好きにならない。三年間の契約。
それなのに、彼は私の前からいなくなった。婚約破棄を言い渡されて……。
でも私たちは好きあっていない。だから、別にどうでもいいはずなのに……。
【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。
まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。
私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。
お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。
けれど、彼に言われましたの。
「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」
そうですか。男に二言はありませんね?
読んでいただけたら嬉しいです。
侯爵様の懺悔
宇野 肇
恋愛
女好きの侯爵様は一年ごとにうら若き貴族の女性を妻に迎えている。
そのどれもが困窮した家へ援助する条件で迫るという手法で、実際に縁づいてから領地経営も上手く回っていくため誰も苦言を呈せない。
侯爵様は一年ごとにとっかえひっかえするだけで、侯爵様は決して貴族法に違反する行為はしていないからだ。
その上、離縁をする際にも夫人となった女性の希望を可能な限り聞いたうえで、新たな縁を取り持ったり、寄付金とともに修道院へ出家させたりするそうなのだ。
おかげで不気味がっているのは娘を差し出さねばならない困窮した貴族の家々ばかりで、平民たちは呑気にも次に来る奥さんは何を希望して次の場所へ行くのか賭けるほどだった。
――では、侯爵様の次の奥様は一体誰になるのだろうか。
望まない相手と一緒にいたくありませんので
毬禾
恋愛
どのような理由を付けられようとも私の心は変わらない。
一緒にいようが私の気持ちを変えることはできない。
私が一緒にいたいのはあなたではないのだから。
【完結】可愛いのは誰?
ここ
恋愛
公爵令嬢の私、アリドレア・サイド。王太子妃候補とも言われますが、王太子には愛する人がいますわ。お飾りの王太子妃にはなりたくないのですが、高い身分が邪魔をして、果たして望むように生きられるのでしょうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
公爵令嬢の独り言が敷地外で聞こえるって、大声設定か敷地が小さいか?
令嬢の姿が外から垣間見えるのも問題かと。
細かいことを言いましたが、ご令嬢が可愛すぎる!
相手がぬいぐるみなのもほんわかします。
感想ありがとうございます。そう言われたらそうですね笑 邸の大きさをあまり考えてなかった…。
貴重なご指摘ありがとうございます。本人に見えてるよって言えば、隠れちゃうのでしょうね。可愛いと言って貰えて嬉しいです。ありがとうございました!