24 / 25
モブ令嬢は、第二の転生者を知る
話は少し前に遡る。ユリアーナ様に招待されて、初めてユーグ様にお会いした日に私は衝撃的な告白を聞いた。
まさかまさかの、話だった。ユリアーナ様が私と同じ転生者だった。ユリアーナ様は、ゲームにいない筈の私に関する設定を知っていた。
私は全く覚えていないからただのモブ令嬢だと思い込んでいたのだけれど、どうやら違うらしい。
私はゲーム内では、名前だけ登場する。悪役令嬢ではないのだけれど、エトワール様のルートで、忘れられない初恋の人として、登場する。
忘れられない初恋の人…?
恥ずかしさが込み上げてくる。そういえば、ご本人から言われたことがありました。ええ、はい。
前世時代から、ユーグ様一択だったユリアーナ様は、エトワール様に私の将来に関わる秘密を話したのだそう。
ゲームの中で、私は幼少期に隣国に連れ去られてしまう。生死もわからず、探し続けるエトワールをカトリーヌが慰め、諦めさせ幸せにする。そして、私は生きているのか死んでいるのかわからないままに、終わりを迎える。
何だ、その最後。
幼少期攫われるのを回避できたのは、エトワールを助ける為に池に落ちたサラを王宮内で、看病していた為、手出しが出来なかったから、らしい。
私が知らない間に、初めからずっと、ユリアーナ様や、エトワール様には守ってもらっていた。
知らなかった。
ダニエルのキャラについても、聞いてみる。今思うと、もしかして、ダニエルも攻略対象なんだろうか。
ユリアーナ様は、ダニエルの今を知っているようで、苦笑いを浮かべる。
「彼については、ゲーム補正が入ったのか、ゲームの通りなのよ。彼はゲームの中では、婚約者をみすみす攫われて強くなる為に、騎士見習いになるのよ。それが、今はミゼー子爵家で、騎士になる為に、特訓を受けているのだから。これは、まあ仕方ないのかもしれないわね。」
あれ、いつの間に、騎士見習いになっているのですか?
彼はうちの家宝を盗んだところで、私の認識は止まっているのですが。
彼はうちの家宝が、どこにあるか、カトリーヌに聞こうとして、彼女を連れ去ったのが、ミゼー子爵家と思い込み、訪れた先で騎士になる提案をされた、とのこと。
上手くいったから良いけれど、失礼すぎるわ。ミゼー子爵家については、彼はどうやら大変失礼な思い違いをしていたらしい。
ダニエルを舐め回すように見ていた、なんて、笑えるわ。子爵様が見ていたのは、貴方の体が鍛えたら強くなるのに、勿体ないと思っていたからだし、貴方の性根も知られていたわよ。
今となっては笑い話だけれど。勘違いが酷すぎるわ。
カトリーヌ嬢が隣国へ向かった今、ユリアーナ様は自虐気味に呟く。
「カトリーヌ嬢をこの状況に追い込んだ私はれっきとした悪役令嬢なのでしょうね。」
「でも、私を助けてくださったのでしょう?」
「でも、貴女の為と言うよりは、私の為の方が大きいわ。」
「それでも、私は助かりました。それに、エトワール様の気持ちを知ることもできましたもの。」
ユリアーナ様には笑っていて貰いたい。私だと力不足だろうから、ユーグ様に丸投げになってしまうけれど。
ユリアーナ様が隣国へ向かったのは、乙女ゲームの隠しキャラがどうなっているのか確かめる為だった。
なんと、隣国の王子が、攻略対象の一人で、隠しキャラだったらしい。
けれど、該当の人物は、王子ではなく、既に結婚して家庭を築いているようで、一安心できたらしい。
「隣国の国王は、歳の離れた第三王子が選ばれたらしいわ。ゲームでは、そもそも出てこなくて、国王は、第二王子だったのに。やっぱりゲーム補正は、珍しいのね。第二王子は、王太子を陥れたとして、責任を取らされた形みたいね。」
「何があったのかしら。」
「どうやら、第二王子派の貴族に踊らされたらしいわ。王子達は仲の良い兄弟だったらしいから、心が壊れたのは兄だけじゃなかったみたい。どんな理由でも、隠しキャラがもういないなら、カトリーヌがこの国で、ヒロインに返り咲くなんてことはないのよ。」
ユリアーナ様が嬉しそうに、サラの手を取る。
「もう、ゲームを気にしなくて生きていけるわ、私達。ちゃんと幸せになりましょう?」
私達は手を固く握り合った。
まさかまさかの、話だった。ユリアーナ様が私と同じ転生者だった。ユリアーナ様は、ゲームにいない筈の私に関する設定を知っていた。
私は全く覚えていないからただのモブ令嬢だと思い込んでいたのだけれど、どうやら違うらしい。
私はゲーム内では、名前だけ登場する。悪役令嬢ではないのだけれど、エトワール様のルートで、忘れられない初恋の人として、登場する。
忘れられない初恋の人…?
恥ずかしさが込み上げてくる。そういえば、ご本人から言われたことがありました。ええ、はい。
前世時代から、ユーグ様一択だったユリアーナ様は、エトワール様に私の将来に関わる秘密を話したのだそう。
ゲームの中で、私は幼少期に隣国に連れ去られてしまう。生死もわからず、探し続けるエトワールをカトリーヌが慰め、諦めさせ幸せにする。そして、私は生きているのか死んでいるのかわからないままに、終わりを迎える。
何だ、その最後。
幼少期攫われるのを回避できたのは、エトワールを助ける為に池に落ちたサラを王宮内で、看病していた為、手出しが出来なかったから、らしい。
私が知らない間に、初めからずっと、ユリアーナ様や、エトワール様には守ってもらっていた。
知らなかった。
ダニエルのキャラについても、聞いてみる。今思うと、もしかして、ダニエルも攻略対象なんだろうか。
ユリアーナ様は、ダニエルの今を知っているようで、苦笑いを浮かべる。
「彼については、ゲーム補正が入ったのか、ゲームの通りなのよ。彼はゲームの中では、婚約者をみすみす攫われて強くなる為に、騎士見習いになるのよ。それが、今はミゼー子爵家で、騎士になる為に、特訓を受けているのだから。これは、まあ仕方ないのかもしれないわね。」
あれ、いつの間に、騎士見習いになっているのですか?
彼はうちの家宝を盗んだところで、私の認識は止まっているのですが。
彼はうちの家宝が、どこにあるか、カトリーヌに聞こうとして、彼女を連れ去ったのが、ミゼー子爵家と思い込み、訪れた先で騎士になる提案をされた、とのこと。
上手くいったから良いけれど、失礼すぎるわ。ミゼー子爵家については、彼はどうやら大変失礼な思い違いをしていたらしい。
ダニエルを舐め回すように見ていた、なんて、笑えるわ。子爵様が見ていたのは、貴方の体が鍛えたら強くなるのに、勿体ないと思っていたからだし、貴方の性根も知られていたわよ。
今となっては笑い話だけれど。勘違いが酷すぎるわ。
カトリーヌ嬢が隣国へ向かった今、ユリアーナ様は自虐気味に呟く。
「カトリーヌ嬢をこの状況に追い込んだ私はれっきとした悪役令嬢なのでしょうね。」
「でも、私を助けてくださったのでしょう?」
「でも、貴女の為と言うよりは、私の為の方が大きいわ。」
「それでも、私は助かりました。それに、エトワール様の気持ちを知ることもできましたもの。」
ユリアーナ様には笑っていて貰いたい。私だと力不足だろうから、ユーグ様に丸投げになってしまうけれど。
ユリアーナ様が隣国へ向かったのは、乙女ゲームの隠しキャラがどうなっているのか確かめる為だった。
なんと、隣国の王子が、攻略対象の一人で、隠しキャラだったらしい。
けれど、該当の人物は、王子ではなく、既に結婚して家庭を築いているようで、一安心できたらしい。
「隣国の国王は、歳の離れた第三王子が選ばれたらしいわ。ゲームでは、そもそも出てこなくて、国王は、第二王子だったのに。やっぱりゲーム補正は、珍しいのね。第二王子は、王太子を陥れたとして、責任を取らされた形みたいね。」
「何があったのかしら。」
「どうやら、第二王子派の貴族に踊らされたらしいわ。王子達は仲の良い兄弟だったらしいから、心が壊れたのは兄だけじゃなかったみたい。どんな理由でも、隠しキャラがもういないなら、カトリーヌがこの国で、ヒロインに返り咲くなんてことはないのよ。」
ユリアーナ様が嬉しそうに、サラの手を取る。
「もう、ゲームを気にしなくて生きていけるわ、私達。ちゃんと幸せになりましょう?」
私達は手を固く握り合った。
あなたにおすすめの小説
【完結】その令嬢は号泣しただけ~泣き虫令嬢に悪役は無理でした~
春風由実
恋愛
お城の庭園で大泣きしてしまった十二歳の私。
かつての記憶を取り戻し、自分が物語の序盤で早々に退場する悪しき公爵令嬢であることを思い出します。
私は目立たず密やかに穏やかに、そして出来るだけ長く生きたいのです。
それにこんなに泣き虫だから、王太子殿下の婚約者だなんて重たい役目は無理、無理、無理。
だから早々に逃げ出そうと決めていたのに。
どうして目の前にこの方が座っているのでしょうか?
※本編十七話、番外編四話の短いお話です。
※こちらはさっと完結します。(2022.11.8完結)
※カクヨムにも掲載しています。
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
断罪された薔薇の話
倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。
ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。
とても切ない物語です。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!
ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。
え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!!
それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
ほーみ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
【完結】ロザリンダ嬢の憂鬱~手紙も来ない 婚約者 vs シスコン 熾烈な争い
buchi
恋愛
後ろ盾となる両親の死後、婚約者が冷たい……ロザリンダは婚約者の王太子殿下フィリップの変容に悩んでいた。手紙もプレゼントも来ない上、夜会に出れば、他の令嬢たちに取り囲まれている。弟からはもう、婚約など止めてはどうかと助言され……
視点が話ごとに変わります。タイトルに誰の視点なのか入っています(入ってない場合もある)。話ごとの文字数が違うのは、場面が変わるから(言い訳)