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監禁最終日❶ウィルのお仕事
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今日は溜まりに溜まったゴミを掃除する日です。執事の仕事かと問われれば、違うとお答えいたします。ですが、奥様を愛する使用人の仕事かと問われれば、肯定いたします。
ゴミは、こびりついて離れません。
すでに、ここにいない幻影を追って、どこまでもねばねばくっついて参ります。
可燃ゴミなのですが、一部生ゴミがありますね。
放っておけば、既に腐っているため、食物連鎖の中に入っていけるというのに、待ちきれないのでしょうか。
私も同じ気持ちです。
どのような排除の仕方がよいか、ずっと考えていたのですよ。
とりあえず大元の方は少しお待ちください。少しずつ恐怖を与えるのです。
次は私。と慄き、怯え、後悔して生きることは素晴らしいことです。
私は死にたい、と思う人を殺したくはないのです。そんなにいい人ではないのです。汚い生恥を晒しつつ、もがいて生き続ける人を殺すのが楽しいのですよ。
でも泣き叫ぶ方はあまり好きではありません。何故かと言うと、うるさいからです。騒いだところで、終わりません。回避はされません。貴方を殺します。
暗闇で生命の危険を感じたなら、素直に受け入れて、目を瞑るのが正解です。見ようとしなければ、知らない間に死ねます。見ようとするから、怖いのです。身を委ねましょう。
ターゲットが見えてきました。ではこれから狩りに行くとしましょう。今日は忙しいので、サクッと終わらせますよ。
まずは奥様にたかる虫を始末しますね。
あー、だからさっきもいいましたように、喚いたって避けられないのですよ。貴方、懸想しましたよね。奥様を見て、俺の物にする、でしたっけ。
ふふ。貴方みたいな平民が伯爵夫人と釣り合うとでも?
ピート様は与しやすかったですか?
貴方はその顔を使ってあたかもアールが生きていたように見せたのですよね。
あら、顔が歪みましたね。
ああ、ピート様は爵位のないアールなど取るに足らないと追い返したのですね。
ええ、見て居ましたよ。腹をかかえて笑いましたから。
当たり前でしょう。気がつかなかったのですか。あのピート様は、アール様が大嫌いだったのですよ。妹ばかりにかまけ、自分の初恋のイリナ様を蔑ろにするアール様を。
おや、知らなかったのですか。
本当に頭が足りませんね。
そんなだから、利用されるのですよ。
アールにも。
あと、貴方の知らないことで私が知っているのは一つだけです。
何だと思います?
貴方の血筋、知りたくないですか。
え。本当にご存知ないのですか。困りましたね。
貴方とアール様は異母兄弟ということでしたが、調べたところ、そんな事実はありませんでした。
アールは自分に似た平民を探していただけの様です。貴方を躾けるのに飴として用意していた殺し文句だったのですよ。
貴族の庶子だと嘘をついて、兄弟だと信じ込ませる。そして飼い犬にするはずだったのでしょうね。
馬鹿の考えそうなことです。
あー、また、ほら、喚かないで。大きな声を出さなくても絶望はできるでしょう。
すでに侯爵家も潰されているのに、どうするつもりだったのですか。
そう言うところが、あまいのですよ。
ほら、深呼吸しましょう。
では目を閉じて。
そうです。これで、貴方は楽になれます。
ゴミは、こびりついて離れません。
すでに、ここにいない幻影を追って、どこまでもねばねばくっついて参ります。
可燃ゴミなのですが、一部生ゴミがありますね。
放っておけば、既に腐っているため、食物連鎖の中に入っていけるというのに、待ちきれないのでしょうか。
私も同じ気持ちです。
どのような排除の仕方がよいか、ずっと考えていたのですよ。
とりあえず大元の方は少しお待ちください。少しずつ恐怖を与えるのです。
次は私。と慄き、怯え、後悔して生きることは素晴らしいことです。
私は死にたい、と思う人を殺したくはないのです。そんなにいい人ではないのです。汚い生恥を晒しつつ、もがいて生き続ける人を殺すのが楽しいのですよ。
でも泣き叫ぶ方はあまり好きではありません。何故かと言うと、うるさいからです。騒いだところで、終わりません。回避はされません。貴方を殺します。
暗闇で生命の危険を感じたなら、素直に受け入れて、目を瞑るのが正解です。見ようとしなければ、知らない間に死ねます。見ようとするから、怖いのです。身を委ねましょう。
ターゲットが見えてきました。ではこれから狩りに行くとしましょう。今日は忙しいので、サクッと終わらせますよ。
まずは奥様にたかる虫を始末しますね。
あー、だからさっきもいいましたように、喚いたって避けられないのですよ。貴方、懸想しましたよね。奥様を見て、俺の物にする、でしたっけ。
ふふ。貴方みたいな平民が伯爵夫人と釣り合うとでも?
ピート様は与しやすかったですか?
貴方はその顔を使ってあたかもアールが生きていたように見せたのですよね。
あら、顔が歪みましたね。
ああ、ピート様は爵位のないアールなど取るに足らないと追い返したのですね。
ええ、見て居ましたよ。腹をかかえて笑いましたから。
当たり前でしょう。気がつかなかったのですか。あのピート様は、アール様が大嫌いだったのですよ。妹ばかりにかまけ、自分の初恋のイリナ様を蔑ろにするアール様を。
おや、知らなかったのですか。
本当に頭が足りませんね。
そんなだから、利用されるのですよ。
アールにも。
あと、貴方の知らないことで私が知っているのは一つだけです。
何だと思います?
貴方の血筋、知りたくないですか。
え。本当にご存知ないのですか。困りましたね。
貴方とアール様は異母兄弟ということでしたが、調べたところ、そんな事実はありませんでした。
アールは自分に似た平民を探していただけの様です。貴方を躾けるのに飴として用意していた殺し文句だったのですよ。
貴族の庶子だと嘘をついて、兄弟だと信じ込ませる。そして飼い犬にするはずだったのでしょうね。
馬鹿の考えそうなことです。
あー、また、ほら、喚かないで。大きな声を出さなくても絶望はできるでしょう。
すでに侯爵家も潰されているのに、どうするつもりだったのですか。
そう言うところが、あまいのですよ。
ほら、深呼吸しましょう。
では目を閉じて。
そうです。これで、貴方は楽になれます。
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