25日のスローライフ

ヒムネ

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一花雨

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「――すいません、もうこれ以上は」
 ボランティアに来ていた私ですが、昨日よりも足を運ぶ人の多さの列に体育館の中もいっぱいいっぱいでした。
「羽嵐先生、もうどうしたらいいか」
「そうね、でもそれだけじゃない」
「はい」
 外に出ると発光現象が更に増えていて夜でも明るい都会の街並みに光は強くなっていたのです。
「湖とか道路の裂け目とかから光が強く多く発光してる」
「5日でって言うのは、間違ってないのかも……」
 そう、今日と合わせて5日で地球が滅びてしまう。そう感じずにはいられない状況に見えました。
「地球が……亡くなる……」
「行きましょう、後光さん…」

「――なんだね休日の日に」
「すいません緊急だったもので、ではお伝えします。謎の発光現象は6割を越えて7、8割に迫ります。それと宇宙船を飛ぼすと言うデモの数も6割。エイジの患者数は地球で5割に到達、そのほとんどの原因は発光現象を長期に目視することによるものと判明」
「そうか、まあ残り4日で地球は無くなれば人々も大人しくなるだろう……」

「――後光さん?」
 ドサッ、発光現象による光を見ていた私は身体全身の力が抜けてその場で倒れてしまいました。
「どうしたの、後光さんっ!」
 この時、私は目の前が真っ暗な闇になりました……。

 ――くらい牢屋の中、その畳6個分の広さでベッドで起きた私。
「はぁっ、はぁっ、私は……わたしはなんてことをっ!」
 その手は、血に濡れていました。そう、私は両親を手に掛けてしまったのです……。
 嘘……ウソ……うそよっ、私は、わたしが手にかけるなんて……どうして……ウソよっ、うそよぉぉぉっ……。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……私は……わたしが……」
 目が覚めて自分の部屋とベッドにだと気が付いて夢だとわかりました。それでも身体から冷汗をかいていたのです。妙にリアルで心臓の鼓動はなっています。
「夢でよかった……でも……死ぬんだ……もう……」
 ガチャリッ、とドアノブの音。
「一花~、起きてる?」
「うっうっ……」
「一花っ!?」
「みんな……死んじゃうよ……」
 私は、突然と自分が、暗いくらい闇の中で、凍えるように寒く一人死んでいくと感じて涙が出ました。それと自分以外の全ての人が消えてしまうことがまた、哀しかったのです。
 その姿を見たからかお母さんは私の肩を掴んで名前を呼びます。
「一花っ、どうしたの一花」
「うっうっ……」
「一花……ほんとうは、地球が亡くなるってことが恐かったのね」
「おかあさん……ちがうの」
「え?」
 本当に最初は悔いがなく生きる、例え自分自身が消えてしまっても良いようにと、そう思ってた。
「でも……いまは、ちがうの!」
 最初は自分が消えてしまうのは仕方がないと思ってた。だけど1日、2日、3日、5日……と人と関わっていくうちに様々な経験と心と心の繋がりを感じたことで私は、自分が出会った人達が亡くなるのが嫌になった。
「一花……」
「だって……だって、同級生の茉莉さんにそのお姉さんの黄華さん、先輩の早梨先輩さんとか、後輩の大桃さんに木下さん、羽嵐先生、別の学校だけど友だちになった千暖さん、ラーメン屋で出会った東さん夫婦に佐藤さん……どうして……死なないといけないの……どうして……」
 名前を出せばきりがありません。でも私は、自分よりも皆んなが消えることが我慢できませんでした。
「怖い……こわいよ……おかあさん」
「そばにいるわっ、お母さんがそばにいるからね一花」

 結局わたしは回復せず夜になりました。するとお父さんが帰ってきてお母さんが事情を話すと私の部屋まで来てくれました。
「一花っ、一花っ……いまの、気分は……」
 私は答えられず首を振りました。
「そうか……なにか欲しい物はないか?」
「うん、なにも、ない」
「そっか」
 お父さんが扉を閉めると、私は窓から見える夜空の星をただ見るだけでした。でもすぐにお父さんがまた入ってきました。
「一花、あのさ、お父さん明日から休みなんだ……ホラッ、地球も残り4日だからさ会社もせめて残りを家族と暮らせってことで」
「……」
「それでさ、お母さんと話して、明日家族で一日ドライブに行かないか?」
「ドライブ……」
「一日家族で色々行ってさ、そうすれば一花も元気になるかもしれないぞ?」
「……」
「一花、お母さんもお父さんの意見に賛成……きっと今の一花に必要なのは休息だと思うの、だから、行こう家族でドライブに、ね?」
 私はこの時また一日が過ぎてしまうのが恐かったけれど、身体が反応したのか行くことに頷きました……。

 家族でドライブは明日、残りは4日……。
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