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エミリアの役割
エミリアは騎士と約束をした。絶対にこちらの邪魔はしないと。騎士は、エミリアをここに連れて来た婦人を監視している騎士で、元は他国の出身だと言う。
妹も騎士だったが、当時付き合っていた恋人に騙されて、売られたという。
「妹は確かにここに来た。あの騎士服が証拠になる。お前はどこの人間だ?」
騎士は、エミリアを騎士だとは思わなかったらしい。所詮はその程度。自分は騎士としても中途半端だ。
騎士の調べによると、南の辺境伯領に隣接する他国から買付に来ているやばい奴がいるという。
「国では、権力のある人物で、滅多にない技術を持っているという。彼がこの組織を手伝っているのは明白で、お前が助けたご令嬢が飲んでいた液体も、彼が用意したものだと、判明している。
彼の狙いは屈強な女騎士だが、お前は屈強とは言い難いな。私の所属する団には、女騎士はいない。お前の知り合いに丁度良いのはいないか。囮になってくれるような、女騎士は。」
エミリアの頭に浮かんだ人物は、あのアネットだった。
「いるけど……手伝ってくれるかはわからない。私、嫌われてるしな。手伝いを断られるかもしれない。」
「なら、最後の手段だな。私が女装しよう。」
エミリアはこんな状況で冗談をいう男を信じられない目で見つめた。だけど、綺麗な顔の騎士は身長とガタイ以外は、案外女性に見えるのだから、全くの冗談というわけでもなさそうだった。
しかし、エミリアの報告を聞いたスエード卿が、アネット率いる新人騎士を全て囮にしようとしたなんて、エミリアが知るわけもない。
気がつけば、エミリアは作戦の中に組み込まれていた。
リオンとグリドの女装はとても良かった。咄嗟に笑い出しそうになって、リオンを突き飛ばしたのはご愛嬌。演技を合わせてくれた騎士には感謝しなくては。リオンと、サリナが呆れた顔になったから誤魔化しが通じたと、ほっとしたのも束の間、グリドと、アネットが別々に拉致られるという、想定外が起きる。
最初に会えたのはグリド。彼は、エミリアを見て絶句していた。
「何でお前がここにいるんだ?」
「話、聞いてなかったの?私を保護しろって言われてるんじゃないの?」
「いや、俺は……兎に角暴れろって聞いてる。」
「誰情報よ、それ。」
「中に入り込むまでは大人しくして、できれば中で暴れて、注意を反らせと。アネットが暴れやすいからと。」
「……そのアネット先輩が、拉致られてるんだけど。」
「は?」
人の気配に、グリドに抱きついて顔を隠す。グリドは真剣な顔をして扉付近に神経を尖らせたが、そちらに視線は送らなかった。
アネット先輩の顔が見えた瞬間、どこからか大きな声で「確保」と聞こえた。気づいてはいなかったが、グリドの周りには援軍の先輩方が押し寄せていたのだった。
「先輩をつけなさい。呼び捨てはダメよ。」
アネット先輩は、私達にそう言った。
「尊敬できない奴に先輩はつけられない。」と、グリドは言ったが、エミリアは背後から物凄い圧が、グリドを襲おうとしているのを感じていた。
アネット先輩はおっさんに人気があるんだから、やめなさいよ。
グリドの生意気な態度は、仕様だ。嫌いな人間を無視する彼が自ら絡みにいくのだから、野生動物が心を開くまでには懐いているのだろう。
妹も騎士だったが、当時付き合っていた恋人に騙されて、売られたという。
「妹は確かにここに来た。あの騎士服が証拠になる。お前はどこの人間だ?」
騎士は、エミリアを騎士だとは思わなかったらしい。所詮はその程度。自分は騎士としても中途半端だ。
騎士の調べによると、南の辺境伯領に隣接する他国から買付に来ているやばい奴がいるという。
「国では、権力のある人物で、滅多にない技術を持っているという。彼がこの組織を手伝っているのは明白で、お前が助けたご令嬢が飲んでいた液体も、彼が用意したものだと、判明している。
彼の狙いは屈強な女騎士だが、お前は屈強とは言い難いな。私の所属する団には、女騎士はいない。お前の知り合いに丁度良いのはいないか。囮になってくれるような、女騎士は。」
エミリアの頭に浮かんだ人物は、あのアネットだった。
「いるけど……手伝ってくれるかはわからない。私、嫌われてるしな。手伝いを断られるかもしれない。」
「なら、最後の手段だな。私が女装しよう。」
エミリアはこんな状況で冗談をいう男を信じられない目で見つめた。だけど、綺麗な顔の騎士は身長とガタイ以外は、案外女性に見えるのだから、全くの冗談というわけでもなさそうだった。
しかし、エミリアの報告を聞いたスエード卿が、アネット率いる新人騎士を全て囮にしようとしたなんて、エミリアが知るわけもない。
気がつけば、エミリアは作戦の中に組み込まれていた。
リオンとグリドの女装はとても良かった。咄嗟に笑い出しそうになって、リオンを突き飛ばしたのはご愛嬌。演技を合わせてくれた騎士には感謝しなくては。リオンと、サリナが呆れた顔になったから誤魔化しが通じたと、ほっとしたのも束の間、グリドと、アネットが別々に拉致られるという、想定外が起きる。
最初に会えたのはグリド。彼は、エミリアを見て絶句していた。
「何でお前がここにいるんだ?」
「話、聞いてなかったの?私を保護しろって言われてるんじゃないの?」
「いや、俺は……兎に角暴れろって聞いてる。」
「誰情報よ、それ。」
「中に入り込むまでは大人しくして、できれば中で暴れて、注意を反らせと。アネットが暴れやすいからと。」
「……そのアネット先輩が、拉致られてるんだけど。」
「は?」
人の気配に、グリドに抱きついて顔を隠す。グリドは真剣な顔をして扉付近に神経を尖らせたが、そちらに視線は送らなかった。
アネット先輩の顔が見えた瞬間、どこからか大きな声で「確保」と聞こえた。気づいてはいなかったが、グリドの周りには援軍の先輩方が押し寄せていたのだった。
「先輩をつけなさい。呼び捨てはダメよ。」
アネット先輩は、私達にそう言った。
「尊敬できない奴に先輩はつけられない。」と、グリドは言ったが、エミリアは背後から物凄い圧が、グリドを襲おうとしているのを感じていた。
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