13 / 22
婚約者候補
セドリックが持ってきた縁談は、シガニ卿が薦めたものらしい。従兄ではあるが、四人目のアレクよりも頼りになる長兄としてシガニ卿は頼れる存在だ。
スペンサーに懐いたのも元はと言えば、スペンサーの笑顔が少し彼に似ていたからだ。
彼が持ってきたのなら、間違いはないと思うが、できるなら余所見をせずに、向き合ってくれる人だと嬉しい。
辺境に住む男爵と、子爵は、卒業式後に丁度こちらに来るらしい。少し前から王都に滞在していたらしいから、すぐに来ると言っていた。
ルイスは何だかソワソワしている。私の緊張が移ったようだ。
「どんな方であっても、お嬢様を一番に考える人でなければ、私は認めません。」
サラは、キッパリと言い切って、ルイスもそれに賛同した。
「ルイスはこの方達との面識はないの?」
シガニ卿の知り合いなら、何か知っているか、と探りを入れてみるも、反応は悪い。
「会ってからのお楽しみでいいんじゃないでしょうか。お嬢様の素直な反応をあちらも待っていらっしゃるでしょうし。」
「緊張に効く薬、とかはないの?」
「何でも薬に頼るのはいかがなものかと思いますが、緊張に効く薬ですか……試してみるのもアリですね。割と需要はありそうですし。」
ルイスはそれから深い思考に入ってしまった。それでも護衛としては、ちゃんと使い物になるあたり、流石としか言いようがない。すぐに思考を止めて、ステラのそばに来る。
「顔合わせは、デイヴィスに任せます。顔合わせが終わりましたら、またお側に参りますので、ご安心ください。」
デイヴィスとは、ルイスが動けない時にたまに代わりに入る護衛だ。わかりやすい脳筋で可愛いワンコみたいな人。声が大きく、ガハガハ笑う。いい人だが、ステラは若干苦手にしている。
ルイスがいないと知って、急に不安になるものの、「公正を期す為です。」と、言われると、意味がわからなくて戸惑う。
どう言う意味?
意味はすぐにわかった。顔合わせの三人目が、ルイスその人だったから。
「え?男爵?平民じゃなかったの?」
「シガニ卿に、褒美として爵位を頂いたのです。兄に戴く予定が、兄が嫌がりまして、私に。」
彼が口にした公正ってこれのこと?でもそもそも最初から信頼関係を築いている時点で既に公正ではないような……
全て分かった上でシガニ卿は彼を薦めたのだろうけれど、他の候補者に一応は、配慮したのかな。
結果、私は悩みに悩んだ。ステラが真っ直ぐにルイスを選ぶと思っていたらしいシガニ卿は驚いたようだが、ステラの反応を見守ることにしたらしい。ルイスは、こちらが考えている間に着々と新しい薬を作り続けている。
『緊張を解す薬』も、売れ行きは好調のようで、あの店も儲かっていると言う。
あの店は、ルイスの兄がお小遣い稼ぎに始めたものだったらしいが、最近は客もまあまあ入るようになったことから、従業員を雇えるようになるまでになったらしい。
彼の口の悪さは相変わらずで会うたびに、暴言を吐かれるが悪い人ではないらしい。
スペンサーに懐いたのも元はと言えば、スペンサーの笑顔が少し彼に似ていたからだ。
彼が持ってきたのなら、間違いはないと思うが、できるなら余所見をせずに、向き合ってくれる人だと嬉しい。
辺境に住む男爵と、子爵は、卒業式後に丁度こちらに来るらしい。少し前から王都に滞在していたらしいから、すぐに来ると言っていた。
ルイスは何だかソワソワしている。私の緊張が移ったようだ。
「どんな方であっても、お嬢様を一番に考える人でなければ、私は認めません。」
サラは、キッパリと言い切って、ルイスもそれに賛同した。
「ルイスはこの方達との面識はないの?」
シガニ卿の知り合いなら、何か知っているか、と探りを入れてみるも、反応は悪い。
「会ってからのお楽しみでいいんじゃないでしょうか。お嬢様の素直な反応をあちらも待っていらっしゃるでしょうし。」
「緊張に効く薬、とかはないの?」
「何でも薬に頼るのはいかがなものかと思いますが、緊張に効く薬ですか……試してみるのもアリですね。割と需要はありそうですし。」
ルイスはそれから深い思考に入ってしまった。それでも護衛としては、ちゃんと使い物になるあたり、流石としか言いようがない。すぐに思考を止めて、ステラのそばに来る。
「顔合わせは、デイヴィスに任せます。顔合わせが終わりましたら、またお側に参りますので、ご安心ください。」
デイヴィスとは、ルイスが動けない時にたまに代わりに入る護衛だ。わかりやすい脳筋で可愛いワンコみたいな人。声が大きく、ガハガハ笑う。いい人だが、ステラは若干苦手にしている。
ルイスがいないと知って、急に不安になるものの、「公正を期す為です。」と、言われると、意味がわからなくて戸惑う。
どう言う意味?
意味はすぐにわかった。顔合わせの三人目が、ルイスその人だったから。
「え?男爵?平民じゃなかったの?」
「シガニ卿に、褒美として爵位を頂いたのです。兄に戴く予定が、兄が嫌がりまして、私に。」
彼が口にした公正ってこれのこと?でもそもそも最初から信頼関係を築いている時点で既に公正ではないような……
全て分かった上でシガニ卿は彼を薦めたのだろうけれど、他の候補者に一応は、配慮したのかな。
結果、私は悩みに悩んだ。ステラが真っ直ぐにルイスを選ぶと思っていたらしいシガニ卿は驚いたようだが、ステラの反応を見守ることにしたらしい。ルイスは、こちらが考えている間に着々と新しい薬を作り続けている。
『緊張を解す薬』も、売れ行きは好調のようで、あの店も儲かっていると言う。
あの店は、ルイスの兄がお小遣い稼ぎに始めたものだったらしいが、最近は客もまあまあ入るようになったことから、従業員を雇えるようになるまでになったらしい。
彼の口の悪さは相変わらずで会うたびに、暴言を吐かれるが悪い人ではないらしい。
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
断罪された薔薇の話
倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。
ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。
とても切ない物語です。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜
入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】
社交界を賑わせた婚約披露の茶会。
令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。
「真実の愛を見つけたんだ」
それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。
愛よりも冷たく、そして美しく。
笑顔で地獄へお送りいたします――
婿入り条件はちゃんと確認してください。
もふっとしたクリームパン
恋愛
<あらすじ>ある高位貴族の婚約関係に問題が起きた。両家の話し合いの場で、貴族令嬢は選択を迫ることになり、貴族令息は愛と未来を天秤に懸けられ悩む。答えは出ないまま、時間だけが過ぎていく……そんな話です。*令嬢視点で始まります。*すっきりざまぁではないです。ざまぁになるかは相手の選択次第なのでそこまで話はいきません。その手前で終わります。*突発的に思いついたのを書いたので設定はふんわりです。*カクヨム様にも投稿しています。*本編二話+登場人物紹介+おまけ、で完結。
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
あなたの絶望のカウントダウン
nanahi
恋愛
親同士の密約によりローラン王国の王太子に嫁いだクラウディア。
王太子は密約の内容を知らされないまま、妃のクラウディアを冷遇する。
しかも男爵令嬢ダイアナをそばに置き、面倒な公務はいつもクラウディアに押しつけていた。
ついにダイアナにそそのかされた王太子は、ある日クラウディアに離縁を突きつける。
「本当にいいのですね?」
クラウディアは暗い目で王太子に告げる。
「これからあなたの絶望のカウントダウンが始まりますわ」
恋の終わりに
オオトリ
恋愛
「我々の婚約は、破棄された」
私達が生まれる前から決まっていた婚約者である、王太子殿下から告げられた言葉。
その時、私は
私に、できたことはーーー
※小説家になろうさんでも投稿。
※一時間ごとに公開し、全3話で完結です。
タイトル及び、タグにご注意!不安のある方はお気をつけてください。