2 / 10
第二話
白馬の王子
しおりを挟む
次の日、水菜の通う高校の教室。
「水菜、何か、面白いことない?」
親友の奈良美優留が、近づいてきた。
水菜は、口元に指を置いて考える。
「あ、あったよ、二本足で立つ猫にあった」
「おお、よく動画で見るやつだね」
首を傾げる水菜。
「あれとは、ちょっと違うかな。おまけに、話すし」
「は?話す?」
聞き間違いかと思う美優留。
「うん」
「猫が?」
「そう」
お腹を抱える美優留。
「あはははは、そんなわけないじゃん」
「ほんとなんだってば」
「水菜、ウケる」
「あ、だったらさ」
涙目を拭きながら美優留。
「だったら?」
「放課後付き合ってよ」
「いいけど、何するの?」
得意気な顔をする水菜。
「ふふん」
・・
昨日の、川辺に来ている二人。
「こんなとこ来て、何するの?」
「いいからいいから」
スマホのストラップに、昨日の小槌がぶら下がっていた。
それを、指でつまむ水菜。
「念のため、手を繋いで?」
渋々、手を差し出す美優留。
「あらたまると、変な感じね」
照れ臭そうに、水菜の手を取る美優留。
「じゃ、行くよ」
「ええ?」
「打出小槌よ。昨日のココに、私と美優留を連れて行って」
シャンシャンと小槌を振る。
ボワンと、煙が立つと、消えてしまった。
・・
昨日、なめろうと別れた川辺に来ている。
美優留が目を丸くする。
「ど、どこよ、ここ?」
「んとね、ここはココでしょ。あっちはコッチで。こっちはアッチ」
「は?」
首を傾げる美優留。
「何言ってんの?水菜。おかしくなった?」
美優留は、頭のそばで、指でクルクルと回してみせた。
「いいから、いいから。美優留、普段から白馬の王子様に会いたいって、言ってたよね?」
「まあね」
「ここからが、本番よ。見ててね」
「打出小槌よ。白馬の王子様を今すぐ出して」
シャンシャンと小槌を振る。
ボワンと、現れたのは
ヒヒヒヒヒンと、前脚を高く掲げ、全身を白い毛で覆われた。美しいちっちゃな馬が現れた。
それを見た美優留。
「かわいい。でも、王子様は?」
困り果てる水菜。
「あ、いや、こんなはずじゃ。どうなってるの?白馬の王子様って、お願いしたのに」
すると、ちっちゃな馬は、口を開いた。
「この私が、白馬の王子様だ」
「へっ?」
水菜と美優留は、口を揃え白馬を見る。
「いや、だって、王子様いないし」
ヒヒンと鳴くと
「ここに、いるではないか」
「白い馬の王子様、すなわち、白馬の中の王子様ってことだな」
「ああ?なるほど」
「それとな、もう一つ、付け加えるとだな」
「私は、白馬王子ではない」
「なんと?」
「わたしの名は、臼馬玉子である」
美優留は、ぷっと吹き出す。
「臼毛玉子?臼毛だって・・・」
はっと、ため息を吐き捨てる玉子。
「どこにでもいるんだよね、必ず、うすばと言ってるのに、わざとうすげって言う奴が。あれは確か、始業式での自己紹介だったな、私がうすばと言ってるのに、わざとうすげ?て言う奴が・・・それから、あれは・・・」
ぶつぶつといつまでも、話が止まらない様子なので、水菜と
美優留は、その場を離れようとした。
「ちょっとちょっと、俺のこと呼んでおいて、そのまま放置か?」
「て言われてもね。いったいどうしたら?」
「決まってんだろ?俺も、連れて行け。お供に」
「お供って、何よ?鬼退治でもするつもり?」
「おお、そんなのでも、いいぞ」
「ていうか、玉子さん?あなた自分の大きさわかって、お供とか言ってます?」
「何?大きさ?」
「そうそう」
玉子は、自分の体を見る。
「そんなもの、小槌があるだろ?」
「あっ!」
水菜と美優留は、顔を見合わせる。
「水菜、何か、面白いことない?」
親友の奈良美優留が、近づいてきた。
水菜は、口元に指を置いて考える。
「あ、あったよ、二本足で立つ猫にあった」
「おお、よく動画で見るやつだね」
首を傾げる水菜。
「あれとは、ちょっと違うかな。おまけに、話すし」
「は?話す?」
聞き間違いかと思う美優留。
「うん」
「猫が?」
「そう」
お腹を抱える美優留。
「あはははは、そんなわけないじゃん」
「ほんとなんだってば」
「水菜、ウケる」
「あ、だったらさ」
涙目を拭きながら美優留。
「だったら?」
「放課後付き合ってよ」
「いいけど、何するの?」
得意気な顔をする水菜。
「ふふん」
・・
昨日の、川辺に来ている二人。
「こんなとこ来て、何するの?」
「いいからいいから」
スマホのストラップに、昨日の小槌がぶら下がっていた。
それを、指でつまむ水菜。
「念のため、手を繋いで?」
渋々、手を差し出す美優留。
「あらたまると、変な感じね」
照れ臭そうに、水菜の手を取る美優留。
「じゃ、行くよ」
「ええ?」
「打出小槌よ。昨日のココに、私と美優留を連れて行って」
シャンシャンと小槌を振る。
ボワンと、煙が立つと、消えてしまった。
・・
昨日、なめろうと別れた川辺に来ている。
美優留が目を丸くする。
「ど、どこよ、ここ?」
「んとね、ここはココでしょ。あっちはコッチで。こっちはアッチ」
「は?」
首を傾げる美優留。
「何言ってんの?水菜。おかしくなった?」
美優留は、頭のそばで、指でクルクルと回してみせた。
「いいから、いいから。美優留、普段から白馬の王子様に会いたいって、言ってたよね?」
「まあね」
「ここからが、本番よ。見ててね」
「打出小槌よ。白馬の王子様を今すぐ出して」
シャンシャンと小槌を振る。
ボワンと、現れたのは
ヒヒヒヒヒンと、前脚を高く掲げ、全身を白い毛で覆われた。美しいちっちゃな馬が現れた。
それを見た美優留。
「かわいい。でも、王子様は?」
困り果てる水菜。
「あ、いや、こんなはずじゃ。どうなってるの?白馬の王子様って、お願いしたのに」
すると、ちっちゃな馬は、口を開いた。
「この私が、白馬の王子様だ」
「へっ?」
水菜と美優留は、口を揃え白馬を見る。
「いや、だって、王子様いないし」
ヒヒンと鳴くと
「ここに、いるではないか」
「白い馬の王子様、すなわち、白馬の中の王子様ってことだな」
「ああ?なるほど」
「それとな、もう一つ、付け加えるとだな」
「私は、白馬王子ではない」
「なんと?」
「わたしの名は、臼馬玉子である」
美優留は、ぷっと吹き出す。
「臼毛玉子?臼毛だって・・・」
はっと、ため息を吐き捨てる玉子。
「どこにでもいるんだよね、必ず、うすばと言ってるのに、わざとうすげって言う奴が。あれは確か、始業式での自己紹介だったな、私がうすばと言ってるのに、わざとうすげ?て言う奴が・・・それから、あれは・・・」
ぶつぶつといつまでも、話が止まらない様子なので、水菜と
美優留は、その場を離れようとした。
「ちょっとちょっと、俺のこと呼んでおいて、そのまま放置か?」
「て言われてもね。いったいどうしたら?」
「決まってんだろ?俺も、連れて行け。お供に」
「お供って、何よ?鬼退治でもするつもり?」
「おお、そんなのでも、いいぞ」
「ていうか、玉子さん?あなた自分の大きさわかって、お供とか言ってます?」
「何?大きさ?」
「そうそう」
玉子は、自分の体を見る。
「そんなもの、小槌があるだろ?」
「あっ!」
水菜と美優留は、顔を見合わせる。
0
あなたにおすすめの小説
アラフォー幼女は異世界で大魔女を目指します
梅丸みかん
ファンタジー
第一章:長期休暇をとったアラフォー独身のミカは、登山へ行くと別の世界へ紛れ込んでしまう。その場所は、森の中にそびえる不思議な塔の一室だった。元の世界には戻れないし、手にしたゼリーを口にすれば、身体はなんと6歳の子どもに――。
ミカが封印の箱を開けると、そこから出てきたのは呪いによって人形にされた大魔女だった。その人形に「大魔女の素質がある」と告げられたミカは、どうせ元の世界に戻れないなら、大魔女を目指すことを決心する。
だが、人形師匠はとんでもなく自由すぎる。ミカは師匠に翻弄されまくるのだった。
第二章:巷で流れる大魔女の遺産の噂。その裏にある帝國の侵略の懸念。ミカは次第にその渦に巻き込まれていく。
第三章:異世界で唯一の友人ルカが消えた。その裏には保護部屋の存在が関わっていることが示唆され、ミカは潜入捜査に挑むことになるのだった。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる