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第二章 ノースウォーター国へ
第十九話 諦めない心
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ホイトが死んだ。絶望する皆の元にシリアが駆け寄る。
「まだ、間に合うかもしれないわ」
「え?」
見上げるタクトは、シリアを見る。
「これは、タクトくんにしか出来ないことよ」
「何をすればいいの?」
「まずは、電気ショックが必要ね」
「私に任せて」
タルが2本のダガーを取り出して電気を走らせている。
「少し痛むけど、タクトくんいける?」
「少しくらいなんでもないさ」
「タル様の電気をタクトくんの手甲に送ります。それをホイトの心臓に送って」
「うん、わかった」
「待って、その後も大事なの」
「え?」
「1秒間2回くらいずつの圧迫が必要なの。出来る?」
「指示してください。俺やるよ」
「うん、まずはタル様の電流を手甲に」
バシバシと稲光するダガーから手甲に流れ込む。
「あああああ」
痺れがタクトを襲う。
「そのまま、ホイトに流し込んで」
バシン
ドクンと波打つホイト。
「圧迫して」
「う、うん」
ドン、ドン、ドン、ドン
「タル様、電流を」
ビシッビシッ
「タクト、流すよ」
タルが手甲にダガーを押し当てる。
バシバシ
「ぐああああ」
ホイトに手甲を押し当てる。
バシン
ドクンと波打つホイト。
そのまま、今度は圧迫する。
ドン、ドン、ドン、ドン
トクン トクン
脈を打ち始めるホイト。
皆の顔から笑顔が戻る。
「ああ、ホイト。がんばれ」
ドン ドン 圧迫を続けるタクト。
鼓動を確かめるように抱きつくタクトは、優しくホイトに触れる。
「ホイト、あと少し」
ドン ドン 圧迫する。
ホイトが頭を持ち上げるとタクトを見た。
「く、苦しいよ、タクト」
「あああ、ホイト」
「な、なんだよ、少しくらい寝ててもいいでしょ?」
涙がこぼれ落ちて止まらないタクトは、笑顔が止められない。
「おかえり、ホイト。良かった、戻ってきた」
「寝てたくらいで、大袈裟だなタクトは」
生死を彷徨っていたとは、知らないホイト。
「あ、そういえば、何かはどうなったの?」
氷が溶けてタコの足だけが残っているのを見せる。
「え?タコだったの?」
「うん」
「もしかして、倒しちゃったの?」
自慢げに鼻の下を指で擦るタクト。
「うわあ、すごいんだね。これだけのデカい手だとかなり大きかったはずだよ」
シリアが、タクトとホイトの間に入ってくる。
「タクトくん、そろそろ海に帰さないと」
「あ、サユミ頼んでいい?」
「うん、任せて」
ホッとしたのか、パタリと倒れ込むタクト。
「タクト!」
マリカが、タクトを抱き起す。
「しっかりして、タクト」
気を失っているタクトの額に手を当てているシリア。
「タル様の電流とマッサージをした疲れね。休ませてあげましょう」
タクトの自室に連れて行くマリカとナルセ。
ホイトを海まで風で持ち上げるサユミ。
海に着水させると、一旦沈みかけるものの元気に泳いで行く。
一先ずは一安心だ。
「まだ、間に合うかもしれないわ」
「え?」
見上げるタクトは、シリアを見る。
「これは、タクトくんにしか出来ないことよ」
「何をすればいいの?」
「まずは、電気ショックが必要ね」
「私に任せて」
タルが2本のダガーを取り出して電気を走らせている。
「少し痛むけど、タクトくんいける?」
「少しくらいなんでもないさ」
「タル様の電気をタクトくんの手甲に送ります。それをホイトの心臓に送って」
「うん、わかった」
「待って、その後も大事なの」
「え?」
「1秒間2回くらいずつの圧迫が必要なの。出来る?」
「指示してください。俺やるよ」
「うん、まずはタル様の電流を手甲に」
バシバシと稲光するダガーから手甲に流れ込む。
「あああああ」
痺れがタクトを襲う。
「そのまま、ホイトに流し込んで」
バシン
ドクンと波打つホイト。
「圧迫して」
「う、うん」
ドン、ドン、ドン、ドン
「タル様、電流を」
ビシッビシッ
「タクト、流すよ」
タルが手甲にダガーを押し当てる。
バシバシ
「ぐああああ」
ホイトに手甲を押し当てる。
バシン
ドクンと波打つホイト。
そのまま、今度は圧迫する。
ドン、ドン、ドン、ドン
トクン トクン
脈を打ち始めるホイト。
皆の顔から笑顔が戻る。
「ああ、ホイト。がんばれ」
ドン ドン 圧迫を続けるタクト。
鼓動を確かめるように抱きつくタクトは、優しくホイトに触れる。
「ホイト、あと少し」
ドン ドン 圧迫する。
ホイトが頭を持ち上げるとタクトを見た。
「く、苦しいよ、タクト」
「あああ、ホイト」
「な、なんだよ、少しくらい寝ててもいいでしょ?」
涙がこぼれ落ちて止まらないタクトは、笑顔が止められない。
「おかえり、ホイト。良かった、戻ってきた」
「寝てたくらいで、大袈裟だなタクトは」
生死を彷徨っていたとは、知らないホイト。
「あ、そういえば、何かはどうなったの?」
氷が溶けてタコの足だけが残っているのを見せる。
「え?タコだったの?」
「うん」
「もしかして、倒しちゃったの?」
自慢げに鼻の下を指で擦るタクト。
「うわあ、すごいんだね。これだけのデカい手だとかなり大きかったはずだよ」
シリアが、タクトとホイトの間に入ってくる。
「タクトくん、そろそろ海に帰さないと」
「あ、サユミ頼んでいい?」
「うん、任せて」
ホッとしたのか、パタリと倒れ込むタクト。
「タクト!」
マリカが、タクトを抱き起す。
「しっかりして、タクト」
気を失っているタクトの額に手を当てているシリア。
「タル様の電流とマッサージをした疲れね。休ませてあげましょう」
タクトの自室に連れて行くマリカとナルセ。
ホイトを海まで風で持ち上げるサユミ。
海に着水させると、一旦沈みかけるものの元気に泳いで行く。
一先ずは一安心だ。
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