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第八話
パタパタくん
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水菜一行は、夕食に近くの小川で採れた魚を焼いて食べ、さらに取り寄せたカップラーメンを食べてお腹を満たした。
「それって、魚いらん気がする」
キシムが、横になりながら、つぶやく。
夜も更け、辺りは静まりかえっている。
ブゥ 玉子さんのオナラの音が、妙に木霊する。
尻尾で、パタパタしたからたまらない。
キシムが、鼻をつまみ手で仰ぐ。
「くっさ・・玉子、何食ったんや」
後ろ足に顔を埋めたまま、玉子さんが答える。
「昼間、人参食ったな。そういえば」
プヨちゃんが、ない鼻をクンクンする。
「高麗人参ですね。しかも、六年根」
キシムが、立ち上がる。
「なんやと?六年根言うたら、紅参に使われる高級品やで」
何やら、身支度を始めるキシム。
「どの辺や、場所教えろや」
玉子さんが、顔を埋めたまま
「行っても、無駄だよ」
「なんやと?」
プヨちゃんが、一部始終を見ていたから知っている。
「玉子さん、綺麗さっぱり平らげてましたよ」
ガックリと膝をつくキシム。
「わしの高麗人参が・・・」
刀を抱きかかえるように、片膝を立て目を閉じる一寸。
ん?と、一寸が片目を開く。
耳を澄ますと、何やらパタパタと音がする。
天井のほうに視線を送る一寸。
光の届かない闇の中に、光る目があった。
水菜が、何事もないかのように、寝返りを打つ。
目がそちらに向いたのを、一寸は見逃さなかった。
壁を蹴って、三角跳びでそれに近づく。
パタパタと、動き始めるが遅かった。鞘に収まった刀で、横払いに薙ぎられる。
バシッと、それに当たる。
「ギャッ」
ドサッと、床に落ちる。見ると大きなコウモリであった。目を回している。
しばらくして、コウモリは目を覚ました。
畳んだ翼の上から縄で縛られている。
プヨちゃんが近づく。
「パタパタ、大丈夫プヨ?」
「あれ、プヨプヨ?なんで、お前ここにパタ?」
水菜が、プヨちゃんに近づく。
「お友達?」
「うん、よくタッグ組むんだプヨ」
翼を広げようと、ジタバタするパタパタ。
「離しやがれ、ちくしょうめパタ」
プヨちゃんを見る水菜。
それに答えるようにプヨちゃん。
「口は悪いけど、いい奴だプヨ」
水菜は、一寸を見てうなずく。
一寸は脇差を抜くと、パタパタに近づく。
慌てるパタパタ。
「や、やめろ、何する気だパタ」
ブツッと、縄を切る一寸。
バサバサと、縄が解け落ちる。
パタパタが、えっと顔をする。
水菜が、縄を拾い丸めながら
「ごめんね、パタパタさん。痛くなかった?」
プヨちゃんが、パタパタに近づく。
「この人たち、いい人たちだよ。安心してプヨ」
驚くパタパタ。
「え?」
パタパタは、ドタっと腰を下ろした。
ゆっくりと口を開くパタパタ。
「ボスの命令できたんだ。悪い奴らが来たから様子を見てこいって言われたパタ」
プヨちゃんがうなずく。
「僕も、パタパタと一緒でボスの命令だプヨ」
玉子さんが言う。
「まあ、向こうからすれば、こっちは悪者だよな」
世の中には、善も悪もないのかもしれないと水菜は思った。
水菜が、パタパタを見る。
「ねえ、よかったら、一緒に来ない?」
「え」
プヨちゃんが、パタパタにプルンと肩を寄せる。
「どうせ、僕たちは捨て駒だプヨ」
ハッとするパタパタ。
皆に視線を送るパタパタ。
それぞれが、笑顔でうなずいている。
「あ、目にゴミ・・・」
目元を翼で覆うパタパタ。
「それって、魚いらん気がする」
キシムが、横になりながら、つぶやく。
夜も更け、辺りは静まりかえっている。
ブゥ 玉子さんのオナラの音が、妙に木霊する。
尻尾で、パタパタしたからたまらない。
キシムが、鼻をつまみ手で仰ぐ。
「くっさ・・玉子、何食ったんや」
後ろ足に顔を埋めたまま、玉子さんが答える。
「昼間、人参食ったな。そういえば」
プヨちゃんが、ない鼻をクンクンする。
「高麗人参ですね。しかも、六年根」
キシムが、立ち上がる。
「なんやと?六年根言うたら、紅参に使われる高級品やで」
何やら、身支度を始めるキシム。
「どの辺や、場所教えろや」
玉子さんが、顔を埋めたまま
「行っても、無駄だよ」
「なんやと?」
プヨちゃんが、一部始終を見ていたから知っている。
「玉子さん、綺麗さっぱり平らげてましたよ」
ガックリと膝をつくキシム。
「わしの高麗人参が・・・」
刀を抱きかかえるように、片膝を立て目を閉じる一寸。
ん?と、一寸が片目を開く。
耳を澄ますと、何やらパタパタと音がする。
天井のほうに視線を送る一寸。
光の届かない闇の中に、光る目があった。
水菜が、何事もないかのように、寝返りを打つ。
目がそちらに向いたのを、一寸は見逃さなかった。
壁を蹴って、三角跳びでそれに近づく。
パタパタと、動き始めるが遅かった。鞘に収まった刀で、横払いに薙ぎられる。
バシッと、それに当たる。
「ギャッ」
ドサッと、床に落ちる。見ると大きなコウモリであった。目を回している。
しばらくして、コウモリは目を覚ました。
畳んだ翼の上から縄で縛られている。
プヨちゃんが近づく。
「パタパタ、大丈夫プヨ?」
「あれ、プヨプヨ?なんで、お前ここにパタ?」
水菜が、プヨちゃんに近づく。
「お友達?」
「うん、よくタッグ組むんだプヨ」
翼を広げようと、ジタバタするパタパタ。
「離しやがれ、ちくしょうめパタ」
プヨちゃんを見る水菜。
それに答えるようにプヨちゃん。
「口は悪いけど、いい奴だプヨ」
水菜は、一寸を見てうなずく。
一寸は脇差を抜くと、パタパタに近づく。
慌てるパタパタ。
「や、やめろ、何する気だパタ」
ブツッと、縄を切る一寸。
バサバサと、縄が解け落ちる。
パタパタが、えっと顔をする。
水菜が、縄を拾い丸めながら
「ごめんね、パタパタさん。痛くなかった?」
プヨちゃんが、パタパタに近づく。
「この人たち、いい人たちだよ。安心してプヨ」
驚くパタパタ。
「え?」
パタパタは、ドタっと腰を下ろした。
ゆっくりと口を開くパタパタ。
「ボスの命令できたんだ。悪い奴らが来たから様子を見てこいって言われたパタ」
プヨちゃんがうなずく。
「僕も、パタパタと一緒でボスの命令だプヨ」
玉子さんが言う。
「まあ、向こうからすれば、こっちは悪者だよな」
世の中には、善も悪もないのかもしれないと水菜は思った。
水菜が、パタパタを見る。
「ねえ、よかったら、一緒に来ない?」
「え」
プヨちゃんが、パタパタにプルンと肩を寄せる。
「どうせ、僕たちは捨て駒だプヨ」
ハッとするパタパタ。
皆に視線を送るパタパタ。
それぞれが、笑顔でうなずいている。
「あ、目にゴミ・・・」
目元を翼で覆うパタパタ。
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