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わたくし、元婚約者と喧嘩しますわ
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怯えるマーガレットさんへ、奥の部屋にいるように言ってから、突然現れたエドワード様をテーブルへと着かせました。従者もおらず、お一人のようです。
「彼女は誰です」
視線はマーガレットさんがいる部屋へと向けられていました。
「わたくしの義妹ですわ」
「では、あなたとウィリアム・ウェストは……」
「ええ、結婚しております。お茶を入れてまいりますわ、待っていてくださいまし」
にこりと微笑むと、エドワード様は愕然とした表情になりました。
「メイベル様がいれるのですか? 使用人はいないのですか」
「おりません。全部、自分たちでやるのですわ」
わたくしの返事に、エドワード様は家の中を見渡しました。その目に映る庶民の暮らしは、彼にとって物珍しいものであったのでしょう。こんなことを言ってきました。
「……このような暮らしは、あなたに相応しいとは思えません」
「相応しい、相応しくないはわたくしが決めることですわ」
はあ、とエドワード様は深い溜息をつかれました。片手をテーブルの上に置いて、立ったままのわたくしを見上げます。
「茶は必要ありません。どうぞおかけください。あなたと話がしたいのです」
そう言われては仕方がありません。わたくしも彼の向かいに腰掛けました。
キースさんのお誕生日会にはあれほど楽しかった空気に包まれていたこの空間は、今や重苦しい沈黙に満たされていました。長い長い静寂にも関わらず、一向に話し出さないエドワード様にしびれを切らして、口を開いたのはわたくしからでした。
「どうしてわたくしがここにいると分かったのです?」
エドワード様がじっとわたくしを見つめました。
「あなたの置き手紙はすぐに私のもとへと届けられました。心臓が止まるかと思いましたよ。まさか、どこかで死ぬ気ではないかと――しかしジャスティン様が、あなたは絶対に自分で死を選ぶ人間ではないと言っていた。彼は、あなたの生死に関して、あまり心配はしていないようでした。
ではどこに行ったのかと、心当たりを探し始めました。あなたはウィリアム・ウェストにこだわっていたようでしたから、ここも候補の一つではありましたが――。
あなたのお兄様は、あなたはここにはいないとおっしゃって、すぐには探さなかった。しかし、私にはそうは思えなかった」
お兄様がなぜそんなことを言ったのかは分かりませんが、遅かれ早かれこの家に辿り着かれていたのでしょう。
エドワード様は言いました。
「あなたを連れ戻します」
「嫌です。わたくしの家はここですもの」
「あなたの居場所はここではない!」
「声を落としてくださいまし。幼い少女がいるのですよ?」
それでも彼の興奮は鎮まることはありません。片手でテーブルを叩きました。
「あなたをあの危険な男に近づけておくわけにはいかない! 彼は人殺しだ!」
「戦争ですもの。彼らが戦わなくてはこの国は守れません。あなただって戦争で人を殺したのでしょう?」
「戦争のことを言っているのではありません。彼について調べました」
ようやく彼は声を落としました。そうして、はっきりと告げたのです。
「インターレイク家の前当主夫妻は、ウィリアム・ウェストによって殺害されています」
次に声を荒げたのはわたくしの方でした。夫を侮辱されて、黙っていられるほど優しい人間ではないのです。
「なに……なんですって? なにをおっしゃるのです! わたくしの両親は熱病でした。病死です!」
「お兄様は、波風が立たないようにそういう風に妹二人に説明したのでしょう。ですが違います。サイラス・ハイマー様が教えてくださいました。――――毒を盛ったのは、ウィリアム・ウェストであると。
幼いあなたは覚えていないかもしれませんが、当時、給仕係は彼でした。毒を盛るのは容易い。しかし彼はまだ子供でした。ハイマー様は彼の出自を憐れんで、側に置くことにしたようです。
あの男は、そんな恩を忘れて、あなたを騙し籠絡した。金目当ての結婚でしょう!」
カッと頭に血がのぼり、わたくしは立ち上がり大声を出しました。
「なぜウィルがそんなことをする必要があるのです!」
「金目の物を盗むつもりだったのでしょう。あるいは単に、貴族が憎かったのかもしれません」
「いくらエドワード様といえど、わたくしの夫を侮辱するような真似は許しません!」
エドワード様の顔が青ざめました。
「あなたの夫は私でしょう!」
「あなたとは結婚しておりません! わたくしはウィリアム・ウェストと結婚式を挙げ、夫婦の契りをすでに交わしておりますもの!」
信じられないケダモノを見るような目つきで、エドワード様はわたくしを見ました。
「まさか、あの男と同衾したのですか?」
当たり前でしょう? 彼以上に素敵な男性が、この世界のどこにいるというの?
「だって夫婦ですもの! それの何が悪いのですか? サイラス叔父様はわたくしにウィルとの結婚を命じ、わたくしはそれを果たしました。それだけですわ!」
家の扉が開いたのはその時でした。
見ると、驚愕に目を見開いたウィルが、背後にマーガレットさんとキースさんを伴って立っていたのです。
「外まで声が漏れていました。一体、何が……。そこにいらっしゃるのは、エドワード様ですか?」
どうやらマーガレットさんが窓から外に出て、兄たちのことを呼びに行ったようでした。ウィルは今日、叔父様のところではなく、別の仕事の方に行っていて、だからマーガレットさんも呼びに行けたのです。
けれどタイミングとしては、最悪だったかもしれません。
怒れるエドワード様は立ち上がるとそのままの勢いでウィルに殴りかかりました。
「貴様! 命はないと思え!」
殴り飛ばされたウィルは抵抗もせずエドワード様を見ております。エドワード様はさらにウィルの胸元をつかむと殴りつけました。
「人殺しめ! 貴様がインターレイク家の夫妻を殺害したことは知っている! メイベル様も誑かしたのは許しがたい。この悪魔め!」
一番に我に返ったのはわたくしでした。エドワード様の体を捕まえると必死に叫びました。
「よしてくださいまし!! 彼は抵抗をしていないじゃないですか!」
次に、キースさんがウィルとエドワード様の間に入ります。
「貴族かなんだか知らないが、それほどお前は偉いのか! 無抵抗の市民を殴りつける正義がどこにある!」
あまりの恐怖に、マーガレットさんは泣き出してしまいました。慌てて彼女を抱きしめ、エドワード様を睨みつけました。
「エドワード様、帰ってくださいまし!」
「ですがメイベル様!」
「帰ってください! 市民を守る貴族が、証拠もなしに言いがかりをつけるなんてあってはなりません! あまつさえ、幼い少女を怯えさせていいのですか! 帰って、二度とここに来ないでくださいまし!!」
「しかしメイベル様……!!」
腕の中でマーガレットさんが震えておりました。地面に座るウィルの前にはキースさんが守るように立っています。けれど少年の顔も、今にも泣き出しそうでした。
周囲の家々から人々が顔を出すのが分かります。
劣勢だと、判断されたのでしょうか。
「……今は、帰ります。ですがハイマー様に報告します」
エドワード様は静かにそう言うと、その場を立ち去りました。
彼が本当に姿を消したのを見て、わたくしたちはウィルに駆け寄ります。唇の端は切れて血が出ておりましたし、殴られた頬は赤くなっておりました。
「大丈夫だ、問題ない。メイベル様も、お怪我はありませんか」
そう言って立ち上がるウィルに、キースさんが怒ります。
「っていうかお前だって抵抗しろよ!」
「そんなことはできない」
そう答えるウィルの気持ちは痛いほど分かりました。
貴族と平民が争ったとき、負けるのはどちら――などという問いは、果てしなく愚問に近いものです。
なぜなら常に貴族が勝ちます。いかに非が貴族にあろうとも、処刑されるのは平民です。この国はそういうものなのですわ。
わたくしにもどうしようもないことでした。
抵抗すれば、ウィルだけじゃなく、キースさんにもマーガレットさんにも危害が及ぶでしょう。それは絶対になりません。
ウィルは、暗い瞳をわたくしに向けました。
「中に入りましょう。これからのことを、話さなくては。エドワード様は、俺があなたのご両親を殺したとおっしゃっていた……」
「ええ。ですがとんでもない嘘です。サイラス叔父様がわたくしを取り戻そうと下手な嘘を吹き込んだのでしょう」
わたくしがそう言っても、ウィルの瞳は晴れません。それどころか――あり得ないことを、静かな声で言ったのです。
「いいえ、メイベル様。彼は正しい。俺がやりました。俺が、あなたのご両親を殺したのです」
「彼女は誰です」
視線はマーガレットさんがいる部屋へと向けられていました。
「わたくしの義妹ですわ」
「では、あなたとウィリアム・ウェストは……」
「ええ、結婚しております。お茶を入れてまいりますわ、待っていてくださいまし」
にこりと微笑むと、エドワード様は愕然とした表情になりました。
「メイベル様がいれるのですか? 使用人はいないのですか」
「おりません。全部、自分たちでやるのですわ」
わたくしの返事に、エドワード様は家の中を見渡しました。その目に映る庶民の暮らしは、彼にとって物珍しいものであったのでしょう。こんなことを言ってきました。
「……このような暮らしは、あなたに相応しいとは思えません」
「相応しい、相応しくないはわたくしが決めることですわ」
はあ、とエドワード様は深い溜息をつかれました。片手をテーブルの上に置いて、立ったままのわたくしを見上げます。
「茶は必要ありません。どうぞおかけください。あなたと話がしたいのです」
そう言われては仕方がありません。わたくしも彼の向かいに腰掛けました。
キースさんのお誕生日会にはあれほど楽しかった空気に包まれていたこの空間は、今や重苦しい沈黙に満たされていました。長い長い静寂にも関わらず、一向に話し出さないエドワード様にしびれを切らして、口を開いたのはわたくしからでした。
「どうしてわたくしがここにいると分かったのです?」
エドワード様がじっとわたくしを見つめました。
「あなたの置き手紙はすぐに私のもとへと届けられました。心臓が止まるかと思いましたよ。まさか、どこかで死ぬ気ではないかと――しかしジャスティン様が、あなたは絶対に自分で死を選ぶ人間ではないと言っていた。彼は、あなたの生死に関して、あまり心配はしていないようでした。
ではどこに行ったのかと、心当たりを探し始めました。あなたはウィリアム・ウェストにこだわっていたようでしたから、ここも候補の一つではありましたが――。
あなたのお兄様は、あなたはここにはいないとおっしゃって、すぐには探さなかった。しかし、私にはそうは思えなかった」
お兄様がなぜそんなことを言ったのかは分かりませんが、遅かれ早かれこの家に辿り着かれていたのでしょう。
エドワード様は言いました。
「あなたを連れ戻します」
「嫌です。わたくしの家はここですもの」
「あなたの居場所はここではない!」
「声を落としてくださいまし。幼い少女がいるのですよ?」
それでも彼の興奮は鎮まることはありません。片手でテーブルを叩きました。
「あなたをあの危険な男に近づけておくわけにはいかない! 彼は人殺しだ!」
「戦争ですもの。彼らが戦わなくてはこの国は守れません。あなただって戦争で人を殺したのでしょう?」
「戦争のことを言っているのではありません。彼について調べました」
ようやく彼は声を落としました。そうして、はっきりと告げたのです。
「インターレイク家の前当主夫妻は、ウィリアム・ウェストによって殺害されています」
次に声を荒げたのはわたくしの方でした。夫を侮辱されて、黙っていられるほど優しい人間ではないのです。
「なに……なんですって? なにをおっしゃるのです! わたくしの両親は熱病でした。病死です!」
「お兄様は、波風が立たないようにそういう風に妹二人に説明したのでしょう。ですが違います。サイラス・ハイマー様が教えてくださいました。――――毒を盛ったのは、ウィリアム・ウェストであると。
幼いあなたは覚えていないかもしれませんが、当時、給仕係は彼でした。毒を盛るのは容易い。しかし彼はまだ子供でした。ハイマー様は彼の出自を憐れんで、側に置くことにしたようです。
あの男は、そんな恩を忘れて、あなたを騙し籠絡した。金目当ての結婚でしょう!」
カッと頭に血がのぼり、わたくしは立ち上がり大声を出しました。
「なぜウィルがそんなことをする必要があるのです!」
「金目の物を盗むつもりだったのでしょう。あるいは単に、貴族が憎かったのかもしれません」
「いくらエドワード様といえど、わたくしの夫を侮辱するような真似は許しません!」
エドワード様の顔が青ざめました。
「あなたの夫は私でしょう!」
「あなたとは結婚しておりません! わたくしはウィリアム・ウェストと結婚式を挙げ、夫婦の契りをすでに交わしておりますもの!」
信じられないケダモノを見るような目つきで、エドワード様はわたくしを見ました。
「まさか、あの男と同衾したのですか?」
当たり前でしょう? 彼以上に素敵な男性が、この世界のどこにいるというの?
「だって夫婦ですもの! それの何が悪いのですか? サイラス叔父様はわたくしにウィルとの結婚を命じ、わたくしはそれを果たしました。それだけですわ!」
家の扉が開いたのはその時でした。
見ると、驚愕に目を見開いたウィルが、背後にマーガレットさんとキースさんを伴って立っていたのです。
「外まで声が漏れていました。一体、何が……。そこにいらっしゃるのは、エドワード様ですか?」
どうやらマーガレットさんが窓から外に出て、兄たちのことを呼びに行ったようでした。ウィルは今日、叔父様のところではなく、別の仕事の方に行っていて、だからマーガレットさんも呼びに行けたのです。
けれどタイミングとしては、最悪だったかもしれません。
怒れるエドワード様は立ち上がるとそのままの勢いでウィルに殴りかかりました。
「貴様! 命はないと思え!」
殴り飛ばされたウィルは抵抗もせずエドワード様を見ております。エドワード様はさらにウィルの胸元をつかむと殴りつけました。
「人殺しめ! 貴様がインターレイク家の夫妻を殺害したことは知っている! メイベル様も誑かしたのは許しがたい。この悪魔め!」
一番に我に返ったのはわたくしでした。エドワード様の体を捕まえると必死に叫びました。
「よしてくださいまし!! 彼は抵抗をしていないじゃないですか!」
次に、キースさんがウィルとエドワード様の間に入ります。
「貴族かなんだか知らないが、それほどお前は偉いのか! 無抵抗の市民を殴りつける正義がどこにある!」
あまりの恐怖に、マーガレットさんは泣き出してしまいました。慌てて彼女を抱きしめ、エドワード様を睨みつけました。
「エドワード様、帰ってくださいまし!」
「ですがメイベル様!」
「帰ってください! 市民を守る貴族が、証拠もなしに言いがかりをつけるなんてあってはなりません! あまつさえ、幼い少女を怯えさせていいのですか! 帰って、二度とここに来ないでくださいまし!!」
「しかしメイベル様……!!」
腕の中でマーガレットさんが震えておりました。地面に座るウィルの前にはキースさんが守るように立っています。けれど少年の顔も、今にも泣き出しそうでした。
周囲の家々から人々が顔を出すのが分かります。
劣勢だと、判断されたのでしょうか。
「……今は、帰ります。ですがハイマー様に報告します」
エドワード様は静かにそう言うと、その場を立ち去りました。
彼が本当に姿を消したのを見て、わたくしたちはウィルに駆け寄ります。唇の端は切れて血が出ておりましたし、殴られた頬は赤くなっておりました。
「大丈夫だ、問題ない。メイベル様も、お怪我はありませんか」
そう言って立ち上がるウィルに、キースさんが怒ります。
「っていうかお前だって抵抗しろよ!」
「そんなことはできない」
そう答えるウィルの気持ちは痛いほど分かりました。
貴族と平民が争ったとき、負けるのはどちら――などという問いは、果てしなく愚問に近いものです。
なぜなら常に貴族が勝ちます。いかに非が貴族にあろうとも、処刑されるのは平民です。この国はそういうものなのですわ。
わたくしにもどうしようもないことでした。
抵抗すれば、ウィルだけじゃなく、キースさんにもマーガレットさんにも危害が及ぶでしょう。それは絶対になりません。
ウィルは、暗い瞳をわたくしに向けました。
「中に入りましょう。これからのことを、話さなくては。エドワード様は、俺があなたのご両親を殺したとおっしゃっていた……」
「ええ。ですがとんでもない嘘です。サイラス叔父様がわたくしを取り戻そうと下手な嘘を吹き込んだのでしょう」
わたくしがそう言っても、ウィルの瞳は晴れません。それどころか――あり得ないことを、静かな声で言ったのです。
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