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第二章 サザンソルト国
第六話 意思を継ぐ者たち
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丸太作りの家
暖炉の火がパチパチと音を立てる。
ナルセは、思い出し考えていた。
滝壺近くの二つの遺体。
軽装だがサザンソルト国の兵士に違いなかった。
となると、警護させるほどの人物である少女。
それにお爺さんはこの少女のことを、タル と呼んでいた。
ましてイーストグラスランドの国王を友人と呼ぶこの老人。
対等な立場でもなければ、そうは呼ばないはず。とすれば・・
ナルセは、お爺さんを見て口を開いた。
「お爺さん、護衛のお二人はお気の毒でした」
「任務とはいえ、無理をさせてしもうたようだ。遺族には、わしから伝えねばの」
ナルセは思った。隠す気とかは、ないようだな。と
「単刀直入にお聞きします」
「ん?何かな」
「おじい・・・いえ、貴方様は、サザンソルト国国王 ギムネラ・ナルテニア王では御座いませぬか?」
それを聞いた、サユミ、タクト、マリカの三人は目を丸くして、ナルセを見た。ハヤネは、気づいていた様子だ。
ふふっと笑うお爺さん。
「いかにも、ギムネラじゃよ」
更に驚いているサユミたち。
ナルセは、さらにタルを見ながら続ける。
「で、こちらにいらっしゃるのが、タルーシャ王女ですね」
さらにさらにサユミたちは、エッとなってタルを見る。
「おばさんじゃなかったんだ」
タクトが思わず口にする。
マリカが慌ててタクトの口を塞ぐ。
「おほほほ、まったくもって見事じゃの、何もかもお見通しじゃな。ナルセ殿も、只者ではないとお見受けするが?」
頭をペコリと垂れるナルセ。
「ハルバラ王の側近であり、王家護衛隊隊長を務めます。ドグルス・タグステンと申すは、我が父です」
ギムネラは驚いた。
「なんと、ドグルス将軍の御子息か」
「えっ、父をご存知で?」
「いやなに、我が息子ナルスルの存命の頃の戯れよ。共に狩りをしたり、酒を交わし、戦場では生死を共にしておった」
「そうでしたか、父が無事なら伝えたい所ですが」
「うむ・・・そうであってほしいがの」
ギムネラは、視線をマリカに移す。
「ん?マリカは、ひょっとして名工 鍛治職人のダガード・ストルランドの御息女では?」
「えっ、そうですけど、父をご存知で?」
「あはははは、存じるも何も、ほれあそこの」
壁にかかった剣を指さすギムネラ。
「ダガード殿が打った名剣 シーウルフじゃよ」
口を覆うマリカ。
「えっ、父ってそんなにすごい人だったんですか?」
「おや、何も聞かされておらぬか?わしらの装備は全てダガード殿の手によるもの」
「うわ、そうだったんだ」
「それにの、奥方のマリシアは、真紅の鎧を身につけた女剣士 炎の花で名の通った強者ぞ」
「えっえっ、だから父は母には敵わないんですね」
マリカが、普段の生活で尻に敷かれている父を思い返していた。
ギムネラは、思わず吹き出していた。
「ブワッハハハハハハ、それは愉快じゃ。目に浮かぶようじゃ」
マリカが驚きで目を見開いている。
「わあ、ビックリ。うちの両親て、すごいんだ」
「それにな、マリシアは、青年どもの憧れの的じゃった。皆でマリシアの心を掴もうと狙ってたもんじゃよ」
「わああ、またまたビックリだ」
「そんなマリシア殿に、そっくりじゃの。マリカ殿」
なぜだか、顔を真っ赤にしているマリカであった。
タクトも、なぜか、顔を赤くしてマリカを見ていた。
ギムネラは、次に視線をハヤネに向ける。
「うんうん、ハヤネ殿は、ラザリアの生き写しじゃの。惜しくも戦場で命を落とされたが」
「あ、あのギムネラ様、母についてもっとお話聞かせて頂けませんか?」
「うむ、ラザリアは、何を隠そう、わしが年甲斐もなく胸を焦がした女性じゃったんじゃ」
「えっ」
「ラザリアは、とても優秀なフィフスマスターじゃったよ。さらにその上を行く。グランドフィフスマスターで、元素術師の中でも最強と言われておっての」
「グランドフィフスマスター。母が、そんなにすごい人だったなんて」
「生きておれば、我が城に後妻として迎え入れたことじゃろうに。あ、いや、タルには内緒にしてくれんかの」
「お爺様、もう遅いです」
隣で寝ていたタルーシャが目を覚ましていた。
「あ、いや・・これはじゃの」
タルーシャが笑う。
「お爺様、タルは嬉しいです。そういうお話が聞けて。なかなか、お心内を聞かせては頂けませんから」
「参ったのー」
頭を掻くギムネラ。
ギムネラはタクトを見る。
「タクト殿、ここまで話すとなんとなく想像が着くのではないかの?」
「あ、いえ、父は農作業が好きな、ただの凡人です」
ギムネラは、眉間に皺を寄せると喝を入れた。
「これ、お父君のことをそのように蔑んでは、いかんぞ」
「あ、ごめんなさい」
「確かに、出会った頃のドルボ殿は、単なる料理人で農家を営んでおったわ。じゃがの、彼の勇敢さは誰も叶わなんだ」
「父が勇敢ですか?」
「そうじゃ、ある時劣勢を強いられた時期があっての。誰もが負け戦を確信していたのじゃ。わしもハルバラでさえもの」
「・・・」
「ところが、ドルボ殿は違っての。皆が気落ちしているところへ、たくさんの料理を運んできよって、こう抜かしおった」
「腹が減っては戰は出来ませぬ」
「笑っておったよ。実に肝の座った男じゃったよ」
「父さんが・・・」
「わしも後で知ったことなんじゃが、ドルボ殿は、その時、戦場を駆け回り空腹で動けない兵士に食べ物を運んでいたそうじゃ」
「えっ」
見上げるタクトの頬を涙が流れ落ちていた。今は、抜魂されて横たわっているであろう父の姿を思うと涙が自然に溢れていた。
「勝ち戦に流れを変えたのは他でもない、タクト殿の父、ドルボ殿じゃ。わしらにとっては、かけがえのない英雄じゃ」
タクトの肩を抱くギムネラ。
「仲間のために、何事も恐れず疾走する勇気。それに鉄壁を誇る守りの壁は決して破れんかったよ。土使いとしては、彼の前に出る者はおらんじゃろうな」
「・・・父さん・・」
タクトをきつく抱きしめるギムネラ。
「ソイルマスターに引けを取らん逸材じゃよ。それにな、大事な人のために涙を流せる優しさも持ち合わせておる。今のタクトのようにの」
すすり泣くサユミとマリカは、たまらず、タクトに近づき寄り添った。
ギムネラは、想いを馳せる。
「それにな、何よりドルボの料理は最高じゃ。王室料理人として迎え入れたいくらいじゃわい」
タクトは、涙をこぼしながら笑みを浮かべた。
サユミを見るギムネラ。
「サユミ殿、斯様なまでに優れた逸材の血を引く者たちが、仲間におることは大いに頼もしい限りじゃぞ」
「はい、とても誇りに感じます」
「うむ、おお、そうじゃ」
ギムネラは、何を思ったか床下の扉を開いた。
何やら、木の箱に金属の枠を施した立派な箱を取り出した。
錠を外すと、ギイと音を立てて開く。
「これは、当時戦場で皆の父母が身につけていた物じゃ。わしが預かっておった。使うといい」
中には、剣や鎧、盾、チュニック、杖、手甲などが入っていた。
「わああ、これはすごいや」
タクトが目を丸くする。
サユミには、金色の白金の鎧に、紋章五角星の中心に薔薇が施されている。それに合わすようにバックソードと盾、持ってみると予想より軽かった。
ナルセには、やはり白金の鎧に少し小振りで軽量化されたツヴァイハンダーを。
ハヤネには、純白のチュニックに青紫の宝珠を施した杖を。
マリカには、真紅の鎧に盾とマントとロングソードが二本。
タクトは、黒の格闘用装備、雷属性の手甲と足甲と額当て。
ギムネラは、うんうんとうなずく。
「それらの装備には、ダガード殿とボルド殿の知恵が注がれておってな」
「元素力を増幅するという鉱石が含まれているそうじゃぞ」
「へえ」
皆が嬉しそうに装備を見る。
「あと、それぞれの武器には名があっての。サユミの剣は鎌鼬。ナルセの剣は吹雪。ハヤネの杖は虚無。マリカの剣は業火。タクトの手甲は大震。それぞれが名にちなんだ特性があるのじゃ」
タルーシャが羨ましそうにしているのを見たギムネラ。
「タルも欲しいかの?」
「はい、皆にはあるのにずるいです」
「あっははははは、そうか、ずるいか。ならば」
壁に飾ってあったダガーを二本持って戻ってくるギムネラ。
「これは、雷の特性を持つ、雷光と電光じゃ。父と母の形見ぞ。それと動きやすく軽装じゃが、名を雷電。すばしっこいタルにちょうど良いな」
「ありがとうございます。お爺様」
ニヤニヤするタルーシャ。
「さて、あとはとっておきじゃ」
何かの骨で作られたと思われる笛であった。
「この笛は、ハルバラが所有していたもので、口で吹いて使うものではない。サユミよ、風使いなら使えるものじゃ」
下を向いて落ち込むサユミ。
「ん?どうしたのじゃ?」
ハヤネが代わりに説明する。
「実は、サユミはまだ使いの位ではないのです」
「な、なんと、そうであったか。まあ、今すぐ使えんでも良いものじゃ」
サユミの手を取るギムネラ。
「持っていくと良い。いずれ、使える」
「はあ、ありがとうございます」
笛を受け取るサユミ。ネックレスになっている笛を首に掛ける。
暖炉の火がパチパチと音を立てる。
ナルセは、思い出し考えていた。
滝壺近くの二つの遺体。
軽装だがサザンソルト国の兵士に違いなかった。
となると、警護させるほどの人物である少女。
それにお爺さんはこの少女のことを、タル と呼んでいた。
ましてイーストグラスランドの国王を友人と呼ぶこの老人。
対等な立場でもなければ、そうは呼ばないはず。とすれば・・
ナルセは、お爺さんを見て口を開いた。
「お爺さん、護衛のお二人はお気の毒でした」
「任務とはいえ、無理をさせてしもうたようだ。遺族には、わしから伝えねばの」
ナルセは思った。隠す気とかは、ないようだな。と
「単刀直入にお聞きします」
「ん?何かな」
「おじい・・・いえ、貴方様は、サザンソルト国国王 ギムネラ・ナルテニア王では御座いませぬか?」
それを聞いた、サユミ、タクト、マリカの三人は目を丸くして、ナルセを見た。ハヤネは、気づいていた様子だ。
ふふっと笑うお爺さん。
「いかにも、ギムネラじゃよ」
更に驚いているサユミたち。
ナルセは、さらにタルを見ながら続ける。
「で、こちらにいらっしゃるのが、タルーシャ王女ですね」
さらにさらにサユミたちは、エッとなってタルを見る。
「おばさんじゃなかったんだ」
タクトが思わず口にする。
マリカが慌ててタクトの口を塞ぐ。
「おほほほ、まったくもって見事じゃの、何もかもお見通しじゃな。ナルセ殿も、只者ではないとお見受けするが?」
頭をペコリと垂れるナルセ。
「ハルバラ王の側近であり、王家護衛隊隊長を務めます。ドグルス・タグステンと申すは、我が父です」
ギムネラは驚いた。
「なんと、ドグルス将軍の御子息か」
「えっ、父をご存知で?」
「いやなに、我が息子ナルスルの存命の頃の戯れよ。共に狩りをしたり、酒を交わし、戦場では生死を共にしておった」
「そうでしたか、父が無事なら伝えたい所ですが」
「うむ・・・そうであってほしいがの」
ギムネラは、視線をマリカに移す。
「ん?マリカは、ひょっとして名工 鍛治職人のダガード・ストルランドの御息女では?」
「えっ、そうですけど、父をご存知で?」
「あはははは、存じるも何も、ほれあそこの」
壁にかかった剣を指さすギムネラ。
「ダガード殿が打った名剣 シーウルフじゃよ」
口を覆うマリカ。
「えっ、父ってそんなにすごい人だったんですか?」
「おや、何も聞かされておらぬか?わしらの装備は全てダガード殿の手によるもの」
「うわ、そうだったんだ」
「それにの、奥方のマリシアは、真紅の鎧を身につけた女剣士 炎の花で名の通った強者ぞ」
「えっえっ、だから父は母には敵わないんですね」
マリカが、普段の生活で尻に敷かれている父を思い返していた。
ギムネラは、思わず吹き出していた。
「ブワッハハハハハハ、それは愉快じゃ。目に浮かぶようじゃ」
マリカが驚きで目を見開いている。
「わあ、ビックリ。うちの両親て、すごいんだ」
「それにな、マリシアは、青年どもの憧れの的じゃった。皆でマリシアの心を掴もうと狙ってたもんじゃよ」
「わああ、またまたビックリだ」
「そんなマリシア殿に、そっくりじゃの。マリカ殿」
なぜだか、顔を真っ赤にしているマリカであった。
タクトも、なぜか、顔を赤くしてマリカを見ていた。
ギムネラは、次に視線をハヤネに向ける。
「うんうん、ハヤネ殿は、ラザリアの生き写しじゃの。惜しくも戦場で命を落とされたが」
「あ、あのギムネラ様、母についてもっとお話聞かせて頂けませんか?」
「うむ、ラザリアは、何を隠そう、わしが年甲斐もなく胸を焦がした女性じゃったんじゃ」
「えっ」
「ラザリアは、とても優秀なフィフスマスターじゃったよ。さらにその上を行く。グランドフィフスマスターで、元素術師の中でも最強と言われておっての」
「グランドフィフスマスター。母が、そんなにすごい人だったなんて」
「生きておれば、我が城に後妻として迎え入れたことじゃろうに。あ、いや、タルには内緒にしてくれんかの」
「お爺様、もう遅いです」
隣で寝ていたタルーシャが目を覚ましていた。
「あ、いや・・これはじゃの」
タルーシャが笑う。
「お爺様、タルは嬉しいです。そういうお話が聞けて。なかなか、お心内を聞かせては頂けませんから」
「参ったのー」
頭を掻くギムネラ。
ギムネラはタクトを見る。
「タクト殿、ここまで話すとなんとなく想像が着くのではないかの?」
「あ、いえ、父は農作業が好きな、ただの凡人です」
ギムネラは、眉間に皺を寄せると喝を入れた。
「これ、お父君のことをそのように蔑んでは、いかんぞ」
「あ、ごめんなさい」
「確かに、出会った頃のドルボ殿は、単なる料理人で農家を営んでおったわ。じゃがの、彼の勇敢さは誰も叶わなんだ」
「父が勇敢ですか?」
「そうじゃ、ある時劣勢を強いられた時期があっての。誰もが負け戦を確信していたのじゃ。わしもハルバラでさえもの」
「・・・」
「ところが、ドルボ殿は違っての。皆が気落ちしているところへ、たくさんの料理を運んできよって、こう抜かしおった」
「腹が減っては戰は出来ませぬ」
「笑っておったよ。実に肝の座った男じゃったよ」
「父さんが・・・」
「わしも後で知ったことなんじゃが、ドルボ殿は、その時、戦場を駆け回り空腹で動けない兵士に食べ物を運んでいたそうじゃ」
「えっ」
見上げるタクトの頬を涙が流れ落ちていた。今は、抜魂されて横たわっているであろう父の姿を思うと涙が自然に溢れていた。
「勝ち戦に流れを変えたのは他でもない、タクト殿の父、ドルボ殿じゃ。わしらにとっては、かけがえのない英雄じゃ」
タクトの肩を抱くギムネラ。
「仲間のために、何事も恐れず疾走する勇気。それに鉄壁を誇る守りの壁は決して破れんかったよ。土使いとしては、彼の前に出る者はおらんじゃろうな」
「・・・父さん・・」
タクトをきつく抱きしめるギムネラ。
「ソイルマスターに引けを取らん逸材じゃよ。それにな、大事な人のために涙を流せる優しさも持ち合わせておる。今のタクトのようにの」
すすり泣くサユミとマリカは、たまらず、タクトに近づき寄り添った。
ギムネラは、想いを馳せる。
「それにな、何よりドルボの料理は最高じゃ。王室料理人として迎え入れたいくらいじゃわい」
タクトは、涙をこぼしながら笑みを浮かべた。
サユミを見るギムネラ。
「サユミ殿、斯様なまでに優れた逸材の血を引く者たちが、仲間におることは大いに頼もしい限りじゃぞ」
「はい、とても誇りに感じます」
「うむ、おお、そうじゃ」
ギムネラは、何を思ったか床下の扉を開いた。
何やら、木の箱に金属の枠を施した立派な箱を取り出した。
錠を外すと、ギイと音を立てて開く。
「これは、当時戦場で皆の父母が身につけていた物じゃ。わしが預かっておった。使うといい」
中には、剣や鎧、盾、チュニック、杖、手甲などが入っていた。
「わああ、これはすごいや」
タクトが目を丸くする。
サユミには、金色の白金の鎧に、紋章五角星の中心に薔薇が施されている。それに合わすようにバックソードと盾、持ってみると予想より軽かった。
ナルセには、やはり白金の鎧に少し小振りで軽量化されたツヴァイハンダーを。
ハヤネには、純白のチュニックに青紫の宝珠を施した杖を。
マリカには、真紅の鎧に盾とマントとロングソードが二本。
タクトは、黒の格闘用装備、雷属性の手甲と足甲と額当て。
ギムネラは、うんうんとうなずく。
「それらの装備には、ダガード殿とボルド殿の知恵が注がれておってな」
「元素力を増幅するという鉱石が含まれているそうじゃぞ」
「へえ」
皆が嬉しそうに装備を見る。
「あと、それぞれの武器には名があっての。サユミの剣は鎌鼬。ナルセの剣は吹雪。ハヤネの杖は虚無。マリカの剣は業火。タクトの手甲は大震。それぞれが名にちなんだ特性があるのじゃ」
タルーシャが羨ましそうにしているのを見たギムネラ。
「タルも欲しいかの?」
「はい、皆にはあるのにずるいです」
「あっははははは、そうか、ずるいか。ならば」
壁に飾ってあったダガーを二本持って戻ってくるギムネラ。
「これは、雷の特性を持つ、雷光と電光じゃ。父と母の形見ぞ。それと動きやすく軽装じゃが、名を雷電。すばしっこいタルにちょうど良いな」
「ありがとうございます。お爺様」
ニヤニヤするタルーシャ。
「さて、あとはとっておきじゃ」
何かの骨で作られたと思われる笛であった。
「この笛は、ハルバラが所有していたもので、口で吹いて使うものではない。サユミよ、風使いなら使えるものじゃ」
下を向いて落ち込むサユミ。
「ん?どうしたのじゃ?」
ハヤネが代わりに説明する。
「実は、サユミはまだ使いの位ではないのです」
「な、なんと、そうであったか。まあ、今すぐ使えんでも良いものじゃ」
サユミの手を取るギムネラ。
「持っていくと良い。いずれ、使える」
「はあ、ありがとうございます」
笛を受け取るサユミ。ネックレスになっている笛を首に掛ける。
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