望んだことをしてあげただけなのに、妹が烈火のごとく怒り出したのですが

mios

文字の大きさ
5 / 25

妹が望む姉

しおりを挟む
一般的な妹が望む姉と、ロザリアが望む姉は違う。方向性は真逆で、前者が、優しいとか妹を好きで甘やかしてくれる、とか厳しいけど愛してくれる、と言った様子なら、後者は、ロザリアのことを皆の前で虐める、か、人を使って酷い目に遭わせる、なんてのが、当てはまる。

ロザリアはこれまで、人を貶めて、自分を持ち上げる方法で生きてきた。多分それは母が子に望んだ生き方ではなかったが、彼女は自身が勉強やら努力をしなくても生きていける唯一の方法を見出したにすぎない。

人との差を見せつけたいなら、努力して自分を高みに持って行くか、周りの人を貶めて、自分より低い場所に置くかどちらかである。自分は特別でありたい。けれど努力はしたくない。だけどそのことで誹りは受けたくない。


それはアレクシスにも気に入られたやり方だった。

似た者同士の二人は、愚鈍と判断した父を味方に付けて、好き勝手に動いて行く。誰も自分達を止めないのを、許されているからだと勘違いし、助長して行くが、システィーナを始め、その様子はちゃんと見られていた。

決して許されたから、といった理由ではなく。

「いつも私がフォローしていたのが、悪かったのかもしれないわ。」
妹が何か粗相をする度に家の為と思い、うまくいくようにフォローしていたのが悪かったのかもしれない。

何度か「お姉様の評価を上げるために使われた」と文句を言われたりしたもの。家に多少迷惑をかけるとしても、母からの了承は得ているし、問題ないと、システィーナは切り替える。

「ロザリアの行動が明るみになれば、システィーナの価値は上がるわ。あんな妹の世話をしていたなんて、凄いわ、ってね。残念だけどそう言うことなのよ。」

貴族社会が合わないのなら、平民になる手もあるし、あれでも良いと、言ってくれる奇特な人はいるかもしれない。こうなったら、妹の好きにさせるしかないのだ。何を言っても聞かないのだから。


それで、社交界に居場所がなくなっても、自業自得。自分の責任は自分で持つでしょう。加担している兄や父にしてもそう。家での居場所がなくなったところで、大人だし、自分でどうにかするわよね?


申し訳ないのは、多分嫌でも巻き込まれる周りの友人達。仲の良い友人達は、妹の非常識な態度を怒っていたから、システィーナの態度に賛同してくれるだろうが、他の人にはどうしても迷惑をかけてしまうと思うと、今から居た堪れない気持ちになるのだった。


「大丈夫よ。アランなら貴女にしか興味はないから振り向かないし、貴女の害にしかならないなら、寧ろ適当な男性を紹介してくれるんじゃない?見た目は貴女に劣るけれど可愛らしい彼女なら、望まれることもありえるわよ。」


ルイーズの言うアランも彼女も知っている妹を望みそうな相手に心当たりはある。だけど、そんな都合よくいくかしら。

「ね、ピッタリじゃない?あの問題児が片付くのなら、バッチリお膳立てしてあげるわよ。妹は貴女より身分の高い人と婚姻できるし、見た目だけは良い二人はとてもお似合いだし、皆困らないわ。どうする?どうせ、社交界にいられなくなるなら、少しでも願いは叶えてあげたいと思わない?」

「姉としては少し考えさせてほしいけど、きっとあの子なら、飛びつくほどの話ね。いいわ。あの子が望むなら彼を引き合わせましょう。」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】“自称この家の後継者“がうちに来たので、遊んでやりました。

BBやっこ
恋愛
突然乗り込んできた、男。いえ、子供ね。 キンキラキンの服は、舞台に初めて上がったようだ。「初めまして、貴女の弟です。」と言い出した。 まるで舞台の上で、喜劇が始まるかのような笑顔で。 私の家で何をするつもりなのかしら?まあ遊んであげましょうか。私は執事に視線で伝えた。

美し過ぎる妹がただ憎かったー姉の報い

青空一夏
恋愛
美しい妹に皇太子妃の座を奪われそうになった姉の陰惨ないじめとその姉の末路。 少し童話的なラブファンタジーです。

妹が行く先々で偉そうな態度をとるけど、それ大顰蹙ですよ

今川幸乃
恋愛
「よくこんなんで店なんて開けましたね」 「まるで心構えがなっていませんわ、一体何年働いてますの?」 エインズ公爵家の娘、シェリルは商人やメイドなど目下の相手に対していつもこんな感じだった。 そのため姉のラーナは常にシェリルのなだめ役をさせられることを悩んでいた そんなある日、二人はスパーク公爵家のパーティーに招待される。 スパーク家の跡継ぎは聡明で美貌の持ち主と名高く次代の王国を支えると評判のアーノルドで、親密になれば縁談もあるかもしれない。 そう思って張り切るラーナとシェリルだったが、シェリルはスパーク家の人々にもいつも通り怒りをぶちまけてしまい、ラーナの制止も聞かない。 そこにアーノルドが現れ……

『候補』だって言ったじゃないですか!

鳥類
恋愛
いつのまにやら『転生』して美幼女になっていましたよ!魔法がある世界とかサイコーか! 頑張って王宮魔導師になるぞ!と意気込んでいたら…いつのまにやら第一王子殿下の『婚約者候補』にされていた…!! 初投稿です。 異世界転生モノをやってみたかった…。 誤字脱字・タグ違いなどございましたらご一報いただければ幸いです。 内容については生温くサラッと読んでいただけたらと…思います。

お姉様、本当に悪いのは私ですか?

ぴぴみ
恋愛
仲が良かったローズベルグ姉妹の関係が変わってしまった。 本当に『ざまぁ』すべき相手は私ですか? *11/26*分かりにくかった部分を変更しました。

大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた

黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」 幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。

婚約者を取り替えて欲しいと妹に言われました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ポーレット伯爵家の一人娘レティシア。レティシアの母が亡くなってすぐに父は後妻と娘ヘザーを屋敷に迎え入れた。 将来伯爵家を継ぐことになっているレティシアに、縁談が持ち上がる。相手は伯爵家の次男ジョナス。美しい青年ジョナスは顔合わせの日にヘザーを見て顔を赤くする。 レティシアとジョナスの縁談は一旦まとまったが、男爵との縁談を嫌がったヘザーのため義母が婚約者の交換を提案する……。

いつまでも甘くないから

朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。 結婚を前提として紹介であることは明白だった。 しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。 この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。 目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・ 二人は正反対の反応をした。

処理中です...