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周りは簡単には変われない
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私が王子を池に落としたことで、王子達は、生まれ変わったものの、周りはそう簡単に変われない。
第一王子に言い寄っていた女性は前よりも増えた。第一王子は、以前ならヘラヘラして、女性のあしらいがうまかったが、今は女性に対して嫌悪感を抱いているみたいだ。
私に対してもとても偉そうに接してくる。
「ローラ、君とは婚約するつもりはない。」
「良かったです。私も同じ気持ちです。」
「どうだか。」
浮気をしないのは良いですが、女性を嫌うのはどうかと思います。
第二王子も、国への忠誠心がありすぎて、少しの弱音も許さない部分が出てきました。騎士達が大変そうです。
あと、隣国からの移住者に容赦がありません。忠誠心があるのは良くても、ありすぎるのはいけないなんて、考えもしませんでした。
また池に落としてやろうかしら。
私は王子をもう一度池に落としました。
また池から女の人が出てきました。
私が来たのが嬉しそうです。
「貴女が落としたのは、浮気した第一王子ですか?それとも国を傾けた第二王子ですか?」
ああ、またあの二人が帰ってくるのです。
私はため息をつきました。
「どちらも違います。」
女の人は笑って、言いました。
「正直者の貴女には、二人とも差し上げます。あと、」
私にだけ聞こえる声で、私に囁きます。
「貴女には、もう一つプレゼントを差し上げましょう。」
「私、貴女を気に入りました。」
そして、彼女は私を池に引きずり込んだのです。
私の身代わりは国へ戻りました。私は池の女に、助けられたのです。
池を通じて、行きたいところに行きなさい、と背中を押されました。振り向いて、お礼を言います。
あの方はもしかして、私の祖先ではないでしょうか。いずれにせよ、助かりました。ありがとう。この御恩は忘れません。
私は何年か後、この国より少し豊かな国でこの国のことを知りました。
第一王子が新しい私と結婚したものの、浮気を繰り返してハニートラップに引っかかり、第二王子が手引きした隣国に吸収されたらしいです。どちらにしても、私の幸せはあの国にはありませんでした。
私は、この国で花屋を営んでいます。
貴族でなくなりましたが、幸せにはなれました。池を見ると、必ず、お礼を言う癖がつきました。
お礼を言うたび、あの池の女性の笑顔を思い出すのです。
終わり
第一王子に言い寄っていた女性は前よりも増えた。第一王子は、以前ならヘラヘラして、女性のあしらいがうまかったが、今は女性に対して嫌悪感を抱いているみたいだ。
私に対してもとても偉そうに接してくる。
「ローラ、君とは婚約するつもりはない。」
「良かったです。私も同じ気持ちです。」
「どうだか。」
浮気をしないのは良いですが、女性を嫌うのはどうかと思います。
第二王子も、国への忠誠心がありすぎて、少しの弱音も許さない部分が出てきました。騎士達が大変そうです。
あと、隣国からの移住者に容赦がありません。忠誠心があるのは良くても、ありすぎるのはいけないなんて、考えもしませんでした。
また池に落としてやろうかしら。
私は王子をもう一度池に落としました。
また池から女の人が出てきました。
私が来たのが嬉しそうです。
「貴女が落としたのは、浮気した第一王子ですか?それとも国を傾けた第二王子ですか?」
ああ、またあの二人が帰ってくるのです。
私はため息をつきました。
「どちらも違います。」
女の人は笑って、言いました。
「正直者の貴女には、二人とも差し上げます。あと、」
私にだけ聞こえる声で、私に囁きます。
「貴女には、もう一つプレゼントを差し上げましょう。」
「私、貴女を気に入りました。」
そして、彼女は私を池に引きずり込んだのです。
私の身代わりは国へ戻りました。私は池の女に、助けられたのです。
池を通じて、行きたいところに行きなさい、と背中を押されました。振り向いて、お礼を言います。
あの方はもしかして、私の祖先ではないでしょうか。いずれにせよ、助かりました。ありがとう。この御恩は忘れません。
私は何年か後、この国より少し豊かな国でこの国のことを知りました。
第一王子が新しい私と結婚したものの、浮気を繰り返してハニートラップに引っかかり、第二王子が手引きした隣国に吸収されたらしいです。どちらにしても、私の幸せはあの国にはありませんでした。
私は、この国で花屋を営んでいます。
貴族でなくなりましたが、幸せにはなれました。池を見ると、必ず、お礼を言う癖がつきました。
お礼を言うたび、あの池の女性の笑顔を思い出すのです。
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