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聞いていない
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「お疲れ様。やっぱり破棄できなかったのね。」
彼女は私の友人、レーナ。
「やっぱりって何?」
レーナは私の困惑を笑いながら、説明してくれた。
「だって、少なくともグラントは貴女が好きで好きで堪らないから、少しは心の安寧がほしくて浮気したふりをしていたんだもの。グラントって浮名を流す割りに奥手なのよ。知らないでしょ?貴女に嫌われたくないから、慣れてるふりをしていたのよ。お子様よね。」
「は?いいえ、そんな事実は……ないない。ないわよ。何の冗談なの?」
そんな話聞いたことないわ。
「あら、有名な話よ。だから、貴女にわざわざ他の女との逢瀬を目撃させてたのよ。貴女が興味なくても、何故か教えてくれる人がいたでしょう?」
いたわ。あの、自称親切な人達ね。何、あの人達、自称グラントの仲間達だったってこと?
迷惑~!
「それじゃ、私はこれから先二度と婚約破棄できないってこと?」
「そうね、彼が貴女に嫌われるとわかっていて、浮気をするとは思えないし、浮気も可愛いものだったんだから、もう逃げるのは無理じゃない?」
「そんな……」
「良いじゃない。顔は綺麗だし、騎士としての将来も期待されているし、伯爵家も継ぐのよ?優良物件だと思うけどなぁ。」
物件って、アンタ。
でも、人って、そんなに変われるものなの?
未だにいまいち信用できないんだよなぁ。
レーナとの話が終わり、教室に戻ると、クラスに来ていたグラントが、話しかけてくる。
以前なら、他の女の子達とも楽しく話をしていたのに、私に話しかける前も男性と話していて、確かに以前とは違うみたい。
けれど、早計かも。だって、教室にいる子の中に私を睨みつけているご令嬢がいるのだもの。
彼女をつつけば、何かでてくるかもしれない。彼の浮気とか。
あんなに遊んでいた男が、たった一人に絞って、しかもそれが政略結婚の相手だったら、切られた女性は納得いかないわよ。どうせ、婚約者が圧力をかけた、と逆恨みされかねない。
私、グラントの為に死ぬのは嫌。死ぬなら勝手にやって。私を巻き込まないで。
そう思ってたら、案の定、睨んでいた彼女に呼び出された。
恨み言でも言ってくれたら、グラントへ、婚約破棄を言い渡すことができるのに。
ワクワクしながら、待つ。
あの様子から、修羅場になったら、面白いわね。一度経験してみたかったのよ。この泥棒猫!とか言うんだわ。
「あの、お呼び立てしてすみません。グラント様の真実の愛の相手だと言う、マリーン様でいらっしゃいますか?」
キター!私は期待に胸を躍らせて勢いよく振り向いた。
彼女は私の友人、レーナ。
「やっぱりって何?」
レーナは私の困惑を笑いながら、説明してくれた。
「だって、少なくともグラントは貴女が好きで好きで堪らないから、少しは心の安寧がほしくて浮気したふりをしていたんだもの。グラントって浮名を流す割りに奥手なのよ。知らないでしょ?貴女に嫌われたくないから、慣れてるふりをしていたのよ。お子様よね。」
「は?いいえ、そんな事実は……ないない。ないわよ。何の冗談なの?」
そんな話聞いたことないわ。
「あら、有名な話よ。だから、貴女にわざわざ他の女との逢瀬を目撃させてたのよ。貴女が興味なくても、何故か教えてくれる人がいたでしょう?」
いたわ。あの、自称親切な人達ね。何、あの人達、自称グラントの仲間達だったってこと?
迷惑~!
「それじゃ、私はこれから先二度と婚約破棄できないってこと?」
「そうね、彼が貴女に嫌われるとわかっていて、浮気をするとは思えないし、浮気も可愛いものだったんだから、もう逃げるのは無理じゃない?」
「そんな……」
「良いじゃない。顔は綺麗だし、騎士としての将来も期待されているし、伯爵家も継ぐのよ?優良物件だと思うけどなぁ。」
物件って、アンタ。
でも、人って、そんなに変われるものなの?
未だにいまいち信用できないんだよなぁ。
レーナとの話が終わり、教室に戻ると、クラスに来ていたグラントが、話しかけてくる。
以前なら、他の女の子達とも楽しく話をしていたのに、私に話しかける前も男性と話していて、確かに以前とは違うみたい。
けれど、早計かも。だって、教室にいる子の中に私を睨みつけているご令嬢がいるのだもの。
彼女をつつけば、何かでてくるかもしれない。彼の浮気とか。
あんなに遊んでいた男が、たった一人に絞って、しかもそれが政略結婚の相手だったら、切られた女性は納得いかないわよ。どうせ、婚約者が圧力をかけた、と逆恨みされかねない。
私、グラントの為に死ぬのは嫌。死ぬなら勝手にやって。私を巻き込まないで。
そう思ってたら、案の定、睨んでいた彼女に呼び出された。
恨み言でも言ってくれたら、グラントへ、婚約破棄を言い渡すことができるのに。
ワクワクしながら、待つ。
あの様子から、修羅場になったら、面白いわね。一度経験してみたかったのよ。この泥棒猫!とか言うんだわ。
「あの、お呼び立てしてすみません。グラント様の真実の愛の相手だと言う、マリーン様でいらっしゃいますか?」
キター!私は期待に胸を躍らせて勢いよく振り向いた。
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