輝く草原を舞う葉の如く

貴林

文字の大きさ
2 / 25
第一章 五大元素の術

第二話 サユミと仲間たち

しおりを挟む
五大元素修練学場 
学場に到着したサユミとマリカは、それぞれの席に着くとカバンを机の横に掛けている。
「マリカ。次はオペ何するか決めた?」
感動冷めやらぬマリカは、滑空してきたことが嬉しすぎた。
「風、最高!サユミは?」
サユミは、あごをつまみ、考え込んだ。
「ん~、それなんだよね。まだ、決めかねてる」
マリカは、悩むサユミを覗き込んで
「じゃあさ、火にすれば?私と同じになるよ」
「それも、気になるけど。やっぱ、空を飛べたら、次は・・・」
「次は?」
空を仰ぎ高く飛ぶ鳥を見るサユミ。
「〈空〉もいいかなって」

[ヴァヴァンダー]
サユミの足元に呪文がかかる。
ブアッと、スカートがめくれる。
反射的に、それを抑えるサユミ。
がショートパンツを履いていたので、平気だった。
「ちぇっ、つまんねえの」
タクト・ヤトラング 土使いソイルオペレーションの男の子で、サユミとは幼馴染であった。
「ふふん、毎度、その手にかかりませんよぉだ」
指を右目に当て、べえ~ とするサユミ。
「卑怯だよな。この頃の女子はさ」
「昔だって、ブルマ履いてました。今時、ショートパンツとか履かないのは、ハヤネくらいだよ」
あっと、口を手で塞ぐと、しまったとサユミは思った。
あっと、何かに気がついたタクトは、唇を舐める。
ちょうど、そこへ、その噂のハヤネがやってきた。
ハヤネ・ユミスルカ 空使いエアオペレーションで、ファイアオペレーション火使いも修得しようと試験勉強中の優等生である。
「確かに、言われてみれば」
タクトは、しめしめとばかりハヤネを見る。
[ヴァヴァンダー]
ハヤネの足元に呪文をかける。
ブアッと、スカートがめくれ、ピンク色の肌着がむき出しとなった。
慌てるでなく、さらりと手でスカートを抑えるハヤネだったが、ほのかに頬を赤らめている。
「キャハハハハ、やったね。大成功」
イタズラ成功にはしゃぐタクトに、サユミが腕まくりをしながら、ズカズカと歩み寄る。
「コラ、タクト」
そんなサユミの背後から、ハヤネがささやいた。
[シューニィスターン]
サユミが、今にもタクトに殴りかかろうとしている。
「タクト~いいかげんに、し・・・」
サユミは、タクトが喉元を抑えて苦しんでいるのに気がついた。
ハヤネがタクトを涼しい顔で見ている。
「お返しです。五秒ほど真空を味わってください」
タクトの顔全体を真空状態にしたハヤネは、物静かにタクトを見下ろしている。
息が出来ず、ジタバタしているタクト。
ハヤネを怒らせると怖いことを、皆が再認識していた。
サユミに近づくハヤネ。
「ありがとう、サユミ」
ふっと、微笑むハヤネ。
言葉の出ないサユミは、うんうんとうなずくであった。
ゲホゲホと床に手をつくタクトの肩を叩くナルセ・タグステン 水使いウォーターオペレーション
「タクト、いつまでもお子ちゃまみたいなことしてるから、そうなるのさ」
肩に乗せられた振り解くタクト。
「けっ、お前だってついこの間までやってたじゃんか」
「無駄な抵抗は、しないことにしたのさ。それより、頭を冷やせよ」
[ナハーナ]
ナルセは、タクトに向かって手をかざす。
バシャァっと、水を浴びるタクト。
全身がぐっしょりになる。
「て、てめえ、何しやがる」
立ち去りながら、手を振るナルセ。
「あとは、マリカとサユミに頼めよ」
渋々、サユミとマリカが呪文を唱える。
マリカが口を開く。
[ニシャーナサーデン]
続いてサユミ。
[ブローア]
マリカが火を起こすとサユミが風を送った。いわゆるドライヤーの役目である。
タクトが、文句を言う。
「これじゃ、いつまでも乾かないよ」
遠くでハヤネが呪文を唱える。
[シューニィスターン]
タクトの全身が真空状態に。
水分が水玉となって周りに浮いた。
ハヤネは、それを見ると真空状態を取り払った。
スパンと、水滴が飛び散る。
微かに濡れているが、ほとんどの水分は取り除かれている。
「さすが、ハヤネ」
ナルセは、ふふっと笑うと素知らぬ顔で場舎へと入って行った。
なんとも、サユミ、マリカ、タクトの三人は間が抜けている。
ハヤネとナルセのクールさが、三人は気に入らなかった。いつものことなのだが

サユミにとっては、今日は最大の試練となる日であった。
サユミ以外は、オペレーションの試験に合格していた。サユミは、いわゆる 落ちこぼれ であった。
試験に受かれば、心置きなくオペレーションの呪文が使えるのであった。

午後になれば、試験時間開始となる。
今度こそはと、気合の入るサユミであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...