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九突き目 女たるや

いけなくなった

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琴音の部屋に入るのは、ゲロった日以来だった。
「なんか、懐かしい気がするのは、なぜだろうね」
得意げな顔でニヤリとする恵。
「もう、それ言わないで下さい」
恵の脇をツンとする琴音。
「いて、そこはやめて」
「んふっ、お相子です」
琴音を後ろから抱きしめる恵。
その腕に手を添える琴音。
「あったかい」
背中に感じる恵の熱が琴音を溶かしていくようだ。
「そお?」
「うん、下はもっと熱いんですか?」
琴音は腰に当たっていたものが気になっていた。
「確かめてみる?」
「どれどれ」
唇を舐める琴音の手が、恵の股間に滑り落ちる。
「もう、固くなってます」
ズボンの上から上を向いたそれをさすり上げる琴音はさらに唇を舐め熱い吐息を漏らす。
恵は自分の手と違った手が自分のものを擦っているのが気持ちが良かった。
「琴音が、欲しくてたまらない」
琴音は後ろ手のままズボンのチャックをつかむと、下ろしズボンの中に手を差し入れる。
「はあ・・熱い」
「ん?」
「恵さんのここ、すごく熱いです」
「うん、琴音に熱を上げてるからだよ」
琴音は後ろから抱きしめられたまま、トランクスの窓から手を差し入れる琴音は熱くなった恵を握りしめた。
「あ・・おっきい」
「そんなことないよ」
一城さんのは、もっと大きいんだよ とは、さすがに言えない。
「男の人って、どうして、大きさにこだわるの?」
「んー、やっぱ、女の子を喜ばせたいからかな?」
「それって、間違ってると思います」
言いながら、琴音の手は上下している。
「あ・・間違ってるって?」
恵も、琴音に対し愛撫を始める。
丁度手の中に、スッポリと収まる琴音の乳房に尖った部分を見つけ、転がしてみる。
「んっ、あ、優しくしてもらえたら、女って熱くなれるんだよ」
「ああ・・そんな・・もん、かな」
「そ、それに、大きいと・・痛いって・・聞きました」
ビクビクと、体を縮める琴音。
「待って、恵さん」
言うと、恵の方を向く琴音は、膝をついて、恵のズボンのベルトを外し始める。
「あ、待って、琴音。先にシャワー浴びたい」
「いいの、このままで」
ズボンとトランクスを下ろす琴音は、目の前に、そそり立つ恵のそれを口に含む。
ビクンと腰を引く恵。
恵の反応が琴音は嬉しかった。
チロチロと先を舐める琴音。
ガクガクとする恵は、琴音の頭を抱える。
「恵さんも、これ好きですか?」
「う、うん」
琴音は、手を添えると口でしながら、手を上下させる。
「ああ・・すごくいいよ。あっ・・」
「ん、なんか、出てきました」
琴音は、嬉しそうに言う。
落ち着いているようで、琴音もまた、体が火照るのを感じていた。
慣れていた、男が喜ぶ所を知っている。そこを、容赦なく攻めてくる琴音。
大きく膨れ上がったものから、口を離す琴音。肩で息をしている。
脱がせて欲しい気持ちを相手に示す。
琴音は、恵の作業着を脱がし始める。
それを察した恵は、琴音の手を止めると自ら脱いで全裸になった。
恥ずかしそうに下を向く琴音。久しぶりに見る男の体。やや細身ながら、筋肉質なのがわかる。
自分の服に手をかけようとする琴音を抑え、恵は琴音の作業着のチャックに手をかける。
ゆっくりと下がっていくチャックの細かい振動が琴音を刺激しながら滑り落ちていく。
前を開かれ、タンクトップが現れると、一瞬恥ずかしくて手で隠す琴音。
ズボンからタンクトップの裾を引っ張り出す恵。白い肌の中におへそが見える。
タンクトップを上へと持ち上げていくと、淡いピンクのブラが見える。琴音は、バンザイをして脱がすことを容易にさせる。
タンクトップが、床の恵の脱いだ服の上に重なるように落ちる。
まだ、完全に上気していない琴音は、恥ずかしくて前を手で隠している。
琴音のズボンに手を伸ばす恵。
目を閉じて、感覚に浸ろうとするかのような琴音。
カチャカチャとベルトが外れ、ホックが外され、チャックに手が掛かるとスルスルと落ちていく。
上と同じ淡いピンクの下着が、肉で丸みを帯びている。
ゴクリと固唾を飲む恵。
腰にかかるズボンを、ゆっくりと下げていく。
途中、下着に引っかかるが今回は気にしない。
一緒に下がっても平気だった。
それでも、ずり落ちかけた紐を元に戻す琴音がイジらしかった。
膝まで来たズボンは、そこからストンと足首まで落ちる。
それをまたぐように、踵にかかるズボンを外しながら脱いでいく琴音。
下着二枚に靴下を履いただけになった琴音。
それが、なんともイヤらしくて、恵の下の方でクンと動くものがあった。
恵は、明るすぎる部屋の照明を落とす。
肌の露出する琴音の肩に手を添える恵。
ピクリと反応する琴音の体は、一段と敏感になっている。
身を寄せ合い、唇を重ねる二人。
服は脱いだが、何やら生臭いのか泥臭いのか昼間の厨房の匂いを思い出させる。
顔をしかめる二人。
琴音の手を取り、風呂場に足を向ける恵。
「あ、先に行ってて」
「ん?」
床に落ちている服を拾い集める琴音。片手で前を隠しながらする姿が、とても女の子らしい。
「うん、先に行ってるね」
初めて入る琴音が使う風呂場。
ここで、全裸の琴音が体を洗う。
よく知らないメーカーのシャンプーとコンディショナー、それに一見すると髭剃りにも似た剃刀かみそりが置いてある。
それに並ぶように置かれたアヒルのおもちゃ。握るとブービーと音を立てる。きちんと置かれていることから、バスタブでの大事なお供なのだとわかる。
琴音のことだから、これに一日の出来事を話しかけているのだろうと、勝手に想像して可笑おかしくなる恵。
シャワーレバーハンドルを開く恵。冷たい水がシャワーから降り注ぐ。
慌ててハンドルを取る恵は、熱くなるまで床を流している。
そこに琴音のものであろう縮れた下の毛を見つける。先日の下の毛問題を思い出すと、想像しかけた琴音の下腹部は消えてしまった。
あの時の琴音が変わっていて、思い返すと可愛く思えた。
そこに、琴音が入ってくる。
脱がせたかった下着は、もう着けていないがタオルで前を隠している。
「あまり見ないで下さい。恥ずかしいよ」
そらっと、シャワーのお湯を琴音に浴びせる恵。
きゃあ、と声をあげ、持っていたタオルを落としてしまう琴音。
琴音の全裸が露わになると、たまらず抱きしめている恵。
締め付けられるのと、興奮し始めていた琴音が吐息を漏らす。
吐息を混じり合わすように、唇を重ねる二人。隙間から漏れる互いの吐息。
切なそうに恵を見る琴音。
恵は、シャワーのお湯を琴音にかけながら肩に触れる。ピクリとなる琴音。肩から首筋に指先が流れ、ゆっくりと背筋を腰に向かって降りて行く。
あごを伸ばし、体を仰け反る琴音。
伸びた首筋が綺麗だった。思わずキスをしている恵。
琴音は、身を縮めると恵の脇腹の赤黒くなった部分にそっと手を添える。
「痛む?」
「痛いけど、慣れてきたかな」
痛さを確かめるように、添えた手を動かす琴音。
つっと、短く素早く息を吸い込む恵。
「あ、ごめん。平気?」
「大丈夫」
うんうんと、顔をしかめたまま首を縦に振る恵。
「洗ってあげる」
琴音は、恵の手を引き背中を向かせるとバスチェアを置くとそれに座らせる。
頭に手を添える琴音は、ここから洗うよと知らせる。
頭全体にシャワーをかけ、十分に湿らせると、クチュクチュと愛用シャンプーを手に取る。
恵の髪をクシュクシュと洗い始める琴音。花の香りの広がり、琴音の髪の匂いだと気づく恵。
シャワーのお湯が、恵の敏感な襟足の部分にかかると電気が走り、ゾクゾクとさせる。
「ここ、恵さんの弱い所なんだ」
「さあ、どうかな」
はぐらかされて、悔しいから同じ所にお湯をかける琴音。
またまた、ゾクゾクさせる恵。
襟足を手で摩りながら琴音を見る恵。
「あ、それ、やめて、認めるから」
「んふっ、可愛い♡」
髪を洗い流すと、背中に指を這わす琴音。そこに何やら、黒い胡麻を見つけたので、爪でカリカリする琴音。
「いてっ、なんかあった?」
痛くはないが、咄嗟に口から出る恵。
「あ、違った。ほくろだ」
「ほくろ?そんなとこに?」
「うん」
「そうなんだ、知らなかったよ」
愛おしそうに、ほくろを指で撫でる琴音。恵も知らない所に、ほくろを見つけて自分だけが知っている秘密を見つけた気分だった。
ボディソープをクチュクチュと手に取り、恵の背中に塗り広げるとこれが面白いようによく滑る。たまらず、後ろから抱きつく琴音。
ツルツルと良く滑るので琴音は、声を出して笑った。
恵は恵で、背中に柔らかい肌を感じながら、コロコロしたものが二つ背中をかすめていくのが、たまらなかった。
琴音も、気持ち良かったのか、声を漏らす。
若い二人に火が灯るのは早い。
互いにボディソープを手に取り合うと互いの体を洗いっこを始める。前戯を兼ねて。
全身を洗うというよりも、撫で回す二人。指を絡めあいながら、唇を深く重ね合い、舌を絡め合う。
頭を下げ始めていた恵のソレは、凛々しくなっていた。
泡だらけの体で、ソレを手に取る琴音。
恵も琴音の割れたアレに手を滑り込ませる。
アレの中に小さな粒を見つけ、コリコリと指先で転がす。
琴音は、声を漏らし身を縮める。
掴んだ恵の肩とソレに力が入る。
ソレを持つ手の持ち方が変わると、先ほどと違った刺激が恵を襲う。
腰を引き逃げるようにする恵。
ソレの先端からトロリしたものが滲み出て、それを指先で滑らせる琴音。
身をよじらせる恵。唇を舐め、激しくそこを攻め立てる琴音。
たまらず声を出す恵。
琴音のソレを握る手を取り、引き離す。
バスタブの縁に、琴音を座らせる恵。
両膝を持つと、大きく開かせる。
「や、だめ」
手でアレを隠す琴音。
その手を両手で掴み引き離すと、アレに顔を近づける、舌先がアレに触れると飛び上がるようになる琴音。
あわびに似たアレを全体をくまなく舐め回す恵。
ビクビクとしながらも、溶けて行くような琴音。
恵の頭を抱える琴音は身を退け反らせる。
たまらず、足を閉じて、それを遮ろうとするが、口と舌の動きは変わらない。
グシュグシュと音を立てる自分が恥ずかしい琴音は、困った顔をして恵にキスを求める。
なんとか、引き離すことが出来て、ホッとしたのも束の間、スルリと恵の指先がアレに触れてくる。
キスで口を塞がれた琴音は、あっと、顔をしかめ、襲いくる快楽の波に溺れて行く。恵が欲しくなってきた琴音に応えるかのように、指が琴音の中に入ってくる。一旦は、身を引くも奥へと導くように身を沈め受け入れる琴音。
ゆっくりと動く指が焦ったい。
我慢が出来ずに自ら腰を動かして、指の動きを速めている。
やめて欲しい気持ちと続けて欲しい気持ちが、声になる。
「めぐむ・・欲しいよ」
恵もまた、我慢の限界であった。ソレは、いきり立って、ムズムズしていたソレを手に持ち、シゴいていた。
「ああ、琴音。俺も欲しいよ」
「うん」
うなずくと琴音は、背を向けバスタブに手をつき、お尻を恵に向けた。
少し、琴音の足を開かせる恵。
恵は、ソレを持つと琴音のアレに先端を押し当てながら蜜壺を探す。
先端がその口を捉えると、ゆっくりと押し込んでいく。
う・・と、声を漏らす琴音。
ソレの頭が入り口を抜けると、ヌルヌル入って行く。
恵と琴音を快楽が襲い、鳥肌を立てる。
琴音の中に入った恵。
恵を受け入れた琴音。
二つが一つに繋がった。
琴音の背中にキスをする恵。
早くして、と、琴音が身をよじる。
ぐっと、押し込むと、先端が何かに届くと声を上げる琴音。
「あたるよ」
「うん」
琴音の腰を抱えると、ゆっくりと動き始める恵。
引き抜くときの、カリに引っかかる感じがたまらない。
「きて・・」
そんな琴音が、すごく綺麗だった。大人な一面を見たようだった。
次第に恵の動きは、速くなっていく。
パン、パンと突くたびに琴音のお尻が揺れる。
「あ、あ、恵のが当たる」
「え?」
「恵の玉が、私のに当たるの」
振り子となった玉袋が、琴音の豆粒に当たるらしい。それが、なんとも心地いいと言う。
波が恵を襲う。より速くなる恵。
「あ、ダメ、あ、イッちゃうよ」
「いいよ」
「あ、イッちゃう、イッちゃう、ああ、イクイク、あ」
ピクピクと痙攣する琴音は、バスタブに落ち込むように、腕を項垂うなだれてしまう。
「はあ、はあ、えへ、イッちゃった」
「良かった」
女の子とするなんて、何年ぶりだろうか。
「中でイク?」
「え?」
「一応、安全日なの」
「いや、でも、それはやっぱり」
「どうしても、心配なら中でイカなければいいよ。だから、着けずにして平気だから」
男って、弱い生き物だ。
「あ、うん、わかった」
手に持ったゴムを放り投げる恵。
そのまま、後ろから交わる二人。
波は、そこそこ来るのになかなか、その時が来ない恵。
一城にされることでしか、イッたことがない最近の恵は、こうした行為でイキにくくなっていた。
ましてや、メスイキに慣れてしまった恵には、難しいことだった。
「くそっ」
琴音から、体を離すとその場に座り込んでしまった恵。
「ごめんね、私じゃイケないのかな?」
「違うんだよ、琴音。悪いのはこっちなんだ」
「なら、一緒に克服しようよ。ね」
琴音は、その原因を知らないから、単に不能に似たものと勘違いをしている。
「ごめんな、琴音」
「謝らないで、恵さんは立ってちゃんと、私に応えてくれたんだもの。イケないだけでしょ?少し、寂しいけどね」
シャワーで、自分のアレを洗い流す琴音。いきり立ったままの、ソレも洗う琴音。
先程よりも萎えてきている。
「ううー、やっぱヤダよ。恵さんだけイケないなんて」

一旦、二人は風呂場を出た。
頭にタオルを巻きつけて、TシャツとパンTだけの琴音は、ケトルに水を入れている。
同じく、Tシャツにトランクスだけで下を向いたままの恵が顔を上げる。
「イク方法、無くはないんだけど」
「どんななの?それって?」
鼻の頭をかく恵は、やや困ったように説明を始める。
「まずは、先にトイレ行かないと」
「え?それって、おしっこのこと?」
「違うよ」
「ん?他にするのは、んこだよね」
「少し、かかるかもしれないから」
「あ、はい」
「あ、そうだ。琴音、この近くに薬局ってないかな?」
「薬局?ドラッグストアならあるけど、買ってきましょうか?」
「あ、いや、いい」
トイレの流れる音がすると、扉を開けて出てくる恵。
「自分で行ってくるよ」
「あ、なら、一緒に行く」
「あ、うん、わかった」
場所もわからないし、いずれは教えなければならないこともあるから、一緒に行くことを同意する恵。
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