なぜ妻は夫が自宅でゴロゴロすると不機嫌になるのか

浅野新

文字の大きさ
86 / 233

日本の料理作りはなぜこんなに辛いのか。

しおりを挟む
答え:女性に期待しすぎているから。以上。

答えが簡潔すぎましたか。ではもう少し具体的に書きましょう。

答え:自分は作ったことがないから日本で行う料理の大変さが分からず、世界的に見れば大変レベルと労力が高い事を女性に期待しすぎているから。

はい。そうだと思います。そもそも男性に多いのですが、「料理した事がないから」または「した事はあるがラーメンゆがいたくらいのレベルであり、レシピ本を見てその通りに丁寧に分量を量って材料を切って1時間から2時間くらいかけて丁寧にした料理をろくにした事がないから」、女性に「これぐらい作ってくれないと」と思ったり、「自分の母親の時はこれぐらい当たり前だった」レベルの料理を求めてしまうのではないでしょうか。

まず、自分が料理が苦手でよく作ってもらう立場だからこそ、自分が料理下手だと分かっているから料理教室に3年通って基礎から勉強した筆者だからこそ声を大にして言いましょう。

「毎日毎食きちんと料理を作るなどろくにやったことがないくせにちゃんとした料理を作れとか言うな。ポテトサラダ事件か」←ポテトサラダ事件を知らない方、googleで調べてください。

世の日本人男性から一斉ブーイングが来そうですが、あえて言わせていただきます。
あなたが
・きちんと作った料理した事がなかったり
(ここで言うきちんととは、
・栄養バランスの良い食事内容 であり
・作る回数も毎日であったり、1日3食など多い回数であり
・レシピを見て材料も調味料もきっちり分量通り量って
・料理時間1時間から2時間くらいかけて作ったもの の事)
・自分の母親はできていたのだから同じ女性であるお前もできるべきと考えているなら

それは非常に乱暴な話です。

ピンと来ないあなた、例を言いましょう。
奥さんが、あなたがやっている仕事を全くやった事がないのに
「もっと仕事できるでしょ。稼いできてよ」と文句を言ったらどう思いますか。
「お前、俺とまったく同じことやってからそれを言えよ! 」と思いませんか。
もう一つ、奥さんが
「私の父は給料右肩上がりで高給取りだったの。なんであなたはできないの? 」と文句を言ったらどう思いますか。
「お前のお父さんの時代と今は違うんだよ!!」と思いませんか。

そう言う事なんです。やった事がないのに文句や注文をつける事、
昔の時代とは違うのに自分の親と比べられること。とても乱暴な話ですよね。相手を傷つけるだけです。今すぐやめましょう。

二つ目は、あなたの中の「料理」のハードルを下げる事です。

欧米では料理ができる男性が多いのですが、ほぼ共働きだからと言うベースを置いておいて、そもそも「料理」のハードルが低いからではないでしょうか。
つまり、料理に、
・和洋中のバラエティーの豊富さを求めたり、
・出来あがった見た目をインスタ映え並みに求めたり(いろどりがどうとか盛り付けがどうとか言う事)、
・原材料や調味料が全部オーガニックとか出汁は絶対天然ものとか原材料、調味料に健康志向の完璧さを求めたり、
・毎日絶対違う料理を求めたり、
・1回3品など品数の豊富さを求めたり

以上のような事を相手の料理に求めません。そして相手からも求められません。だから自分が料理を作る時も「ちゃんとしたものを作らなければ!」というプレッシャーのない、気楽な気持ちでチャレンジできる=簡単な料理から作っていく→結果料理ができるようになる、のではないでしょうか。それとは逆で日本の男性は前述のような「ちゃんとした料理を作れて当たり前」と思っているので、逆に自分が作らなければならない時にプレッシャーを感じて、結果ロクなものが作れない、やっぱ男はだめだね、女に作ってもらわなきゃ、と逃げに走るのではないでしょうか。共働きが当然の今、簡単な物でいいので料理ぐらいできるようになりましょう。え?簡単なものって、と今すごく難しいレシピを考えたでしょう?その思考回路がそもそも間違いなんですよ。

筆者はアメリカに留学していましたが、向こうは料理に女性も男性も期待していません。
そもそも「料理する」の基準が格段に低いのです。基本的に一食大皿一品でもOKと言うおおらかさがありますし、その料理も必ずしも煮たり焼いたり、そもそも原材料を切ったりした準備する事もあまりありません。
たとえば野菜はすでに洗浄、カットされた野菜が袋詰めで多くの種類が売られていますから、それを買えば袋からサラダをボウルに移し替えてドレッシングを用意すればサラダのできあがり。缶詰料理も種類が豊富なので、それを1つ皿に入れてレンチンすればおかず一品できあがり。冷凍食品も大変多く、さらに一つでメイン1品サブ2品の機内食のようなワンプレーとセットも多いですから、それを買えば、究極その一食は主菜も副菜も作る手間がありません。外食やおかずなどのテイクアウト食品も豊富で手ごろな価格は多いですから気分転換もかねて外食を利用する事もできます。
これだけ「料理する」基準が低いと自ずとチャレンジするハードルも低くなります。実際料理する男性も多く、筆者も友人の家に数か月下宿していた時、友人の旦那さんは毎週末の朝食は必ず作ってくれました。ほぼフレンチトーストのみでしたが、普段から料理しなければいけない側の人間としては、自分が何もしなくて良い、座っているだけでご飯が出てくることがありがたいと言う思考になるんですよ。野菜などを食べたいと思ったら自分で準備すればいい話ですからね。

日本の理想の料理として良く掲げられる「出汁は天然のものを」「時間をかけて丁寧に」「一汁三菜」などなど、それは確かに健康面や精神面で大いに良い事は分かっています。ただ、時代が今やその考えにおいついているでしょうか。専業主婦が多かった時代、子だくさんで年長の子供や同居の老人、ご近所の方に幼児を見てもらっていた時代などとと違い、料理に手間暇かける時間的余裕は女性にとってだけではなく男性にとっても、つまり誰にとっても皆無なのです。そこを日本では女性だけに料理を押し付けたり(厳密に言えば他の家事もですがそれは一旦置いておいて)そもそも昔の価値観を持ち出して議論するのは違うと思います。

料理を担当する全ての人のために、料理は時間をかけなくても良いし毎回栄養バランスを考えなくても良い、時にできあいでもインスタントでも冷凍食品でもいい、いろどりを考えなくても良い、煮たり焼いたりせず工程はレンチンだけでも構わない、日本ではそれぐらいおおらかな思考を持つべきではないかと思いました。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

処理中です...