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番外編② アンジェリカ視点
ヴィクトリアが、アンジェリカを監視するようになったのはいつからだろう。幼い頃は少しだけ仲が良い時期もあったと思うのに、いつからか二人の間には修復不可能な大きな溝ができていた。
「それはあれね、貴女とマシュー殿下が互いに惹かれあったあの日からじゃないかしら。まあ、入れ知恵した奴がいるのよ。あの自尊心の塊みたいな王女様に。それに……貴女は私に似て美人だからね、仕方ないのよ。」
アンジェリカとヴィクトリアでは、立場は似ていても違う部分は確かにある。公爵令嬢であるアンジェリカの方が王族よりも話しやすかったのと、兄が優秀だったせいか、王女だというのに放って置かれた彼女はとても我儘だったこともあって、初めての茶会では、アンジェリカは話の中心に、ヴィクトリアはポツンと一人で座っていた。
アンジェリカは王女と話してみたくて、側にいたけれど会話は続かず、そのうち他の令嬢に誘われて側を離れて行った。
茶会は確か、王女の友人を探すものであったけれど、王女の態度からそんな気があるのかわからずにご令嬢達は思い思いに楽しみ始めたのだ。
「だっていつかは臣籍降下されるのでしょう?なら、私達の機嫌を取ろうと努力するのは、彼方の方ではなくって?」
不敬な発言をするのは、既に婚約者のいるご令嬢でその婚約者は、第一王子の側近に選ばれたばかりだ。
「今はまだ王女様なんだから、バレたら不敬罪で捕えられるわよ。」
宥めるご令嬢もどこか王女を馬鹿にした様子でアンジェリカは唖然とした。婚約者がこんな失礼な人なら、側近となる人達も似たようなタイプなんじゃないかと心配になったのだ。
アンジェリカはマシュー殿下に会ったことはある。優しくて強い人だった。結婚するなら父みたいな人が良いと常日頃言っていたアンジェリカが、初めて具体的に意識した人、それがマシューだった。
王女が彼女達を不敬罪にはしなかった。だが後に彼女達の婚約者を取り巻きにしたのは、このことがあったからだろう、と思われた。彼らはある意味王族に忠誠心を持っている優秀な人物だったのだろう。ただ人を見る目があるかと言われたら、それは皆無だとしか言えず、良いように王女に使われていた。
アンジェリカは彼らの中で、ヴィクトリアが選ぶとしたら、この男かな、と思う人物に狙いをつけた。
リステン侯爵家の次男、アダムだ。彼は茶会で王女を馬鹿にした女性と一時期婚約関係にあったが、第一王子の失脚で婚約は解消になっていた。
彼の顔をクロエに覚えさせ、彼の前でアンジェリカに対する悪口を言い続けるように伝えると、頭の良いクロエは、更に彼に対する罠を仕掛けてはどうかと、口にする。
「彼は多分、王女様に幻想を抱いていると思うんです。ならば、その夢を壊してしまったら、どうなりますかね?」
自分のことを賢いと信じてる人は仕掛けられたものを読み取ろうとして余計な考えを巡らせることがある。何も裏がないのに、裏を読もうとしてしまうところが。
「王女と彼の間に壁を作るんです。彼は愚かだと蔑んでいる私と愛する王女のどちらを信じるでしょうか。」
アンジェリカは、クロエと話しているうちに、彼女を強く欲しいと思った。全てが終われば、彼女には彼女に見合ったポストを用意したい。ジョシュアに妬かれるかしら。アンジェリカは久しぶりに楽しい時間を過ごせた。
「それはあれね、貴女とマシュー殿下が互いに惹かれあったあの日からじゃないかしら。まあ、入れ知恵した奴がいるのよ。あの自尊心の塊みたいな王女様に。それに……貴女は私に似て美人だからね、仕方ないのよ。」
アンジェリカとヴィクトリアでは、立場は似ていても違う部分は確かにある。公爵令嬢であるアンジェリカの方が王族よりも話しやすかったのと、兄が優秀だったせいか、王女だというのに放って置かれた彼女はとても我儘だったこともあって、初めての茶会では、アンジェリカは話の中心に、ヴィクトリアはポツンと一人で座っていた。
アンジェリカは王女と話してみたくて、側にいたけれど会話は続かず、そのうち他の令嬢に誘われて側を離れて行った。
茶会は確か、王女の友人を探すものであったけれど、王女の態度からそんな気があるのかわからずにご令嬢達は思い思いに楽しみ始めたのだ。
「だっていつかは臣籍降下されるのでしょう?なら、私達の機嫌を取ろうと努力するのは、彼方の方ではなくって?」
不敬な発言をするのは、既に婚約者のいるご令嬢でその婚約者は、第一王子の側近に選ばれたばかりだ。
「今はまだ王女様なんだから、バレたら不敬罪で捕えられるわよ。」
宥めるご令嬢もどこか王女を馬鹿にした様子でアンジェリカは唖然とした。婚約者がこんな失礼な人なら、側近となる人達も似たようなタイプなんじゃないかと心配になったのだ。
アンジェリカはマシュー殿下に会ったことはある。優しくて強い人だった。結婚するなら父みたいな人が良いと常日頃言っていたアンジェリカが、初めて具体的に意識した人、それがマシューだった。
王女が彼女達を不敬罪にはしなかった。だが後に彼女達の婚約者を取り巻きにしたのは、このことがあったからだろう、と思われた。彼らはある意味王族に忠誠心を持っている優秀な人物だったのだろう。ただ人を見る目があるかと言われたら、それは皆無だとしか言えず、良いように王女に使われていた。
アンジェリカは彼らの中で、ヴィクトリアが選ぶとしたら、この男かな、と思う人物に狙いをつけた。
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彼の顔をクロエに覚えさせ、彼の前でアンジェリカに対する悪口を言い続けるように伝えると、頭の良いクロエは、更に彼に対する罠を仕掛けてはどうかと、口にする。
「彼は多分、王女様に幻想を抱いていると思うんです。ならば、その夢を壊してしまったら、どうなりますかね?」
自分のことを賢いと信じてる人は仕掛けられたものを読み取ろうとして余計な考えを巡らせることがある。何も裏がないのに、裏を読もうとしてしまうところが。
「王女と彼の間に壁を作るんです。彼は愚かだと蔑んでいる私と愛する王女のどちらを信じるでしょうか。」
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