〜クイーン·ザ·セレブレイド〜

ヒムネ

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プリンセス ―ショート―

決着

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 思うところがあるのかライト騎士は前に出て、


「ベルディ様、私のお相手をして頂けますかな?」


「ええ、構わなくてよ」


 騎士兵士たちも見物し2人の練習試合が始まった。


 10分後、


「はぁ、はぁ、もう止しましょう」


「はい、ハァ、ハァ······」


 互角に闘ったベルディに拍手喝采が送られ、対戦相手と手を握ると、


「さすがベルディ様」


 すると彼女が、


「ライトの剣って何か空っぽって感じがするけど、どうして?」


「闘う時は気持ちを無にしていますからね」


「ふ~ん――」


 10年近く前からすでにその頭角を現し勝てる者はいないほどの強さで、それはニゲラニ城のバイオレット王女も撤退するほどであった。
「何の心配もあるまい」と余裕を持つゴルドバ軍、その思いの通りロベリーは1度後ろへと下がる。


「ハァ、ハァ、つ、強い」


「どうしたのロベリー王女、そんな荒々しいだけの剣じゃ私は倒せなくてよ」


「くっ!」おまけに余裕な笑みをされては精神的に堪えるが、再び勢いを付け踏み出し右、左と連撃を繰り返す。


 しかしロベリーが右を狙うほんの一瞬前にベルディの剣は動き、ならばとフェイクを入れつつ左を狙ってもまたその前に剣で防がれ、再度後ろに下がる。


「剣は技術、あなたの剣は感情を入れ過ぎて無駄が多い」


 攻めているロベリーの方が体力を奪われていく。


 少しづつ詰め寄るベルディは「まだ続けるの?」と
哀れに思えてきていた。


 だが剣を地面に刺し頭を下げ疲弊していた彼女が頭を上げた時「この子」その闘志は死んでいない事に気づく。



 このままではやられる。



 なんとかしなければと短い時間で脳が答えを導き出しベルディへと向かう。



 右大ぶりの剣、しっかりと見抜き剣をさばいた次の瞬間、



「えっ!」



 思わず後退した。



 今のは、左の拳。



「あと、少しでした、さすがですね」



 剣では敵わないなら拳も入れるのねと笑みを浮かべながら目を見開くベルディ。


「いきます!」


 次はそうはいかないとロベリーの剣が左横薙に来るのを読むと、


 ピタッと当たる寸前に剣は止まり、


「はぁぁああっ!」


 ロベリーの右膝がベルディの左脇腹に入り、今度はベルディが後ろに下がった。


「なかなか、やるわね······」


 そう言いつつふと痛みではない違和感がして何かやきもきする。


 ロベリーが危機の中見つけた剣と拳と蹴りの複合攻撃に、ベルディは選択肢を増やされいつの間にか苦戦していった。
 さきほどとは打って変わってゴルドバ軍は心配の雰囲気に、ランク軍は盛り返して来た王女に安堵と応援をする。


「ハァ、ハァ、くっ」


「はぁぁーっ」


 だがベルディもいままで受け身だったが攻撃を繰り出し始めロベリーも回避せざる負えなくなると、



「ロネリー!」と馬を呼び騎乗した。



「今度は騎馬戦?」と読み空かさず、「レディーッ!」と馬を呼び、



「「はぁぁっ!」」



 日差しの中、馬と馬が飛び上がり剣と剣が鳴り再び闘い合う。



 ――闘い合って30分に刺しかかった頃、ついに決着の時が訪れる。



 ベルディにとっては違和感だらけの闘いに、



「ロベリー王女、あなたは勝って何をするつもりなの?」

 

「······全ての王女を倒しわたくしがクイーン·ザ·セレブレイドに、なるんです」



「全ての王女を殺す事が、平和······」



 何故か返す言葉の途中ベルディは一瞬ぶつぶつと独り言を話したあと、



「そのあとオブスーンはどうなるの?」



「······そのあと、世界を平和になるんです!」



 思わず笑みをこぼす。



「そっ、じゃあケリをつけましょうか」



「はい、あなたを倒しますベルディ王女」



 ついに決着の時と息を飲む両軍の騎士兵士たち、



 目を一旦閉じ覚悟を決めるロベリー、



 私が勝たなくては、この世界はバーナやチュリンのような犠牲者が出てしまう。



 ベルディも心を整理していく。



 ゴルドバの皆、チェロ、あたしは、。必ず平和な世界にっ!


 
「いきますっ!」


「······ええ」



「「はぁぁぁーっ!」」



 勝負は一瞬だった。



「ぐふっ······や······」



 どうなったと結果を見守る騎士兵士、


 互いの剣が交差したところで止まり肩の上に倒れたのは、


 ベルディだった。


 何故だとゴルドバ軍は激しく動揺するもロベリーが担ぐ下にはベットリと血が出てライト騎士団長は、


「まさか······ベルディ王女が······殺された?」


 それだけではなく、


「ホマッ、ベルディ王女を棺桶に」

「ハッ」


 豪華な馬車の中に棺桶がありそこにベルディ王女を入れるところで、騒然とするゴルドバ軍にライト騎士団長が、


「どうするつもりだっ」


 するとロベリーは睨みながら、


「······私がクイーン·ザ·セレブレイドになった証として遺体はランク城で埋めます」


 ふざけるなと怒りをあらわにする騎士兵士たちだが、


「全軍の指揮権は勝った者のはずです。それともベルディ王女の命令に逆らうと言うのですか?」


 ベルディ王女という指揮者を失ったゴルドバの騎士兵士たちはもはやどうすればいいのか分からず、自然とライト騎士団長に頼るようなり、


「くっ、ロベリー王女······我々、ゴルドバ軍に、どうしろと?」


「ライト騎士団長、臆するのですか? ここでベルディ王女の仇をっ!」


「黙れっ、それではベルディ王女に背く事になる······ロベリー王女」


「では命じます······母城で待機なさい」


「だが、遺体は······」


「全手の戦いが終わった時、ベルディ王女の遺体は返すと約束しましょう」


 そう言われロベリー王女に合わせるようにランク軍も撤退していく。ただその姿を見ることしか出来ないゴルドバ軍は呆然とする者やその場で膝を付く者などただただ敗北を認めざるを得なかった······。



 勝利を収めたランク軍が城に帰る途中ヤクナは、

「ロベリー王女、これで、良かったのですか――」


 一昨日の事、父やヤクナ、それにホマや兵数人に、


「お話があります。私はクイーン·ザ·セレブレイド宣言をいたします」


「な、何を言っているんだロベリー! ゴホッ、ゴホッ」


 お父様と心配して手を貸すが、


「ロベリー、そんな事はこの王である父が許さん」


 苦しそうも真剣に娘の過ちを止めようとする父。


「いえ、宣言いたします」


「ロベリーッ!」


「お父様、このままでは皆が死んでしまうかも知れないのです」


「お前はなにを、ゴホッゴホッ」


「お父様!」


 興奮し過ぎたのか咳をするようになり、これ以上は危険と思いロベリーが医療班に父の部屋に連れて行くよう伝えると最後まで彼女を叫びながら部屋へと戻される。


「ロベリー王女、我々にも説明を!」


 怒っているのを隠せないほど動揺するヤクナだがロベリーは落ち着いて話す。


「私はラドルフに裏切られました。その衝撃は計り知れなかった。今でも信じたくありません······しかしバーナを殺された以上、現実から逃げるわけにもいかなくなりました。だから私は――」


「それはいったい?」


 ヤクナ、ホマ、騎士や兵士たちも無茶であると驚き止める声も、


「これには皆さんの力が必要なんです······」


 全く引かないロベリーのをしった。



「――何がですかヤクナ」


「こんな、これではあなたは」


「私は私のやるべき事をしているまで。そんな事より、城に戻ったら次の戦いの準備を」


 まったく動揺の無いロベリー王女の横顔に不安を覚えてしまうが、


「次はどこを?」


です」


 迷いを見せないロベリー、城へ戻れば父が来て止めるよう話すが首を縦には振らず父を部屋に戻すように兵に命令、もはや最後の頼みのプログ王も払いのけ、これでもう彼女を止められるものは誰もいなかった······。



 一方、負けたもう1つの国ゴルドバ城では、



「う、うそ、ウソでしょ、姉が、死んだ······」



「はい、しかも遺体もロベリー王女が『クイーン·ザ·セレブレイドの証』と言って持ち去り」



 愕然とて膝も落とす。さらには、



「そのせいで、その······ライト騎士団長がお辞めに」



『忠誠を誓った者が亡くなった』それでもう役目は終わったと、訳がわからないと失意な妹チェコを置いてゴルドバ城は一気に柱を失うという窮地にたたされてしまう。



 ゆる······さない、地面に両手を付けぐっと握りしめ、



「うぁあああーっ!」



「チェコ様、どうか落ちついてください!」



「ゆるさない、絶対に許さない······ランク城······いや、··ッ!」

 大粒の涙が絨毯に降り、そしてもう1人、姉を失った悲しみから復讐の焔が宿った者が生まれてしまった······。
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