望んだことをしてあげただけなのに、妹が烈火のごとく怒り出したのですが

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花畑満開の妹

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 アラン様と居る時には、白い目で見られることはあっても、特に近寄って来なかった姉システィーナの取り巻きは、第一王子といるようになってからは、度々ロザリアの目前に現れ、苦言を呈すようになった。

 (これこれ、これを待ってたのよ!)

 姉とは会ったこともない筈のどっかの令嬢に絡まれた時も、姉の影響力の高さに驚いたけれど、誤算は、私の味方の筈の男性から、嫉妬されたことね。

 私を第一王子に取られるとでも思ったのかしら。

 でも、ここは広い心で許してあげなくてはいけないわ。それに、どこの誰だかしらないけれど、貴方ごときでは私の愛を得られないと理解しなきゃ。

 だって、私の相手は第一王子よ、第一王子。クリフ……クリス……なんだったかしら。第一王子様でいいわよね。様をつければ彼は上機嫌なんだもの。

 彼を知るとアランなんか、姉の婚約者という以外に何の魅力も感じないわ。

 それにしたって、姉システィーナに一泡吹かせられたみたい。良かった。姉は「忠告したわよ。」なんて、言ってたけど負け惜しみだわ。自分じゃ第一王子様に選ばれなかったものだから、ププッ。笑える。

 お兄様にはアラン様との近況を聞かれているけれど、第一王子様によれば、兄には内緒だって言われたから、仕方ないのよ。何でも軽々しく家族に言っていたら罪になることもあるらしいし、何より姉に一泡吹かせられたなら、お兄様は褒めてくださるわ。

「私達のお披露目は、今度の夜会で行わないか?ドレスは贈るし、私がエスコート役になろう。私の色を纏った君はさぞ美しいことだろう。」

 第一王子様は、ロザリアにピッタリの可愛いドレスを注文してくれるらしい。楽しみだわ。

 自分のドレスは自分で選びたいけれど、男性が贈るって言っているのだから、無下にすることはできない。

 彼の好みが壊滅的でないことを祈るわ。念の為、彼の瞳の色のドレスを用意しておこうかしら。いくら好きでも恥をかくのは避けたいから。



 ロザリアがこれだけ、用心するのは訳がある。ロザリアには姉と同時期に婚約者を決められる流れがあったことがある。アランと姉はすぐに意気投合し、互いを尊重することが出来たが、ロザリアの相手は最悪だった。

 アランは公爵家、ロザリアの相手は伯爵家。それも既に不満だったのに、相手の母親の服のセンスが悪すぎたのである。ゴテゴテとしか言えないほどの大量のジュエリーをつけて、今時流行らないデザインのドレスを得意満面な顔で着る姿はまるで道化師みたいだった。

 姉はそんな伯爵夫人におべっかを使っていたけれど、ロザリアは自分が周りから笑われているような感覚になって恐怖すら覚えたのである。

 その伯爵家との縁談は幸いにもなくなったから良かったけれど。もう相手の顔すら覚えていないけれど。名前だけはしっかり覚えている。

 あの時から、ロザリアはちゃんと対策をするようになった。姉からはあの時も、「失礼なことはしないように。」と言われたけれど、冗談じゃない。他人事だと思って、なら姉が着れば良いじゃない。

 姉は姉でアラン様から贈られたという素敵なドレスに身を包み、偉そうに振る舞うのだ。虐げられて懸命に生きてる私なんだから、そろそろ大逆転しても良いわよね?

私が王妃になったら、あの憎らしい姉はどんな顔をするかしら。今からとても楽しみだわ。
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