夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

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花火大会

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 ヒュゥゥゥ~ッドンッ、


 ドンッ、


 パラパラパラッ、


 夜に一連の花火の動作に人々の心は釘付けであった。


「赤~、青~、きれいね~」


「ホントですね~」


 ブルー·シートに座っている精霊バナナ·ガールのナナと桜子ようこもついつい声が出る。
 さらに後ろには末信すえのぶと家族なども揃って夜空を見上げていた。


 ヒュゥゥゥ~ッ、


 ドンッ、


「キレイだね、向日葵ひまわりちゃん」


「うん、キレ~イ」


 こちらも友だち同士で話す千夏と向日葵。


「ねえ千夏ちゃん、あのたれる花火って知ってる?」

「ナナお姉ちゃん、え~あたしそういうのわかんない」

「尾を引かないあれは牡丹ぼたんよ、ズズズッ」


 そんな小学生な二人に正座してお茶を飲みながら教えてあげ始める。


 ヒュゥゥゥ~ッ


 ドンッ、


「じゃああれはなに? ナナお姉ちゃん」

「あれはやなぎ、割れてから光が落ちるようでしょ」


 次々と答えてくれるナナにもはや知らぬものなしっ、さまざまな質問も、


「ふふ、あれは冠菊かむろぎくよ」


 何なんくクリア。するとふと気になった向日葵が、


「どうして冠菊っていうの?」

「それはね、え、え~っと、それはね、え~・・・」


 子どもとは、ふと大人の感受性の不意をついてくるもので物知りと思われているナナがまさかのピンチに。汗が滲み出て考えるも頭に一言『しらねー!』がしつこく叫んでいた、それでも花火は上がり続ける。


「ねぇねぇお姉ちゃん」

「あ、あのね~、それはね~・・・」


「童女の似ている事からきて、江戸の昔、花火師の失敗から生まれた花火じゃ」


 ナナを助けたのはブルー·シートで戦った夏子お婆ちゃんだった。ホッとして夏子お婆ちゃんに親指でグッドのサインを送りニコッとする。


「ヘ~そんな昔から~」

「そうよ~、花火もね2人の大先輩ってわけね、それよりももっと近くで観ようか」


 うんっと、面白そうと元気な小6の2人と花火にもっと近づいて楽しむことにした。



 ヒュゥゥゥ~・・・、



 ドォーンッ!



「「うわっ!」」



「ワーオッ、やっぱり近づくとダイナミックねー」



 音がより強く響き遠くで聞くのとはまるで別格、花火は自分たちの真上で舞い不思議と気持ちもいい。コンサート会場のようにも感じた。

 ところが少し経って空は真っ黒のまま、


「あり? まだ終わりには早いと思うけど」

「うん、まだ終わりの時間じゃないよ」


 スマホで時間を見せた千夏の言うとおりで、これはなにかトラブってるかも、もしそうならこのスカッとするような感覚が2人だけでなく来ているお客さんも台無しに、そう直感しナナだけで花火師たちのところに向かってみる。


「あ、ナナお姉ちゃん」

「危ないですよ」


 心配をよそに河川敷を下り、こっそりと隠れられそうな大きな草に近づいて話し合ってる花火師たちを発見、会話を盗み聴く。


「どうしましょう、3尺も4尺もうっかり転んで濡らして使い物にならないし」

「そんな、ここまでか」

「くっ、せめて残りを打ち上げて」


 どうやら下っ端がヘマをしたらしく急なことで動揺しているようだ。


「まいったな」


 なのでニヤリとナナ。


「ちょっとまったっ!」


「ん? 誰ですか、ここは立入禁止・・・」


 パチンッ☆


「3尺玉ならここにあるわ、ホイッ」


「うわっわっと」


 指パッチンで出した3、4尺玉を渡す。


「こ、これは!」


「まだまだあるわよ~、そ~れっ」


 パチンッ、パチンッと次から次へと出していく。


「うわわわわっ、あんたいったい」


「大切な友だちやその家族が花火を楽しみにしてるの、ガッカリさせるわけにはいかないのよ」


 出し終えて振り向くと親方らしき男が、


「すまねぇな嬢ちゃん、しかしあんたなにもんだ? 花火師にはみえねぇが」


「あたしはバナナが大好きなただの美人ギャルよ、チョモロハ」


 ウインクをしてその場を去っていく謎のギャル、自分で美人っていうか。なにわともあれこれで続けられると安堵しその去っていくギャルの背中におじぎをする花火師たちだった······。



「ナナさんおかえり」

「おう、向日葵ちゃん」

「どうだったのナナお姉ちゃん?」

「なーに、ちょっとしたトラブルよ、すぐに花火が始まるからブルー·シートまで戻ろ」


 戻りながらもニカニカとするナナ、あきらかに何かを企んでいるようだ。皆のところに戻って軽く説明したあとは座って花火を鑑賞する。


 ヒュゥゥゥ~ッ、


 ドンッ、


 ヒュゥゥゥ~ッ、


 ドンッ、


「いつみてもきれーい」


「・・・よ、桜子ちゃんの方が、き、きれいだよ」

「なにあれ?」


 せっかく決めたのに人々のざわめきで全て台無し、なんなんだよと逆ギレ状態で花火のほうを振り向いた末信は「はあ?」と目が点に、それは、



『バナナ・LOVE♡』



 と花火が形に。


 ヒュゥゥゥ~ッ、


 ドンッ、


「あれっ・・・ナナお姉ちゃんみたい!」


 今度は人の顔をした花火で知っている人は皆でナナっぽいと気づく。

 しかし滞空時間が何やら長い、

 2発目の花火が、



 ヒュゥゥゥ~ッ、



 ドンッ、とナナ·フェイス花火の隣で別の花火が鳴り、


「あれって、バナナじゃないかしらん?」


 末信ママがつい声を出すとそのときバナナ型花火を隣のナナ·フェイス花火が・・・、



 パクッ、



「「食べたぁぁぁーっ!」」



 今年の花火を観ていたお客さん、

 車で観てる人やお家で見ている人や犬、

 猫などが目が飛び出るほど仰天し忘れられない花火大会になったのだった······。


「ニシッシッシッシッ、やっぱ花火はこうじゃなきゃね」
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