19 / 25
護衛達の諦め
しおりを挟む
貴族には護衛がついていることがある。必須ではないが、勿論それは身を守る為に必要なことであり、不要な争いを最初から防ぐために有効なものである。
第一王子として、あまり役に立たなかったクリストファーにも、護衛はついていた。わかりやすく近くにいると、逆に撒こうと画策したり嫌がったりするので、本人や、周りの人に見破られないように彼らは側で見守っていた。
勿論、ロザリアとのやりとりも、些細なことまで漏らさず確認している。それによって彼らが知り得た侯爵家の内情については、秘匿しなければ生命の危機があるとして、彼らに特大のプレッシャーがのしかかった。
「知りたくはなかった。」
ロザリアが迂闊な発言をするたびにハラハラするのはクリストファーに付いている護衛達で。彼らはロザリアにクリストファーの近くにいてほしくなかったのはそういう理由が大半だった。
こう言っては元も子もないが、「あのご令嬢はダメだろう。」と誰もが感じた。クリストファーを好きだと言いながら、自分のことしか考えていない。
クリストファーとロザリアの言い合いが始まった時も、思ったが、やはり彼女は周りの令嬢達の中で一番上になりたくて、第一王子に近づいたようだ。
ローレン侯爵家にいながら、情弱ぶりを隠しもしないのは自覚すらないからか。貴族令嬢には珍しいタイプ。自分の弱さを明らかにして道化を演じることで同情を得る。幼い子供ならいざ知らず、ある程度まで成長してからもそのスタンスを崩さないのは、愚かであると、彼女は身を持って周りに教えてくれていた。
彼女は皆がいる前で、本性をあらわにするばかりか、攻撃姿勢を見せた。後からあれは姉に対する喧嘩だと言われたとしても、護衛が見守っている中で、誰に向けたかはっきりしない暴力行為は許されるものではない。
それがもう王子としては使い物にならない相手であっても、もうすぐその地位から降りることが決まっているにしても、王子の方向に攻撃したという事実は覆ることはない。
護衛達は、結果的には被害を受けたのは侯爵家の護衛ではあるが、ロザリア・ローレンを拘束した。
暴れたりはしなかったものの、納得はしていないようで、姉を狙っただけだと言い訳を繰り返す。
対して、姉システィーナ嬢は顔色が悪くなっている。侯爵家の内情に関係があるかはわからないが、余裕のある態度だったロザリア嬢に比べて悲壮な顔を浮かべた彼女は、この拘束の意味をわかっているのだ。
彼女の側には婚約者の公爵子息がついている。だから、大丈夫だろう。
「クリストファー王子殿下、貴方もご同行願います。」
クリストファーは被害者面をしているが、果たしてそれで穏便に済むだろうか。周りが心配していても、復習しない彼は、一生変わらない。そういう性根なのだと、護衛達は諦めた。
第一王子として、あまり役に立たなかったクリストファーにも、護衛はついていた。わかりやすく近くにいると、逆に撒こうと画策したり嫌がったりするので、本人や、周りの人に見破られないように彼らは側で見守っていた。
勿論、ロザリアとのやりとりも、些細なことまで漏らさず確認している。それによって彼らが知り得た侯爵家の内情については、秘匿しなければ生命の危機があるとして、彼らに特大のプレッシャーがのしかかった。
「知りたくはなかった。」
ロザリアが迂闊な発言をするたびにハラハラするのはクリストファーに付いている護衛達で。彼らはロザリアにクリストファーの近くにいてほしくなかったのはそういう理由が大半だった。
こう言っては元も子もないが、「あのご令嬢はダメだろう。」と誰もが感じた。クリストファーを好きだと言いながら、自分のことしか考えていない。
クリストファーとロザリアの言い合いが始まった時も、思ったが、やはり彼女は周りの令嬢達の中で一番上になりたくて、第一王子に近づいたようだ。
ローレン侯爵家にいながら、情弱ぶりを隠しもしないのは自覚すらないからか。貴族令嬢には珍しいタイプ。自分の弱さを明らかにして道化を演じることで同情を得る。幼い子供ならいざ知らず、ある程度まで成長してからもそのスタンスを崩さないのは、愚かであると、彼女は身を持って周りに教えてくれていた。
彼女は皆がいる前で、本性をあらわにするばかりか、攻撃姿勢を見せた。後からあれは姉に対する喧嘩だと言われたとしても、護衛が見守っている中で、誰に向けたかはっきりしない暴力行為は許されるものではない。
それがもう王子としては使い物にならない相手であっても、もうすぐその地位から降りることが決まっているにしても、王子の方向に攻撃したという事実は覆ることはない。
護衛達は、結果的には被害を受けたのは侯爵家の護衛ではあるが、ロザリア・ローレンを拘束した。
暴れたりはしなかったものの、納得はしていないようで、姉を狙っただけだと言い訳を繰り返す。
対して、姉システィーナ嬢は顔色が悪くなっている。侯爵家の内情に関係があるかはわからないが、余裕のある態度だったロザリア嬢に比べて悲壮な顔を浮かべた彼女は、この拘束の意味をわかっているのだ。
彼女の側には婚約者の公爵子息がついている。だから、大丈夫だろう。
「クリストファー王子殿下、貴方もご同行願います。」
クリストファーは被害者面をしているが、果たしてそれで穏便に済むだろうか。周りが心配していても、復習しない彼は、一生変わらない。そういう性根なのだと、護衛達は諦めた。
105
あなたにおすすめの小説
妹が行く先々で偉そうな態度をとるけど、それ大顰蹙ですよ
今川幸乃
恋愛
「よくこんなんで店なんて開けましたね」
「まるで心構えがなっていませんわ、一体何年働いてますの?」
エインズ公爵家の娘、シェリルは商人やメイドなど目下の相手に対していつもこんな感じだった。
そのため姉のラーナは常にシェリルのなだめ役をさせられることを悩んでいた
そんなある日、二人はスパーク公爵家のパーティーに招待される。
スパーク家の跡継ぎは聡明で美貌の持ち主と名高く次代の王国を支えると評判のアーノルドで、親密になれば縁談もあるかもしれない。
そう思って張り切るラーナとシェリルだったが、シェリルはスパーク家の人々にもいつも通り怒りをぶちまけてしまい、ラーナの制止も聞かない。
そこにアーノルドが現れ……
【完結】“自称この家の後継者“がうちに来たので、遊んでやりました。
BBやっこ
恋愛
突然乗り込んできた、男。いえ、子供ね。
キンキラキンの服は、舞台に初めて上がったようだ。「初めまして、貴女の弟です。」と言い出した。
まるで舞台の上で、喜劇が始まるかのような笑顔で。
私の家で何をするつもりなのかしら?まあ遊んであげましょうか。私は執事に視線で伝えた。
大きくなったら結婚しようと誓った幼馴染が幸せな家庭を築いていた
黒うさぎ
恋愛
「おおきくなったら、ぼくとけっこんしよう!」
幼い頃にした彼との約束。私は彼に相応しい強く、優しい女性になるために己を鍛え磨きぬいた。そして十六年たったある日。私は約束を果たそうと彼の家を訪れた。だが家の中から姿を現したのは、幼女とその母親らしき女性、そして優しく微笑む彼だった。
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。
『候補』だって言ったじゃないですか!
鳥類
恋愛
いつのまにやら『転生』して美幼女になっていましたよ!魔法がある世界とかサイコーか!
頑張って王宮魔導師になるぞ!と意気込んでいたら…いつのまにやら第一王子殿下の『婚約者候補』にされていた…!!
初投稿です。
異世界転生モノをやってみたかった…。
誤字脱字・タグ違いなどございましたらご一報いただければ幸いです。
内容については生温くサラッと読んでいただけたらと…思います。
婚約者を取り替えて欲しいと妹に言われました
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ポーレット伯爵家の一人娘レティシア。レティシアの母が亡くなってすぐに父は後妻と娘ヘザーを屋敷に迎え入れた。
将来伯爵家を継ぐことになっているレティシアに、縁談が持ち上がる。相手は伯爵家の次男ジョナス。美しい青年ジョナスは顔合わせの日にヘザーを見て顔を赤くする。
レティシアとジョナスの縁談は一旦まとまったが、男爵との縁談を嫌がったヘザーのため義母が婚約者の交換を提案する……。
いつまでも甘くないから
朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。
結婚を前提として紹介であることは明白だった。
しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。
この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。
目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・
二人は正反対の反応をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる