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九突き目 女たるや

女の恵

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琴音の家の近くにある24時間営業のドラッグストアに来ている恵と琴音。
カゴを持つ恵の、反対に立つ琴音は恵の腕に自分の腕を絡めている。
こうして、買い物に来ることがとにかく楽しくて仕方ない琴音。
薬品コーナーに来る恵は、便秘薬などが並ぶ棚に来ていた。
アナル洗浄、浣腸など書かれたものを手に取る恵。
「え、恵さんて、便秘なの?」
「うん、まあ、たまにね」
「ふ~ん、てっきり恵さんがイクために使うものかと思った」
恵は、観念して打ち明けようと琴音の耳元に近づく。
「実は、それが目的なんだよ」
「え?アナルセックスでもするんですか?」
琴音がスッパリと言い放ったから驚いた。一瞬、周囲の目が注がれる。
「あー、お腹の調子が悪いなぁ」
棒読みをする恵。
「なんか、変。どうしたの?」
恵の誤魔化す態度に首を傾げる琴音。
「声が大きいよ琴音ちゃん。あ、食べ物とか、飲み物も買っていこうか?明日も休みだし、今夜はゆっくりしたいしね」
「え、あ、うん。いいと思う」
恵の肩に寄り添う琴音は、私何か悪いことでもしたの?とキョトンとしている。
適当にカゴに物を入れると、会計に回った。

        ・・

琴音の家に着くと、早速トイレに入る恵。
琴音は、お湯を沸かし、コーヒーを飲んでいる。
恵がトイレに入って、それなりの時間が経っていた。
水の流れる音がして、トイレの扉が開かれる。
「ごめん、琴音。お待たせ」
テーブルの上にうつ伏せに寝ている琴音。待ちくたびれたのだろう。
寝顔が可愛いかった。
頬にキスをする恵。そこを寝ぼけながら手で拭う琴音。
でも、何かが以前と違う気がした。
あっと、気づく恵は琴音の部屋に入っていく。
手に眼鏡を持ち戻ってくる。
寝ている琴音に眼鏡をかける。
この方が、恵は好きだった。
フェチという奴か。
寝ている琴音の近くに腰をかける恵は、自分の腕を枕に、琴音の顔を覗き込む。口から垂らしたよだれも、それはそれで可愛いもの。
急に鼻がムズムズしたのか、鼻の穴をほじる琴音は、鼻の下を伸ばしては、違和感を取り除こうとする。
変顔の連続だった。そんな自然体な琴音が恵は大好きだった。
飾らないありのままの琴音が、羨ましくもあった。
泣いたり笑ったり怒ったり悲しんだり。その全てが琴音なのだ。
このまま、二人で眠りについてしまって、それでも構わないと思った。
起きた時、目の前に居てくれれば、それだけで恵は幸せだと思えた。

瞼が重くなる恵は、睡魔に襲われていた。


なんだか、下の方が気持ち良くなっている恵。
うつ伏せだった体は、いつのまにか、仰向けになっていて、股を広げるように寝ていた恵。の股間に頭が見える。
水気を帯びた物を触っている音が聞こえてくる。
恵の分身が、うっとりするほど気持ち良かった。
それもそのはず、琴音が恵のモノを口に咥えて、手でシゴき遊んでいる。
「ねえねえ、恵さん」
テーブルの下から顔を出し、口元を手で拭う眼鏡を掛けた琴音。
「え?」
「どうするの?」
「どうするって」
ここ。と、指をお尻の穴に差し込もうとする琴音。
「あ、待って、待って」
「ん?」
指が穴の手前で止まる。
「こ、これを使って」
四角いビニールの包装の中に丸く浮き上がるものがあった。コンドームである。
「これって、恵さんのに使うの?」
「じゃなくて、琴音の指にはめて」
「え?指?」
「うん、着けたら入れてみてくれる?」
「うん、いいけど」
言われるまま、指にゴムを着ける琴音。少し大きいけどカバーにはなる。
「あと、これね」
ローションを差し出す恵から、受け取ると手の上に出す。
恵の穴と指のゴムにローションを塗る。
「いい?」
「うん」
つるんと、何なく差し込まれる琴音の指。
「入ったよ。どうすればいい?」
「玉の裏側あたりを、指で刺激して」
「やってみる」
ヌヌヌヌと、入っていく指。
女性で言うところの、○スポットと言われる場所。
「もう少し、上かな。あ、近い。ちょっと、下。ああ」
白目を剥くように、恵は刺激に溺れていく。
「そ、そこをもう少し強めに刺激して」
「ここ?」
「あああん・・・」
琴音は驚いた。男でもこんな声を出すのかと
琴音の指の動きが速くなる。
「あううう」
ピクピクと、痙攣する恵は、膝をガクガクとする。
「ああ、ああ、ああ、ああ」
全身を波打たせる恵は何度もイった。
動きを止めると、ガクッと椅子に沈み込む。肩で大きく息をしている。
グッタングッタンに、疲れ切っている恵。試しに、また同じ所を刺激すると、またそれは始まった。
ドライオーガズム。射精しないでイクこと。
射精だと一度切りのウェットオーガズムが、ドライだとどこまででも、続けられる。
「ああ、あー、一城」
琴音は驚いた。なぜ、社長の名前を口にしたのか。
白目を剥いた恵は、快楽の世界に浸っている。
うつろな目をしながら、四つ這いになる恵は、お尻を突き出している。
「一城、来て」
この時、琴音は気づいた。
あの時の恵と一城のキスは、幻ではなかったと。
「恵さん・・・」
複雑だった。これが異性の女の人なら腹も立てよう。相手が男となると、自分の感情がよくわからなかった。
琴音は、恵から指を抜いた。
ぐったりする恵。放っておけば眠りにつきそうなほど疲れ切っていた。
最初は、何度もイっている恵が可愛くて、愛おしく思えた。でも、今はそんな恵を見たくなかった。
イカなくてもいいから、私とだけしていて欲しいと思った。
この時の恵は、まるで女そのものだった。
涙が止まらない琴音。
知らなければ良かったと後悔している自分がいた。
どう接していいのか、わからなかった。
もう、二度とやらない。やるものですか。恵を離したくない琴音は決断を下した。
ぐったりとする恵を、床に仰向けに寝かすと、恵のモノを手でシゴき硬くさせる。
下半身だけ裸になる琴音は、恵にまたがり恵のモノを手に持つと、自分の中へと導いて行く。
「あう・・・」
仰け反る琴音。無反応な恵。
恵の腹の上に手を着くと、腰を励ましく上下させる。
「あ、あ、あ、恵、あ、う、あああ、イク、ああ」
ガクガクガクガク、琴音の膝が震えて止まらない。
それでも尚、向きを変え、恵の膝に手を置く琴音は、また腰を上下させる。
たまらず琴音は、ガクガクとして上り詰める。
もっと、深く欲しい。
また、向きを変える琴音は、恵のお腹に手を着くと、ペタリと腰を沈めるとグリグリと腰を回す。
恵の先端が奥に届き、痛い中に気持ち良さを味わっている。
ああ、これだから大きいのが欲しくなるんだ。と、大きい方が好きと言う女性の言葉が理解出来たような気がした。ほんの少し、大きければ、それで良かった。
今の琴音には、恵で充分だった。
また、イク琴音。
膝がすっかり笑っている。
グデグデになりながらも、まだ続けたい琴音。必死だった。なんだかんだ言っても、恵にイって欲しかった。
その直向きさが伝わったのか、いつしか目を開けている恵は、琴音の腰を取ると激しく下から突き上げた。
「あああ、すごいよ、恵」
深く突いて。と、受け入れやすくしている琴音。
それを容赦なく恵が下から突き上げる。琴音が仰け反り、負けじと腰を動かしている。
恵が顔をしかめる。
恵が、下から持ち上げるように手を差し入れて抜こうとする。
「ダメ、このままイって」
波が来ていた恵は、中で出すのを躊躇ためらった。
琴音も上り詰めいく。必死だった。恵をイカせたい一心で腰を動かし続ける。
恵が顔を退け反らせる。
「ああ、イクよイク」
「イって、恵」
「ああ、イク、イク、あああ」
グイと押し込んでくる恵は、琴音の中で果てた。
何度か突き上げてきては絞り出す。
「熱い、恵の」
奥まで受け入れる琴音は、さらに腰を回してグリグリとさせる。イったばかりの恵は、敏感だ。身を縮めて琴音にしがみつく。
そのまま、自分の胸の中に琴音を抱くとキスをした。
「愛してるよ。琴音」
「私も愛してる、恵」
笑っているのに、涙が止まらない琴音。
帰ってきてくれたような気がしていた。
男の恵が
琴音は、覆い被さるように恵に抱きついて深い深いキスをする。
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