夏にバナナから出てきたヤツは『2ヶ月間すませてください』と言うギャルの精霊バナナ·ガールだった。

ヒムネ

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お神輿

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「ナッハッハッハッハ、圧勝、圧勝!」


 メイド屋台に勝った上機嫌な精霊バナナ·ガールのナナは高笑いをしながら末信すえのぶ桜子ようこたちとアイスを食べていた。もちろんバナナアイスである。


「まあなんて言うの? あたしの美貌にメイドもメロメロってやつよ、ナッハッハッハ」

「・・・魔法を使ったクセに」


 ボソッと横にらみの末信。


「やっぱこう、胸がドンッとして、お尻がプリンッて、してりゃ男なんてイチコロよね~」

「べ、別に全ての男がそうじゃねえだろ」

「全て、なんて言ってないでしょうが」


 調子にのるナナに一歩引いている桜子は中々絡めないでいるとの両肩に手を掴み耳に、


「桜子ちゃんも~、ボンッ・キュッ・ボンッに、してあげよ・う・か?」


 やさし~く声をかけた。


「ひゃ~あっ、え、遠慮しときます~っ」

「も~、桜子ちゃんカワイイ~!」

「ナナさん、くっつきすぎです~!」


 おいおいと末信は呆れつつ拒絶する桜子が可愛いと見守っていると目の前から見たことのある二人組が、


「あっ、末信!」

「ん? 草加・・・と」


 声を掛けたのは草加と隣の女性は紅杏くれあだった。


「たまに見たことある不良だ」

「紅杏だ」


「おい、末信、魔法ギャルの人来てるのか?」

「ああナナか、ならあそこ」


 指をさした先には抱きついて桜子の背中におぶっている姿が、


「おーいっ、姐さーん!」


「うにゃ?」「ナナさん、重いですー」


 駆け寄る紅杏。


「お、こんなお祭りにも姿あらわすのね」

「ナナ姐さんのおかげ、草加こいつが姐さんなら祭りに来るはずってね」


「おう、臭加」

「臭加じゃねえよだっつーの、相変わらずだな~」


「あんたたちも元気で何よりよ」


 ナナが最初見たときよりもスッキリとした笑顔の2人に安堵していると、ワッショイッ、ワッショイッと気合の入った大人達によるお神輿が耳に聞こえてきた。どうやらもう子どもは終わり大人のお神輿がどこかで始まったよう。


「お神輿か~······」


 日が山にくっつく頃、東側と西側それぞれでのお神輿をはっぴを羽織った者たちが気合全開で担いでいて祭りも本場モード。


 ナナたちは名物のお神輿とともに自然と同じ早さで歩いていた。お祭りの雰囲気にお神輿の熱意はやはり気分が盛り上がるものである。


「お神輿いいな~、あたしも入れてもらおうかな~」

「無理だよ、事前に参加してねえと」

「たしかにだけど分かんないじゃん? 参加出来たらあたしが神輿の上に乗って盛り上げてあげるのにね桜子ちゃん」


「ナナさん・・・あのですね、そもそもお神輿は神様の乗り物で担いでる人たちと一緒に地域を回ることによって人々に厄災から護り、豊作祈願を聞き入れたりと・・・」


「おい、あんた」

「なのでお神輿に乗るというのは神様に失礼・・・」

「おいっ」

「はっ、はい、あの、紅杏さんでしたっけ」

「姐さんならあっち」


 ナナはすでにその場から離れてお神輿の担ぎ手と話している。


「もう~、ナナさん!」


 しかしすぐ帰って、


「やっぱ、ダメだって」

「当たり前だろ、アホ」


 ムカチンッ、


 コカンッ、



「プギャーッ!」



 生意気な末信にコカンキックが炸裂、そんな彼はほっといてなんとか皆でお神輿を担ぎたい。丁度そんなとき、諦めない彼女の前に救いの手が、


「どうすっかな~」

「ホッホッホッ、これはこの前のお嬢ちゃん」

「ブルー·シートのときのおばあちゃん!」


 偶然にも花火大会のときに知り合った花美はなび 夏子なつこおばあちゃんが現れ、気がつけば役者が揃っていく······。



 ワッショイ、ワッショイと汗水垂らすなか東と西のお神輿二組が互いの曲がり角で出会う、すると因縁のように睨み合う両者。


「西の・・・」

「東の・・・なんか、人少なくないか」

「オレたちもそう思ってたんだ・・・」


 そう、何故かあんなに沢山の人がいたのに今はその半分で明らかにおかしいと思っていた、あきらかに突然減った・・・、とそこに客のお子さんが、


「あれだよ」


「「ん?」」


 二人は同じ方向を観て、驚いた。



「ドワッハッハッハッ、あなたにバナナを咲かせましょう!」



 笑うナナと千夏と桜子が乗っているのはお神輿・・・ではなく山車だしの上、そこでお客さんにバナナを時おり落として、それを夢中に拾うお客さんの姿も。


「あそ~れ、バナナ食え~!」


「そーれ」


 ナナと千夏が楽しく山車の中からバナナを配っていたが、隅っこで地面に見えないよう隠れている桜子は、


「桜子お姉ちゃんどうしたの?」


「いっぱいいる人の前で、恥ずかしいくて・・・」


 多くの人が観ている前なので配るのに手こずっていた。


「もう、シャイなんだから」


「やいやいやいっ、お前らっ!」


 とつぜん山車が止まる。
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